夜空の長時間露光撮影に欠かせないブレない三脚の選び方

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星景写真撮影日記『星景写真始めます』の第3回目、今回は『星景写真撮影に適した三脚の選び方』についお話ていきます。

長時間露光を多用する星景写真で一番需要なことはブレない写真を撮ること。振れを防ぐ為にはしっかりとした三脚が必要ですが、素材大きさ撮影用途によってその種類は多岐に渡ります。
本記事ではデジタル一眼カメラでの星景写真撮影で使い易い三脚の選定方法について書いていきますが、選ぶポイントは通常の三脚選びと同じです。現在三脚の購入を検討されている方の参考になれば幸いです。

ポイント
星景写真撮影に最適な三脚を選択して、夜に輝く美しい星空を振れる事なく撮影しよう!

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三脚の選び方

三脚選びは悩ましい・・・

カメラ・レンズ選びと同じくらい悩むのが三脚選び。実際は悩むと言うよりは選ぶ基準が分かり辛いと言うのが本当のところではないでしょうか。

三脚のスペックには耐荷重(最大搭載荷重)パイプ径段数素材等考慮すべきポイントが幾つかありますが、正直どの位を目安にすれば良いのか難しいですよね。
最大搭載荷重に関しては団体規格が存在する様ですが、どの辺まで統一されてるのか素人には分かり辛いと言うのが個人的な印象。)

例えば昨今主流の素材としてはカーボン(炭素繊維)が挙げられますが、カーボンの素材構造自体様々なタイプが存在します。これらを一括りにカーボンとして比較したところで何ともあやふやな話になってしまいます。

例えば・・・店頭で似た様な姿の3段カーボン三脚 Aメーカ製と Bメーカー製の2つの製品(価格も同じ位)が並んでいたとします。
Aの耐荷重は5Kgに対してBは倍の10kg。一方の耐荷重10kgB有名素材メーカーのカーボンを使用と謳われていますが、カーボン素材の違いだけで5kgのメリットが発生しているのか、他の構造面で優れているのか、それとも耐荷重の測定基準が異なるのか正直簡単には判断出来ないんですよね。

既にさじを投げた感の書き方をしてしまいましたが、選ぶのび何らかの目安は必要ですよね。本記事では以下の選定の目安をご紹介していく形で進めていきたいと思います。

まず撮影機材の重量を知っておこう

三脚選びで一番重要なポイントはカメラ・レンズ・雲台の重量を合わせた機材重量。この重さに比例して頑丈な三脚が必要になってきます。

機材重量の参考として超広角レンズを装着した「フルサイズ一眼レフ」・「フルサイズミラーレス一眼」と「マイクロフォーサーズ」のケースで下に表を載せてみました。念のためレンズは余裕を持って大三元クラスの超広角ズームレンズで見ています。

雲台に関しては一例としてベルボンの自由雲台QHD-G7AS積載荷重8kg)で作成してみました。

8kgの積載荷重ですと大三元クラスの望遠レンズの使用にも十分耐えられます。多くの方は星景撮影だけでは無いはずなので積載荷重に余裕がある自由雲台(モノボール)で想定してみました。

フルサイズ 一眼レフの場合 NIKON D780★AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
カメラレンズ合計重量雲台カメラ+レンズ+雲台
D780AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDQHD-G7AS
755g970g 1725g675g2400g
(参考)大三元レンズの一つAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VRの重量は1430g
フルサイズ ミラーレス一眼の場合 SONY α7Ⅲ★FE 12-24mm F2.8 GM SEL1224GM
カメラレンズカメラ+レンズ雲台カメラ+レンズ+雲台
α7ⅢFE 12-24mm F2.8 GM SEL1224GMQHD-G7AS
565g847g1412g675g2087g
マイクロフォーサーズの場合 OLYMPUS OM-D E-M1 Mark III★M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
カメラレンズ合計重量雲台カメラ+レンズ+雲台
E-M1 Mark IIIM.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PROQHD-G7AS
504g534g1038g675g1713g

Tips
ステップアップしてポータブル赤道儀を使用することになると更に機材重量はUPします。使用機材の重量は多めに見積もっておいた方が良いでしょう。

後はそれぞれの組み合わせに応じた三脚を検討していくことになります。

最大搭載荷重

最大搭載荷重の区分けは全てのメーカーで統一されている訳ではないので、参考まで国産メーカーを例に以下の様にクラスに分けしてみました。

軽量クラス・・1〜3kg・・トラベル向で手軽さが優先、星景写真では対策が必要
中量クラス・・5kg・・この辺だと一安心
重量クラス・・7kg・・ポータブル赤道儀まで使えそう
最重量クラス・10kg・・自動車移動がメイン、体力があれば是非ご検討を!

※メーカーによって耐荷重の考え方は異なります。区分けはあくまでも目安です。

一番重量のあるデジタル一眼レフカメラでトータル約2400gなので、メーカスペックの最大搭載荷重に倣えば軽量クラスでOKということになります。

2〜3kg軽量クラスの三脚はトラベル向けのイメージで、カメラに大三元クラスのレンズを装着すれば見た目で既に不安な感じになってしまいます。記念撮影や1秒程度の低速シャッター程度であれば何とか(頑張れば)大丈夫かな〜と言う感じですが、星景撮影で10〜20秒のシャッターを切るには正直キビシーです。

軽量クラス三脚

Velbon ULTRA MAXi L
段数:5段
耐荷重:1.5kg
パイプ径:21mm
高さ:165~1525 mm

もう10年以上前に購入したベルボンのトラベル三脚です。当時は画期的な三脚で初級一眼レフカメラEos Kissクラスであれば結構使えました。
試しにソニー FE 12−24mm F2.8を装着したα7Ⅲ(合計1412g)を載せてみると、やはり少々心細い感じ。条件が良い場所で短時間なら何とかなりそうですが、歩留りは悪くなりそうです。

お店で三脚の購入相談すると「機材重量の2倍3倍を目安にすると良いですよ〜」なんて店員さん言われることがあります。この目安が的確かどうかは別にして星景写真撮影の三脚では大きく重いに越したことはありません

上のクラス分けに当てはめるとすれば、最低でも中級(4〜5kg)クラス、出来れば重量(7kg)クラスが望ましいでしょう。下手すると一晩中カメラをセットしたままになるので、中判カメラでも使用可能なクラスの三脚を選べば最高と言えます。

運搬面で問題がある場合は現場は軽量クラスの三脚で工夫有るのみ。三脚のフックを使いバッグを固定したりストーンバッグでウェイトハンデを補いましょう。

パイプ径

パイプが同じ素材であれば、パイプ径が太い方が有利。

以前は「32mm位有れば安心」と漠然と思っていたのですが、パイプの素材によっても変わる訳でこの辺は「同じ素材なら太い方が安心」と言うのが最近の時分の考え方です。まあ当たり前ですよね。
パイプ径は約20mm〜38mmまで様々。28〜32mm位有ると見た感じの安心感があります。

段数

三脚の段数は1段〜7段とモデルによってかなり幅があります。
段数が増えれば必然的に下段のパイプは細くなってしまい強度落ちてしまいます。パイプ径は太い方が有利と言うセオリーに反してしまう訳ですね。
一般的には3段〜4段の製品が多く、星景写真撮影の場合もこれらの段数の製品から選択することになりますが、出来ることなら3段がおすすめです

独り言
私が三脚を購入した頃、まだ星景写真を撮ることを想定してなくて4段タイプを選択していました。急いでいる時は脚のロックが面倒だったりするので少々後悔しています。

素材 アルミ or カーボン?

星景写真撮影ではアルミ製も検討してみて!

アルミ⇨安い カーボン⇨高級品 

こんなイメージ持っていませんか?恥ずかしながら私はそうでした。
よくしな〜る釣竿やロードバイクもカーボン製と言われると確かに高性能な雰囲気で有難い響きです。
素材コストはアルミの方が安価、一方のカーボンは航空機にも使用される高級素材・・・なんて言われると三脚でも「選ぶならカーボン一択!」と思ってしまうのも当然かもしれません。

しかし、移動が自動車中心の方や、より一層の安定感を求めるのであればアルミ製三脚もご検討を。

雲台がセットになったタイプや太ネジタイプもあります。

ハスキーの三脚の安定性と堅牢製は誰もが認めるところ。アルミ製三脚と言えばハスキーを真っ先に思い浮べる方も多いかと思います。実際私の周りのカメラマンも長年のハスキー愛用者が多い多い(笑)

冬のアルミパイプは冷たくて握れないと言われますが、カーボンでもレッグウォーマーは個人的に必須。
炎天直下ではカーボンも結構熱くなります。
またアルミは振動吸収が遅いと言われますが、デジタル一眼レフと広角ズームレンズ位の組み合わせではそれほど問題にはなりません。

移動が多い場合はカーボン製で

電車移動や山行きの場合、また移動しながらの撮影が多い場合は、素直にカーボン製三脚を選択した方がベター。私も電車や飛行機移動の場合は小型のカーボン三脚を携行しています。後は撮影時にブレない様に工夫しています。

その他のチェックポイント エレベーターポール(EV)

草木が邪魔でエレベーターポールを伸ばしてセッティング

エレベータポール(EV)は使用出来るか?

写真教室では「エレベーター機能は不安定になるから使っちゃダメ」なんて言われ場合もあると思いますが、安定性を考慮すれば確かに一理あります。しかし折角搭載されている便利な機能、「正しく・無理なく」使用すれば結構助けられることもありますよ。

上の写真↑ではフレーム内に構図上邪魔な枝や草が入っていましたが、エレベーターポールを使うことで解決することが出来ました。

軽量級やトラベル用三脚のエレベーターポールは細くて不安な場合が多いですが、中〜重量クラスですとそれなりにがっしりとしたポールを備えた製品が多いです。望遠レンズ使用時は流石に不安ですが、小型の広角レンズ程度であれば15秒程露出でも問題ない場合が多いです。

この辺は機材の重さと撮影現場状況のバランスを鑑みながら上手に活用したいところです。

エレベーターポールのフックの有無も要チェック

エレベーターポール(センターポール)下端にフックが有ると下記の様に何かと便利。

  • カメラバッグなどの荷物を固定⇨重心が低くなり安定感UP
  • 外部給電用のバッテリー等を取り付ける(イレギュラーな使用法ですが)

こんな感じで単なるフックですが、有ると無しとでは大違い。トラベル用では省略されている場合が多いので必ずチェックしておきましょう。

センターポール下部のフック

脚のロック方法 レバーロック式 or ナットロック式

ナットロック式

わたしが使用している三脚の殆どがナットロック式、理由は部品構造が比較的シンプルでメンテナンスがし易いからです。

ナットロック式のメリット
1.メンテナンスがし易い
2.レバー式と比較して凹凸が少なくて保管や運搬時に楽
3.長く使える(そんな気がする)

定期的にナットは自分で分解清掃し・グリスアップしています。

ナットロック式のデメリット
1.ワンタッチ操作のレバーロック式に対して、ナットを回転させる手間が掛かる
2.脚のロック状態が目視では確認し辛い

1.に関しては三脚を伸ばす際はナットをまとめて回転させれば手間はかなり軽減されます。
2.に関しては正直うっかりやらかしてしまうことが。三脚のセット完了と安心していたら、脚が縮みスルッと角度が傾いてしまうのです。これは使用者の注意力の問題ですね・・・

レバーロックは締める際の感触もメーカーによって異なります。

レバーロック式かナットロック式か、この辺は使い方の好みもありますので、やはり実機を感触を確かめて見ることをお勧めします。

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星景撮影におすすめの三脚

星景撮影用途でおすすめの三脚をピックアップしてみました。と言っても種類はかなり多いのであくまでも一例です。今後自分も使用したいと思う製品をメインにご紹介しています。

SLIK カーボンマスター 933 WOH

日本人には馴染みの深いSLIKのカーボン三脚。

この三脚の一番の特徴はエレベーター(EV)を上げた時の最大全高が何と1900mmにまで到達するところ。

ラック&ピニオン式エレベーターでケース・ストーンバッグまで付属されています。今一番気になっている三脚です。

エレベーター下げ全高1590mm
エレベーター上げ全高1900mm
パイプ径32mm
重量2300g
耐荷重7kg
Velbon カーボン三脚 Professional Geo N730

こちらはベルボンのギアEV式三脚。メンテナンスを怠らなければ長期間使用可能なので、この位のクラスの三脚を検討しても良いのではないでしょうか。ローポジションは非対応。携帯性を考慮した4段タイプもあります。

エレベーター下げ全高1510mm
エレベーター上げ全高1720mm
パイプ径32mm
重量2520g
耐荷重7kg
Velbon カーボン三脚 Professional Geo V630

上のN730の弟モデルになります。移動が多い場合はこのモデルが選択肢に入るでしょう。
ローポジションには非対応なので草花など高さが低い被写体には不向き、しかしながら星景撮影であれば全く問題なし。サンニッパにも対応していて剛性感も高そう、個人的にも使ってみたい三脚です。

エレベーター下げ全高1325mm
エレベーター上げ全高1590mm
パイプ径28mm
重量1760g
耐荷重4kg
ハスキー アルミ製三脚 3段 1033

正直持ち運びには向いていませんが、じっくり撮影する場合オススメです。
三脚の良し悪しを判断するにも有る意味基準となる製品です。一度は使って頂きたいと申しますか、一生をこの三脚と供に遂げそうな大先輩もいらっしゃいます。スゴイ!

私が愛用中の一本 GITZO GT3541LS システマティック三脚 3型

GITZO GT3541LS システマティック三脚 3型
段数:4段
耐荷重:18kg
重量:1.72kg
高さ:100~1460 mm(最大全高1800mm位まで)

現在は販売終了していますがGITZO GT3541LSを愛用しています。
積載耐荷重は18kgと飛び抜けた数値で、対して重量は1.72kgとかなり軽量なスーパースペックです。
しかしながら中判カメラでも5kg以上の機材は載せた事がないので、この値が国産三脚の実物と比較して優れているかどうかは正直自分には分かりません。
消して安くはない製品ですが不満点はかなり少なく、使い始めて既に10年以上経ちますがノートラブルです。勿論星景写真撮影で困ったことはありません。
後継機はGT3543LSになっています。

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まとめ

最近はカメラの手振れ補正機能の能力が凄いので、昼間の風景写真撮影での三脚使用率はかなり減ってしまいました。その一方、露光時間が長くなる星景写真撮影では三脚はやはりマストアイテムです。

選定基準は(当たり前ですが)とにかく丈夫堅牢そしてブレを防げること。これらはカタログスペックのみでは判断し辛いので使用機材の目星がついたら一度現物をチェックし、出来れば実際にカメラを載せてチェックして頂くことをおすすめします。

それとメンテナンスさえ怠らなければ長期間使用できるのが三脚です。中にはハスキーの様に一生モノの三脚も存在します。歴史のあるメーカーやモデルは高価な場合もありますが、パーツ供給もしっかりしており長く使用するつもりであれば十分検討に値するはずです。

納得の一本を是非見つけてくださいね!

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