M2 MacBook Airを購入すると、電源アダプタのデュアルUSB-Cポート35Wコンパクト電源アダプタ(長いので以下『35W デュアル』と記載)が付属していました。
Apple純正電源アダプタでは待望の複数ポート搭載。ポートが1つと2つとでは、使い勝手の面で大きく異なります。出先での使用機会も増え、サードパーティ製の検討も必要なさそうな予感。
しばらくの間使用した印象を申しますと、初めは控え目なスペックで地味に感じた『35W デュアル』でしたが、実際使用すると意外と良かったり・・・でもユーザーによって評価は分かれそう。そんな感じです。
Apple純正、待望のデュアルポート充電器!
シングルポートでは不足することが多いよね。
出先で重宝しそう!
今回は人気の充電器Anker 735 Charger (GaNPrime 65W)と簡単な比較も交えながらレビューしていきます。
概要・スペック
小型軽量104g、持ち歩きに適したデュアルポート
そもそも持ち歩きで苦にはならないはずの従前の純正30W充電器、シングルポート故にサードパーティ製充電器を別に求めた方も多いはず。
まずは祝純正デュアルポート!ということで。
この手の製品はサードパーティの得意分野ですが、アップル純正の意味は大きいですよね。
自宅のキッチンスケール上での重さは約104g。純正30W USB-C電源アダプタ*(1ポート)が約99gなので、特段重い印象は受けず。
*M1 MacBook Airに付属していたもの
側面部には浅い窪みが設けられており、コンセントからの抜き差しに配慮された形状。
左:35W デュアル
右:30W USB-C電源アダプタ
プラグの位置が今までの純正充電器とは異なる位置に配置された。これによりコンセント差し込みスペースを要し、好みが分かれそう。
<取付例1>
ランプレススイッチで人気のPanasonic ザ・タップに取り付け。35W デュアルの隣のコンセントは使用不可能に・・・。
コンセント間のスペースが広いOAタップで用いる必要があり。
<取付例2>
勿論スイングプラグ式の電源タップなら無問題。コストコで購入していたのが意外なところで役立ちました。
<取付例3>
35W デュアルは高さがないので、壁コンセントにベストマッチ。メリットも有るんですよね。
<取付例4>
新幹線はやぶさ指定席
なかなかイヤラシイ場所に有るコンセント。暗くて刺すのも面倒なので普段は使わない・・・。
コンセントの差込みスペースさえ確保できれば安定感抜群
幅広形状がネックになることもある『35W デュアル』、でも一度コンセントに刺さればその安定感は抜群。列車内のコンセントでも無事差込出来ました。勿論コンセントの場所にもよりますが。
充電時間・能力については、以下にAnker 735 chargerと比較しながら記載します。
Anker 735 Chargerと比べる
そもそも出力もコンセプトも全く異なる両者につき、直接の比較は無理があります。但しM2 MacBook Airは純正67W充電器で急速充電対応なので、65WのAnker 735は有力な検討候補になるはず。ここでは絶対的なパワー差ではなく、両者の特性・特徴に簡単に触れていきます。
デスク据え付けのコンセントに差込。735の方が卓上スペース上有利ですが、35W デュアルでも使い辛くはなかったです。
最近の宿泊施設ではコンセントも幅広に配慮されることが多く助かります。あとは残りの1ポートでスマホ充電ができれば事足りることが殆どです。
それぞれの充電スピードは?
M2 MacBook Air(2022)でバッテリー残5%からフル充電まで要した時間を計測しました。条件は下記の通りですが、室温や稼働アプリなどの状況により結果は異なるので参考値としてご覧ください。
- 使用PC:M2 MacBook Air 16GB
- OS:Ventura 13.2
- ケーブル : USB-C – MagSafe 3ケーブル(2 m)
- 充電環境:屋内 温度約15℃
- 使用アプリ:時計・システム設定(バッテリー)
それは『ウサギとカメのお話し』のような
35W Dual USB-C Port Compact Power Adapter
充電時間 | 残量 (%) | 充電時間 | 残量 (%) | 充電時間 | 残量 (%) |
0:00 | 5 | | | ||
0:10 | 10 | 1:10 | 61 | 2:10 | 93 |
0:20 | 18 | 1:20 | 69 | 2:20 | 96 |
0:30 | 27 | 1:30 | 76 | 2:30 | 100 |
0:40 | 35 | 1:40 | 83 | ||
0:50 | 44 | 1:50 | 86 | ||
1:00 | 52 | 2:00 | 89 |
Anker 735 charger(65W)
充電時間 | 残量 (%) | 充電時間 | 残量 (%) |
0:00 | 5 | | |
0:10 | 20 | 1:10 | 85 |
0:20 | 36 | 1:20 | 89 |
0:30 | 52 | 1:30 | 92 |
0:40 | 65 | 1:40 | 96 |
0:50 | 76 | 1:50 | 98 |
1:00 | 82 | 2:00 | 100 |
ポイント 35W デュアル
- 1時間で52%まで回復
- 1時間40分で83%に到達、以降緩やかに充電が進み2時間30分で満充電
ポイント Anker 735 charger(65W)
- 30分で52%まで回復
- 1時間で82%に到達、以降緩やかに充電が進み2時間で満充電
急速充電能力に関しては高出力65WのAnker 735 chrgerが圧倒的。30分で52%に到達しました。バッテリー残が半分有れば、ブラウジングや文書作成など、かなりの業務の遂行が可能です。動画や画像処理が入ると厳しいですが。
満充電到達は35W デュアルが2時間30分、Anker 735 chargerが2時間で、差は30分でした。この30分が速いか短いかは個人の感覚にもよるところですが、自分はそれほど大きな差には感じず。
印象的だったのは『35W デュアル』は一定のペースで淡々と充電が進むこと。一般的によく知られた特性なのかもしれませんが、自分で測ったのは初めてだったのでかなり面白かったです。
それとどちらの充電器も熱くならず安定していたことを加えておきます。
『35W デュアル』2ポートで使用すると?
2ポート使用時のパワー配分は以下の様になります。
① | MacBook | iPhone/iPad | 17.5W | 17.5W |
② | iPhone | iPad | 17.5W | 17.5W |
③ | MacBook/iPhone | Apple Watch/AirPods | 27.5W | 7.5W |
試しに上記①のパターン【MacBook Air(電池残70%)とiPad Pro(電池残5%)】で以下の作業を同時に行いました。良い例でなくごめんなさい。
- Lightroomで700枚RAW現像(約3300万画素)
- Photoshopで画像100枚をレイヤーとして開く
- Safariでブラウジング
Macの充電マーク⚡︎は表示されていますが、バッテリー残量は70%➡︎67%に減少しました。
あくまでも短時間に無理やり高負荷作業行った結果なので参考程度に読んでもらいたいのですが、2ポート使いながら、レンダリングなど負荷の高い作業する方には向かないでしょう。
まとめ 〜 『純正デュアルUSB-Cポート35Wコンパクト電源アダプタ』は選ぶ価値はある?
M2 MacBook Airを購入する際、『35W デュアル』か『67W USB-C 電源アダプタ』の2択から選択した『35W デュアル』ですが、その形状に関する問題は個人的には感じていません。やはり純正2ポートの恩恵は大きいです。以下に本電源アダプタが向いているユーザーについてまとめました。
『デュアルUSB-Cポート35Wコンパクト電源アダプタ』が向いている人は?
- 2ポート使用時、Macで負荷の掛かる作業は行わない
- 横に幅広い形状にメリットを感じる
- 日本国内での使用がメイン
M2 MacBook Airのベースの充電器は『30W USB-C電源アダプタ』なので、若干のパワーアップと2ポートが純正で手元に届くと考えれば『デュアル 35W』を受け入れるのは難しくありません。
但し新たに購入する場合、7,800円(税込)の価格はネックになるかも。電源制御や安全性など純正を選ぶ価値は十分ありますが、バリューフォーマネーの面では正直微妙かもしれません。Anker 735 chargerなどサードパーティ製チャージャーも検討しても良いでしょう。
コンセントスペースを占有する形状に関しては、自分はそれほどデメリットを感じず。但し他人とアウトレットを共有する場合は迷惑をかけることも有り、使用シーンに応じて検討した方が良いでしょう。
最後に、海外でも使用するならワールドトラベルアダプタキットが取り付けられる従来型の『デュアルUSB-Cポート搭載35W電源アダプタ』の方が便利です。本当はM2 MacBook Airの購入時にこちらも選択出来れば良かったのですが・・・。
基本的には通常1ポートで使用し、たまにiPhoneやApple Watchを充電する使い方であれば純正の『デュアル 35W』はなかなか使えますよ。