デジタルカメラには数種のセンサーサイズが存在しますが、最近フルサイズの機種が多くなり、その裾野が広がっている気がします。初心者はフルサイズを選択しない方が良い・・・などと言われることもありますが、価格も下がって来た昨今、最初からフルサイズで全然OKだと思います。縁があって選んだフルサイズ・・・さてレンズを何にするかは何年撮影をしていて永遠の悩みです(笑)
今回はフルサイズでカメラに目覚めた方が、まず一般的な撮影で最初に揃えた方が良いレンズについて書いててみようと思います。私はαユーザーなのでソニー機中心での紹介になりますが、他メーカーユーザーの方は該当機種に置き換えて読んでいただければ幸いです。
「一般的」に最初に揃えた方が良いレンズとは?
わたしが撮影に行く時のレンズの本数は基本3本。その内訳は、ベースとなる標準ズームを核に、その時の撮影目的に応じて組みわせています。今回はまずベースとなるレンズについて考えてみたいと思います。
まず、「一般的」と言うとても抽象的なキーワードが大変な曲者ですよね。
写真撮影と一言で行っても、風景・花・家族・スナップ・ポートレート・スポーツ・ブツ撮り・・・・様々なジャンルが有るわけでして、それぞれに使い易いレンズが存在します。
結論を言えば、「一番使いたいと感じたものを買う」これが一番だと思います。
ただそれでも迷ってしまうのが趣味人の性ですし、最初から各々の被写体に対して最適なレンズなんて分からないですよね!!!
そこでお勧めするレンズはズバリこちらです。
SONY FE 24-105mm F4 G OSS

あまりにも当たり前でヒネリの無い答えでごめんなさい。
やはりこちらのズームレンズがお勧めです。ただし、最初からズームレンズを使用することに異論がある方も多いかと思います。「まずレンズは単焦点で距離感をつかめ」というセオリーも勿論です。
ただ今回は汎用性の高い、最初の一本としてこちらのズームレンズをあげました。
他マウントで24-105mm近辺の焦点距離のレンズは以下の様に各メーカーから発売されています。
- CANON EF24-105mm F4L IS II USM
- NIKON AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
- SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM [for NIKON CANON SONY]
この様に24-105mm(ニコンはテレ側120mm)のレンズは各社のラインナップの中で主要レンズの一つです。そして、非常に使い易い焦点距離で、風景・スナップ・記念撮影など様々な用途で使用可能と言えるでしょう。
これは私の印象なのですが、24-105mmは自分の可視範囲を無理なく写し取ってくれるレンズ。それと外でお子さんを撮るのにも便利な距離です。
まずはスペックから見てみましょう。
SONY FE 24-105mm F4 G OSSのスペック
製品名 | FE 24-105 F4 G OSS | 28-75 F/2.8 Di III RXD | Vario-Tessar T* FE 24-70 F4 ZA OSS | FE 24-70 F2.8 GM | FE 24-240 F3.5-6.3 OSS | FE 28-70 F3.5-5.6 OSS |
製造者 | SONY | TAMRON | SONY | SONY | SONY | SONY |
構成 | 14群17枚 | 12群15枚 | 10群12枚 | 13群18枚 | 12群17枚 | 8群9枚 |
羽根数 | 9 枚 | 9 枚 | 7 枚 | 9 枚 | 7 枚 | 7 枚 |
距離 | 24~105 | 28~75 | 24~70 | 24~70 | 24~240 | 28~70 |
F値 | 4 | 2.8 | 4 | 2.8 | 3.5 | 3.5 |
最短撮影距離 | 0.38 | 0.19 | 0.4 | 0.38 | 0.5 | 0.3 |
最大撮影倍率 | 0.31 倍 | 1:2.9 倍 | 0.2 倍 | 0.24 倍 | 0.27 倍 | 0.19 倍 |
手振補正 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
防塵 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
防滴 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
最大径x長さ | 83.4×113.3 | 73×117.8 | 73×94.5 | 87.6×136 | 80.5×118.5 | 72.5×83 |
重量g | 663 | 550 | 426 | 886 | 780 | 295 |
フィルター径 | 77mm | 67mm | 67mm | 82mm | 72mm | 55mm |
比較のために他に5点ほど挙げてみました。並びは個人的にオススメの順に記載しています。以下に何故にこれらのレンズではなくFE24-105mmなのかを書いていきます。
TAMRON 28-75 F/2.8 Di III RXDとの比較
実はこのタムロンレンズにはかなり興味が有ります。F2.8で明るい、28-75mmの無理の無い焦点距離で小型軽量。室内撮影やポートレートでとても使い勝手が良さそうです。正直欲しいです(笑)
ただ今回はF2.8という明るさには敢えてこだわっておりません。
自分は仕事でイベントの撮影をする事が有ったのですが、室内でストロボが使用できない撮影時などF2.8の明るさは役に立ちます。ただしF2.8解放での撮影は被写深度が浅いので撮影対象が複数人の場合は気を使います。今回はあくまでも日常での汎用性を重視しましたので、こちらは選択から外しました。
(参考)解放F4で撮影したお団子の写真をアップしました。

この様に、ピントはホイップクリームに来ているのですが、他の団子はボケてしまい残念な結果に。F2.8だと更に厳しい結果になってしまいます。
ただ誤解がない様に申し上げますが、F2.8レンズが必要なケースは確実にあります。
F2.8のズームレンズは室内でのお子さんの撮影・ポートレートやウェディング等、明確な目的が決まってから購入を検討しても良いでしょう。
Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSSとの比較
こちらも普段使いとして軽くて便利なレンズです。自分はこのレンズは使用した事がありません。標準ズームを検討した時にはすでにFE24-105mmが発売されており、比較検討すると、重さや大きさを除いて、全ての面で24-105mmが優れてたので購入には至りませんでした。
特にFE24-105mmの最短撮影距離と最大撮影倍率は魅力的です。撮影距離は料理等を撮る際には短い方が便利なケースが多く、FE24-105mmを選択して良かったと思えるポイントの一つです。
FE 24-70mm F2.8 GMとの比較
こちらは先出のTAMRON 28-75 F/2.8 Di III RXDと同じくF値2.8の明るさですが、ワイド側24mm・テレ側70mmと違いが有ります。写りは素晴らしいレンズに違いないのですが、重量が886gとヘビー級。この重さで普段持ち歩くにはかなり厳しいですよね。
基本的には必要性を感じてからの検討で良いと思います。
FE 24-240 F3.5-6.3mm OSSとの比較
こちらのFE24-240はスペック的にはとても面白いのに、意外と話題にならない地味な存在です。
自分はこのレンズは購入するかかなり迷いいました。投稿画像を見ていると若干甘めな感じがしますが、通常の使用には十分なレベルです。
ただ、最短撮影距離が0.5mとあまり寄れないのと、素材画像を作成するには物足りない面があったので購入には至りませんでした。いつか旅行等で使い込んでみたい一本です。
FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS SEL2870との比較
小型軽量で普段持ちには便利なレンズです。これは自分の性格上の問題なのですが、さらに良いものが欲しくなってしまい、結局使用しなくなってしまうんですよね・・・その様な客観性に欠ける理由で候補から外してしまいました。
ただ写真の良し悪しはレンズだけで決まる訳ではないので、軽量な本レンズで機動力を活かした撮影をするというのも十分アリだと思います。
それと、昔のズームはワイド側は28mm始まりでしたが、24mmが有るならば24mmを選びたくなるのが人の性。そんな訳でFE24-105mmを選出しました。
SONY FE 24-105mm F4 G OSSのレビュー

結構伸びます

Gマーク下のフォーカスホールドボタンを押している間、ピント位置を固定可能。コンティニュアスAF時にも、フォーカスロック撮影が可能。
この焦点距離のレンズ、一般的には「便利レンズ」と言われています。しかし、このFE24-105mmは便利屋さんを超え、普通に仕事や作品撮りに使用出来るレンズです。
私はキヤノンEF24-105mm F4の1型とニコンの24-120mmF4を使用したことが有るのですが、どちらも大きな不満はありませんでした。しかしこの FE 24-105mm F4の満足感は前者よりかなり高いです。F2.8のレンズはマウンドアダプター経由でCANONのEF24-70 F2.8を使用しているのですが、SONY FE24-105mm F4を購入してから使用機会が無くなってしまいました。(マウント名がキヤノンが”EF”でソニーが”FE” ・・・何だか紛らわしいです)
電子補正が原則のレンズですが、その辺の好みは分かれるかもしれません。ただ自分は電子補正はデジカメの利点だと思うので、これによる軽量化は非常に重要なポイントです。
それでは簡単なインプレッションを撮影例と一緒に下に書いていきますね。写真は基本的に RAW→ストレート現像若しくはJPEG撮って出しです。
ボケがズームレンズとしては綺麗

ズームレンズとしては柔らかくて自然なボケです。
0.31倍の最大撮影倍率大で簡易マクロとしての使える

4月というのに、朝起きたら外には雪が積もっていました。雪の上に落ちた梅の花を最短撮影距離で撮影。
固すぎず、クリアで程よい色のり


ぎちぎちにシャープでは無く程よい解像感です。色のりもクリアで自然な感じです。
24-105mm全域で安心して使用出来る機動力

常用できる守備範囲が広いので、とっさにニャンコが現れても対応可能です!
豪雪地帯で雪降る中の撮影・・・レンズは防塵防滴に配慮とはなっていますが、あくまでも配慮なので過信しない方が良いでしょう。

これでも今年はびっくりする位雪が少なかったです。
基本的に電子補正はマスト


基本的に電子補正前提のレンズなので、補正無しでとそれなりに歪みが発生します。十分補正されるので通常用途では気にする必要はないです。
意外と逆光に強く、ゴースト等も出づらい

真冬の漁に出る前、港で暖をとる姿を撮らせてもらいました。この後日の出なのですが、フレア等は少なめです(出ない訳ではないです)。絵的にフレアが欲しいケースも有るのですが、ベーシックなレンズではあまり出て欲しくない・・・ですよね。
あ、重要な事を書き忘れました。手振れ補正もいざという時には便利です。上の写真は手持ち撮影です。

最後のひとこと

少々寒い写真が続いたので、最後に暖かめの一枚を。
駆け足でしたがインプレッションはこの位で。実際に使用してみて、こちらのSONY FE 24-105mm F4 G OSS一本で様々な被写体に対応可能でした。まずはこの一本を手掛かりにし、次に必要なレンズを探してみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございます。次回の投稿では、撮影がさらに楽しくなるプラスαレンズについてお話しする予定です。それでは!
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