今回はZEISS Batis 2/25のレビューを作例中心にお届けします。
カールツァイスの広角単焦点レンズ Batis F2 25㎜、何故かソニーEマウントのみの発売とあって、話題性は少ないかもしれません。万人にお勧めはできませんが、明るい広角単焦点を探している方にとって意外とダークホース的存在かもしれませんよ。この記事をきっかけにに、少し気にかけて頂ければ嬉しいです。
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何故にダークホース?
中古品が意外と安い!
もちろん他にもメリットはあるけど
カメラのキタムラでの新品価格が ¥196,020。一方中古はAグレードで ¥88,900(2024.05.15現在の参考価格、送料別)と、何と新品の半値以下。結構なお値頃感が。この中古価格だと、ソニー純正 FE 24mm F2.8 Gの新品も視野に入りますが、それぞれキャラが異なるので、やはり好みの1本を選ぶのが一番かと。
実際はディスタゴン(Distagon)なり
ディスタゴンの広角と言えば25㎜(24mmではない)。その焦点距離に懐かしさを感じつつ招き入れましたが、外観はとても現代的に変貌を遂げていました!初めは違和感を感じまくりでしたが・・・慣れれば問題なしと言うことで。
ちなみにフィルター径は67mm、タムロンレンズ群のプライムレンズとして導入するのも良いかもしれません。
I❤️67mm!
フィルター径が統一出来ると便利だよね
外観・操作性について
曲線的、つるりとした質感は他のメーカーにはない造形。上か見るとチューリップの様で、レンズとフードの一体感はまさに新時代のレンズと言った感じ。初めは手に取り辛く装着に気を使いますが、徐々に慣れます。
デジタル表示の小窓はカッコいいですが、自分は活用出来ず残念。極限まで無駄を廃したデザインですが、やはり『AF/MF切り替えスイッチ』は欲しかった。
広角マクロ的に使う時、瞬時にAF/MF切り替えしたいんだよね。
最短撮影距離は寄れる0.2mさ
しっとりとしたベルト状のフォーカスリングは回しやすく、トルク感も良好。埃は付着しやすいですね。
総じて新時代的なルックス、αシリーズとのマッチングは悪くありません。
作例
拙作&縮小画像ですが大体のレンズの描写性を感じて頂ければと思います。画像はRAW→Lightroomで現像、プロファイルはAdobeカラーです。一部画像で露出補正のみ行っています。
▲ Biogonと比較したことは無いのですが、四隅の歪みも少なく趣味的になら建物も気持ちよく撮影できます。上の画像はLightroomでプロファイル補正済みですが、無補正でも十分立派なレベル。デジタル補正ありきのレンズとは一味違います。
▲ 広角を一本忍ばせておくと、屋内撮影で結構役立つ。モノクロ用途としても優れています。
▲ こちらは無補正の状態。屋根にタル方の歪曲が見受けられますが、プロフファイルですっきりと補正されます。
▲ 寒い写真が続きますが、冬の散歩道。リッチなトーンのZEISSレンズの印象ですが、モノトーンに近いシンプルな色合いも、ハマるなかなか良いですぞ。
▲ 25mmもあれば重機も間近からバッチリ収まります。グレーダーの山吹色がコッテリ(笑)。
▲ 本格的な料理の写真ではなく、記録的になら使えます。私の苦手な被写体・・・もっと絞れば良かった。でも食べ物は質感良く描かれるというか、美味しそうですよね。
▲ つい最近頂いたお餅。歪んでしまうので、料理の撮影をキッチリ収めるなら35mm〜のレンズの方が良いでしょう。やはり色合い良く、お餅が美味しそう(特にだだちゃ餅)。実際美味しかった(笑)。
▲ ヨドバシ仙台ビルの工事風景 バキバキ・カリカリのシャープさを求めると正直厳しい。と言うか、そもそも解像感優先のレンズではないと思うので、そこを追求しても仕方がないのであります。
▲ 逆光にもそこそこ強い。ゴーストが出ていますが、それほど目立たず嫌な感じでもなく。ここは安心安全T*コーティングの威力でしょうか。こちらの太陽の光芒はイマイチですが、小さな光源であればF8でも綺麗な光芒が楽しめます。
▲ 寒めの写真が続いたので、山形県村山地方の灼熱の1日をどうぞ。雲の立体感や濃厚な青空はなかなかよろし。そもそも夏の雲は立体的ですが。
▲ 個人的には、こんな感じのスナップに持ち出すのが一番楽しい。望遠側にもう1本忍ばせておけば完璧でしょう。サビと色褪せた塗料の雰囲気がたまらんです。アバンダンな世界を捉えるのにはかなり良い感じ。
▲ さて星の撮影はどうでしょう?私は星撮りではありませんが、記録として残すなら十分アリかと。f2解放でフリンジは生じますが、Lightroomで補正可能。収差も自分レベルには十分許容範囲ですが、拘りのある方だとNGでしょう。
▲ 上の画像の右上隅を約100%で切り出し。天の川も写せるので、小さなレンズで旅先でふと記念に撮れるのは強みですよね。この辺は上を目指すと大変なので、趣味なら十分楽しめると思うんですよね。
▲ 広角マクロ例 最短撮影距離は0.2mとかなりの寄れ、潰しが効きます。これは最近現れた柿の木の芽。なんだか可愛い・・・。ボケは自然で綺麗な方ですが、うるさい背景だと、それなりにボケはうるさくなります(笑)。
この様な被写体はAFが抜けてしまいがち。瞬時にMFに切り替えたいのですが、レンズにAF/MF切り替えスイッチ無いのが辛いところ。
まとめ〜50mm単焦点の相棒に最適
豊富なラインナップのソニーEマウントの広角単焦点(24mm付近)を選び。Batis F2 25mmの優先順位は高くないかもしれません。
新品価格がSONY FE 24mm F1.4 GMに近いので、普通ならF1.4のGM逝っちゃいますよね。私も多分そうなるでしょう。更にコスパ最強 SIGMA 24mm F2 DG DNが控えており・・・もはや激戦区!
シグマは、もはや嫌がらせレベル(良い意味で)
そんな中、敢えてBatis F2 25mmを新品で選ぶ強い理由、見つけるのは難しいです。
でも中古なら積極的に選択肢に入れても良いでしょう(勿論新品もですが)。
国ZEISS独特の写り・世界が待っていますよ。きっと、どのレンズも独特なはずですが、国内メーカーとは異なる表現(豊かな階調、繊細さだったり)があることは事実です。
私はスナップ撮影用として、50mm単焦点(オールドや最新レンズだったり)と本レンズをセットで持ち出すことが多いです。特に意味はありませんが、50mmの半分の25mmの焦点距離も、なんだかすっきりとして気持ちが良いのです。
AFでディスタゴンが楽しめるのもαユーザーの特権なので、機会があればぜひ使ってみてください。