写真展(個展)を開催するにあたってその手順について数回に分けて書いています。前回のプリント用紙の検討から今回は額装と展示方法について検討していきます。以前の記事は下記のリンクからご覧ください。
展示は額 or スチレンボード?
関連記事の【その1】でも触れていますが、今回の写真展では額は使用せずスチレンボードで展示しました。
スチレンボードを使用した理由
- 写真をシンプルに見せたかった
- 額を使用すると展示枚数が減ってしまう(展示ギャラリーのスペースの問題)
- 額の費用(コスト面で厳しい)
以上、私がスチレンボードを利用した理由ですが、勿論額を使用するのも全然アリです。額を使用するメリットは
- 額縁分大きく見えるので写真の迫力が増す
- 異なる写真で再利用出来る
- 衝撃に強い(パネルボード縁の部分は簡単に凹みます!)
ざっと挙げてみましたが、この辺はどの様な展示にするのか、開催者のイメージによるものでしょう。
ただし実際に展示してみて、省スペースのギャラリーでは額を使用しない方がシンプルに展示出来て結果としては良かったです。
スチレンボードでの展示作品の作成
今回使用したスチレンボードはハクバのワンタッチパネルボード A3ノビサイズです。
A3サイズですと他メーカーからも販売されていますが、A3ノビを販売しているのはハクバのみの模様です。
※上のリンクはA3タイプです。
ワンタッチパネルボードの特徴
十分な厚み
厚みは7mmあり反りの影響はかなり抑えら流でしょう(照明の強さにもよる)。やはりパネルは厚みが多いタイプを選択しましょう。
貼りやすさ
裏面の剥離紙を少しづつ剥がしながら作業するのですが、注意すればそれほど難しくはありません。
今回は使用しませんでしたが「FUJICOLORプリント裏打ちシート」を貼るよりも作業は簡単でした。
パネルのサイズが均一ではないことも
細密機器ではないので、高い精度を要求してはいけないのですが、寸法にはバラツキが見られました。
用紙にぴったりのものも有るのですが、18枚ほど使用しその内5枚ほどはカッティングが必要でした。
1〜2mm程の切り落としでしたがカッターナイフは切れ味の良いタイプを用意しましょう。OLFAですと黒刃タイプがオススメ。
一回の入れだけですと綺麗にカット出来ないので3回位刃入れすると良いです。
展示方法は吊り下げ or 壁貼り?
私の場合はピクチャーレールと壁貼りの併用になってしまいました。本当は壁貼りで展示したかったのですが、諸理由により併用になってしまいました。その理由は以下に記載していきます。
ギャラリーの壁が壁紙だった為
ギャラリーの壁の状態は下見の際には要確認です。
今回使わせて頂いたギャラリーはホワイトの壁紙です。昨今は取り外しの可能なシール材も発売されていますが、大体の製品が壁紙での取り扱いは推奨されていません。
本当は3Mのコマンドタブ等で展示出来ればよかったのですが、やはり万が一のことを考え使用しませんでした。
それでは実際のパネルを作成していきましょう。
パネルの作成
ワンタッチパネルボードに写真を貼り付けする
- パネルに作品を当ててサイズを確認→合わない場合は切落とし
- 剥離紙を少しづつ剥がしながら写真を貼り付けする
裏面に吊り下げ用フックを取付
ここでは私の無知による失敗がありました。初歩的な知識不足で恥ずかしいですが以下に記載していきます。
今回吊り下げフックのとして使用したのがレック(LEC)粘着 カレンダーフックです。
フックに裏側に強力な粘着テープが付いていており、家に余っおり、貼るだけでで簡単と安易に使用してしまいました。
ところがこれが大失敗(汗)
粘着テープとスチロール材は接着の相性が悪いんですよね・・・残念ながら簡単にフックが外れてしまいました。
そこで下の写真の様にフック裏面の粘着シートを取り外し発砲スチロール用接着剤でパネルボードに取付しました。
裏面のシールを取外しスチールむき出しにしました。
結局は普通のフックで良かったみたいです(笑)
粘着シールを取外し辛い時はドライヤーで温めると取りやすくなります。
接着状況
パネルボード表面は念の為サンドペーパーがけをしています。
フックと紐を取付
フックは抑える為にパーマセルテープで仮止めしています。
最後に吊り糸を取り付けます。糸は100均の毛糸です。これも家で余っていたものなのですが、出来れば伸縮の少ない紐を使用した方が作業はしやすいです。
これで大体の作業は終了であとは展示するだけ・・・と思いきや、思わぬトラブルが発生してしまいました。トラブルというか良く良く考えれば想定出来たことなのですが。
軽量のパネルボードは吊り下げると安定しなかった
これは当たり前なのですが、私は吊るしてみて初めて気がつきました。
この様にパネルが安定しません。
ワイヤーが思っていたよりも軽かったと言うこともあるのですが。
本当ならそのまま壁に付けられれば良いのですが、フックの厚みがある為にパネルにスペーサーをつけることにしました。
余っていたスチレンボードを正方形にカットしスペーサーを作成します。
これをパネルに4箇所発泡スチロール用接着剤で接着しました。
壁面との接着(というか抑えみたいな感じです)にはひっつき虫を使用しました。
ひっつき虫ですと壁紙を剥がしてしますリスクは低そうです。
今回ワイヤーで吊るしているのでこちらを併用しましたが、逆にひっつき虫だけでパネルを取り付けるのは厳しいです。
ひっつき虫は作品タイトル(今回は名刺サイズで作成)を貼り付けにも使用出来るので用意しておくと良いでしょう。
スペーサーは横から見えない程度の位置に4箇所取付しました。
少々手間は掛かりましたが、壁面から浮かんだ感じに展示することが出来ました。
まとめ
以上額装と展示方法についてでした。
今回私はパネルボードを使用しましたが、額を使用しての展示も勿論アリです。展示期間が長い場合や、また作品を別の場所で展示する予定がある場合は額を使用した方がやはり安心感があります。
それと一番大事なのが、会場(ギャラリー)の下見の段階で展示方法をイメージすることですね。それによって揃える材料や作成手順がかなり違ってきますので。私の失敗がご参考になれば幸いです。
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