ソニー Eマウント交換レンズ Sony FE 24-70 F2.8 GM Ⅱ(SEL2470GM2)の使用レビューです。
2型にリニューアルされた本レンズ、大三元標準ズームでありながら質量は脅威の約695g!
超小型軽量化された本機の発売に思わず飛びついてしまった感じですが、実際に使用してみると他の面も着実にアップグレードされ、かなりポイントの高いレンズに仕上がっている印象です。
本記事ではSEL2470GM2のおすすめポイントを、作例を交えながらお伝えしていきます。
取り敢えず静止画中心の情報がメインですので、動画撮影がメインの方はスルーでOKです。
作例は拙作ではありますが参考としてご覧いただければ幸いです。
※作例の一部は flickr で大きな画像をご覧になれます。
開封からレンズの外観についてはこちらをご覧ください。
おすすめポイント
逆光に強い〜新コーティング技術
ソニー独自のコーティング技術である『 ナノARコーティング II 』。
こちらは超広角レンズ FE 12-24 F2.8 GMで既に体験済みでしたが、期待通りと言うかその良さを改めて実感させてくれる結果に。
ゴーストがリアルに少ないことと、結構色乗りが良くメリハリの効いた画で自分的にはかなり好みの描写です。
露出アンダーで太陽にカメラを向けてみましたが、お日様の周辺の破綻が少ないのとゴーストはかなり少ない結果に。
この程度であればフォトショップのスポット修復ブラシツールで難なく除去できそうです。
保護フィルターは有りor 無し?
ついでにレンズ保護フィルターを装着・非装着の状態で簡単に撮り比べしてみました。
やはりプロテクターを装着すると若干ゴーストは強まりますが、でもこちらの保護フィルターも健闘している印象です。
ちなみにレンズプロテクターはケンコー ゼクロスⅡを使用しました。
フィルター径82mmともなると結構良いお値段ですね・・・でもそれなりの効果は期待できそうです。
敢えて強い光源にレンズを向ける時は、フィルターを外しておいた方が『ナノARコーティング II 』の恩恵を受けられ、後の補正も楽になるでしょう。
でも環境の悪い状態では無理にプロテクターを外す必要はないと思います。
寄れる〜接写できるんです!
新発売された2型での一番期待ポイントが近接撮影能力の進化。
驚異的な小型軽量化が達成され、常用可能な大三元標準ズームとして接写の進化に満足できれば鬼に金棒レンズになる予感が。
2型の最短撮影距離と撮影倍率は以下のとおり。
- 最短撮影距離 ワイド側:0.21m・テレ側:0.30m
- 最大撮影倍率 0.32倍
私の場合、広角単焦点は カールツァイス Batis 2/25(最短撮影距離 0.2m・最大撮影倍率 約0.19倍)を使用していますが、広角マクロ的な用途でも今回ご紹介しているSEL2470GM2は結構イケそうな予感。
そもそも Batis 2/25 の最大撮影倍率 約0.19倍と控え目なスペックなんですよね。
デジタル一眼カメラα[Eマウント]用レンズ SEL24F14GM
ちなみにFE 24mm F1.4 GM の最短撮影距離 0.24m・最大撮影倍率 約0.17倍でスペック的に SEL2470GM2 の方が優っているのだ。
でも FE 24mm F1.4 GM の絞り開放F1.4の描写は魅力的だよね。
こちらも是非使ってみたい!
この辺の比較は近いうちに行わなくてはと思いつつ、今回はSEL2470GM2での接写サンプルを数枚残しておきます。
更に良きボケときた
開放絞値はF2.8だけど、ズームレンズのボケ具合ってどうなの???
ボケを活かした作画であれば、私も大好き!やはり明るい単焦点や望遠レンズを選びたいですよね。
2型では新開発11枚羽根の絞りユニット(1型は9枚)にグレードアップ!
開放から2段絞っても良好な円形形状を保つとのこと。
寄れてかつボケも良好であれば言うことなしですよね。
そんなことを期待しつつ撮影したのがこちの画像。
雨で露出した蕊に絞り開放f2.8でぐっと寄ってみました。
蕊がとても立体的に表現され、落ちた水滴も存在感を示しています。
もしもF1.4レンズで開放撮影していたら、蕊の一部以外はボケボケの説得力の無い絵になったことでしょう。
また実際の背景はポピーの幹がうるさい状態なのですが、F2.8で撮ったとは思えない落ち着いたボケになっています。
折角なので蕊部分をほぼ等倍で切り出してみました。
ちなみに一段絞りf4で撮影したのが下の画像です。
ワイド側f4でも美しいボケを活かした撮影が十分可能です。
またフローティングフォーカス機構のお陰でしょうか、上の蕊の拡大写真のように、F2.8でもフォーカス部はかなりの解像度を保っています。
お次はテレ側70mm f5.6で撮影したもの。
フォーカスはハエ!に合わせています。苦手な方はごめんなさい。
(露出は2段ほどアップしています)
そしてハエ部分を訳等倍切り出ししたものが下の画像です。
流石にハエの複眼の精細な描写は得られませんでしたが、胸部のアーマーチックな質感は十分に伝わってきます。
色のりもなかなか良い
色合いはコッテリとまではいかないまでも、濃厚感がある印象です。
この時点での天候は曇り一時雨。
コントラストが低くなりがちな曇りの日の情景ですが、水溜りに映り込んだ古民家と竹林の存在感が描かれていると思います。
雨が上がり、日が差してきた頃合〜初夏の濃いめのグリーンが伝わる色合いに。
そして晴れた空。
雨上がりの立体的な雲、結構好きなんですよね。
星景写真で収差チェック【2022.07.03追記】
星景写真でも使えるか、近場の高原で試写してみました。
星の撮影でのコマ収差の許容範囲は各人によってかなり異なると思いますが、いかがでしょうか?
保護フィルターは非装着、ISOは6400とかなり上げています。NR・レタッチは無しでLightroomでJPEGにコンバートした画像です。
白枠部分を拡大したものが下の画像です。
私の印象では十分に使えるレベル!
旅先での綺麗な星空を記録に残せるね♡
ソフトフィルターのソフトン(A)程度を使用すれば、かなり印象が変わってくると思います。
(休憩)良いことばかりではなんなんで・・・
世の中良いことばかりが続くわけでもない・・・
一服がてら、夢から現実に戻れる画像も置いておきます。
そりゃズームレンズですからね。
この辺は手動補正するか、補正プロファイルを穏やかな気持ちで待ちましょう。
絞り開放F2.8であることのメリット
明るさが足りない場合
ソニー純正での標準ズームはF4通しのSEL24105Gがメイン。十分満足しているのですが、暗めの室内などではもう一段明るさが欲しい時が有るんですよね。
最近のカメラは耐感度性能が高いので積極的にISOを上げて使用するのも有りなのですが、やはりISO400以上は使用出来ない(使用したくない)ケースも有るんですよね。
そんな時は大三元標準ズームの有り難みを感じる時なのです。
絞り開放F2.8に救われた瞬間。
勿論手カメラ側の手ぶれ補正を効かせながらの撮影です。
レンズに手ぶれ補正は搭載されていませんが、望遠側が70mmまでなのでボディ側で十分賄える印象です。
背景をぼかしたい場合
そしてポトレなどで純粋に背景をボカしたい場合も。
人物ではなく神社の居猫さんにモデルになって頂きました。
絞り開放F2.8のボケを活かして、主題をずらして撮っても面白い場合も。
まとめ 〜 SEL2470GM2は是非キープしておきたい1本
以上SONY FE 24-70 F2.8 GM Ⅱ(SEL2470GM2)の実写レビューでした。
今回はスチル中心でしたが、動画撮影機能も1型から大きくブラッシュアップされており追って試していきたいと思っています。
正直、大三元標準ズームレンズとして驚きのサイズと高画質だったよ。
今までのお気に入りズームSEL24105Gはどうするん?
勿論風景撮影に便利なSEL24105Gは今まで通り使用するよ。
でも一本だけしか持って行けないとしたら、SEL2470GM2になると今回確信したよ!
今まで様々な標準ズームレンズを使用してきましたが、今回の2型ほどサイズ・画質面で手にして良かったと思えることはありませんでした。
私の場合、先に発売されていたSEL70200GM2を未だ手にしてないからかもしれませんが、かなりのブレークスルーを感じる1本です。
こんなブログをやっていると表現が大げさになる傾向があるのですが、最初の一本としてもお勧めしたくなる(勿論そんなことはしませんが)レンズなんですよね。
決して安い買い物ではありませんが、消費の鉄則『迷ったら買わない!』ではなく、是非手にして頂きたい一本なのです。
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