富士フィルム X100V 3ヶ月使用して感じた 良かった・イマイチなポイント

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富士フィルムのデジカメ X100V を使い始めて約3ヶ月が経過しまた。もはや”出かける時は忘れず”に的存在で、バッグの中には常にX100Vを忍ばせています。

それなりに良いところ・イマイチな点も見えてきたので3ヶ月使用レビューとして作例(らしき写真)を交えながらレポートしたいと思います。
(画像をクリックするとflickrで大きな画像をご覧になれます)

にっこりねこ
にっこりねこ

X100Vを3ヶ月ほど使った感想をまとめています。
でもまだまだ使いこなせていない部分が沢山あります。

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良かった・気に入っている

まずは3ヶ月間使用して感じた良かった・お気に入りポイントをご紹介します。

X100Vの良かったポイント
  • 数少ないAPS-Cデジタルカメラとしての存在感
  • 焦点距離35mmを見直すきっかけに
  • 全体的に写りの満足度はかなり高い
  • かなり寄ることが出来、守備範囲が広い
  • 毎日持ち出したくなるデザイン(デジカメとしては大きいけど)
  • 不安だったバッテリーは意外と問題なし
  • フィルムシュミレーションモードにハマる

数少ないAPS-Cデジタルカメラとしての存在感

最近ではAPS-Cのデジカメの発売は少なくなってきましたよね。

その中で 富士フィルム X100 シリーズと リコー GRシリーズ は地道に改良を重ね進化している貴重な存在です。

普段はフルサイズがメインの私。理由は単に昔から使用していたMマウントレンズをそのままの焦点距離で使いたいだけなのですが、APS-Cが使いやすいフォーマットであることを改めて認識させられました。

フジのX-Trans CMOS 4で、解像感や高感度耐性などセンサーに起因する画質面での不満ってほぼ無いんですよね。実際Photoshopで葬ってもレタッチ耐性も高くて使いやすいですし。

ハイレベルな画質をデジカメに落とし込んだ X100V、正直凄いと思います。

35㎜の焦点距離を見直すきっかけになったX100V

にっこりねこ
にっこりねこ

今まで苦手意識が強かった35㎜・・・
実際使ってみると結構使いやすいことに気づいたよ。

長い間50㎜(最近では40㎜が多い)ばかり使っていたので35㎜(フルサイズ換算)の焦点距離はどうも苦手だったんですよね。

広く被写体の整理がしづらく感じていた35㎜ですが・・・案外使いやすいですね(笑)

勿論被写体にもよるのですが、日常生活の記録やスナップ用途としてはピッタリな印象。

classicneg2
CLASSIC Neg.
お散歩しながら気になった光景をサクサクと撮影。
私の場合こんな使い方がメインです。
この様な狭い路地の場合、50㎜では不可能な切り取りが可能にしてくれる35㎜。

いざという時はデジタルテレコン( X100V は単なるクロップではなくデータの補完も行なってくれる)に頼ろうという安易な考えもあったり。勿論画質の劣化は有るのですが、建築物等、細部までの情報量が必要な被写体でなければ個人的には使える印象。この辺はもう少し使い込んでからレポートしたいと思います。

写りの満足度はかなり高い

クラシックカメラ風の外観の X100V ですが、画像描写は至って現代的です。
レンズ交換は出来ませんが、X100V 一台だけで良いと思わせてくれる描写です。

velvia
Velvia

総じて満足度の高い描写ですが、背景によってはボケが硬い印象も。但しボケ具合や柔らかさを重視したレンズでは無いのでネガなポイントだとは思っていません。

etelna-cosmos
ETERNA
コスモスを撮影したが背景のボケは硬めの印象。

頼もしい程寄れる!最短撮影距離10cm

広角レンズは一般的に寄れる場合が多いのですが、X100V の最短撮影距離 10cm は使い出あり。日常の記録に於いて、10cmまで寄ることは少ないのですが、最短距離を気にせずにテーブル上の食事等を撮影出来るのはやはり便利。

X100V-ASTIA
ASTIA
ランチの海鮮丼、毎日の食の記録として。
食事を撮影するにはちょうど良い距離感です。
最短撮影距離45cmの50㎜レンズだったら少し腰を浮かして撮らなければならない状況だが、着座したまま楽に撮影が出来た。

マクロモードは搭載されていませんが、デジタルテレコンも併用すればそこそこ大きく写すことも可能なので、これ一台で出かける勇気を与えてくれる性能とも言えます。

毎日一緒に・・・つい持ち出したくなるデザイン

今も昔もそれほど変わっていないと思う(あくまでも個人的な印象です)カメラのデザインですが、X100V は超弩級のクラシカルデザイン!

勿論良い意味でなのですが、このご時世でレンジファインダーカメラ的デザインは正直貴重ですよね。X-Pro シリーズもそうなのですが、良く発売してくれたと言う感じです。

X100V は毎日持ち出したくなる、撮るモチベーションを与えてくれるデザインだと思います。

シルバーが思わず好印象

真鍮削り出しのような重厚感は無いが、軽やかでクリーンなアルミ調のフィーリングは悪くない。

ブラックORシルバー?

どちらにするか結構迷うところですが、最近はブラックを選ぶことが多くなっていました。

その理由は、昔の真鍮削り出しの機材のイメージが頭に残っていて、最近のシルバー色にはどうも抵抗感が有ったんですよね。しかし X100V のシルバー、素材はアルミ合金だと思うのですが結構気に入っています。多分最近販売されているシルバー色の国産カメラの中では一番良いのではと言うのが個人的な印象です。

また軍艦部のラインモエッジが効いていてクラシカルながらもすっきりとした印象を与えてくれます。

所有感を満たしてくれるという点では、最近のカメラの中では群を抜いていると言えるでしょう。

不安だったバッテリーは意外と問題なし

今まで使用していた富士フィルムのカメラの数少ない不満点はバッテリーの持ちで、X100V に関しても同様です。

但し本カメラの用途上と性格上、連写する訳でもなく(せいぜい30枚〜程度、フィルム一本の枚数)1本のバッテリーで1日の撮影は十分間に合う感じ。

但しあくまでも静止画でのスナップ・記録用途なので、ポートレート撮影や動画の場合は予備バッテリーは必須だと思います。

またUSB充電に対応しているので、車内や出先で小まめに充電出来るので何かと便利です。但しPDには対応していないので、フル充電で5時間程必要です。

充電器は別売り

残念ながら充電器は別売り。この価格帯のカメラであればバッテリーチャージャーは付属にして欲しかったところ。

私は別売りバッテリーチャージャー BC-W126S を購入しました。

充電時間はフル充電で2時間10分ほどで、急ぎの時や撮影しながら予備バッテリーを充電する時はやはり便利です。

最近は互換充電器で急速充電タイプも販売されているみたいですが、当たり外れで一喜一憂するのも面倒なので純正を使用しています。

フィルムシュミレーションモード

X100V-Provia
Provia

フィルムシュミレーションモードは他社にはない富士フィルムだけの魅力ですよね。

他社でも様々な画像エフェクトを用意していますが、往年のフィルム名がベースとなった画像効果は富士フィルムのカメラを選ぶ上での決め手になっている方も多いと思います。

X100V-Velvia
Velvia
フィルムのベルビアは鮮やかな緑のイメージでしたが、ここは赤で(笑)

かく言う私もその一人でして、フィルムシュミレーションは結構使用させてもらっています。
実際使ってみると、VelviaやPROVIAも実際のフィルムとはかなり違う印象ですが、雰囲気は感じられるのでこれはこれで楽しいです。
シネマ用フィルムETERNA(エテルナ)は全く使用したことが無かったので何の先入観もなく使用しています。

ETERNA
ETERNA
シャドー部が立ち上げられコントラストが低い印象。正直まだETERNAに見合う被写体を撮影できていないので、ホテルの一室を撮ってみた。

ポートレイトを撮るならASTIAでしたが、あまり使う機会がなかったんですよね。
フィルムシュミレーションで使ってみると階調が豊かで結構使いやすくて、PROVIAではなくASTIAを常用しても良さそうな気がしてきました。

astia-yasai
ASTIA
山形でよく食べられる野菜、青菜(せいさい)
ASTIAでグリーンの色合いが優しく表現されて結構お気に入り。

CLASSIC Neg.の使用頻度がかなり高くなっています。
硬質な表現で路地裏スナップにはピッタリ。CLASSIC Neg.にハマっている方はかなり多いみたいですね。

classicneg-neko
CLASSIC Neg.
ベースになったフィルムはSUPERIAとのこと。
こんなにも渋い色合いだったんですね・・・
全盛期には殆ど使用しなかったフィルムだが久々に使いたくなってきた。

モノクロのフィルムシュミレーションも有るのですが、凡人には奥が深くて使いこなせていません・・・。
ACROSをフィルムシュミレーション化するにあたってのこだわり・・・富士フィルムのサイトを是非読んでみてください。

新フィルムシミュレーション "ACROS" | X Stories | FUJIFILM X Series & GFX - Japan
F-Simulationが登場してから10年以上が経っている。初めて搭載されたのは2003年、実にFinePix F700よりその歴史は始まっている。そのときより、モノクロームは”B&W”という呼称でF-Simulationの一角を担ってきており、”FUJIFILMのモノクロはなかなか良い”という評価も得ていた。 しか...
AcrossGreen
ACROS with green filter
ACROSにグリーンフィルターを適用
across-red
ACROS with red filter
ACROSにレッドフィルターを適用させたモード
コントラストの高い空に仕上がった

インスタなどSNSに投稿する画像はほぼフィルムシュミレーション一発で終わらせることも殆どだったり(笑)。またAdobe Lightroomではフィルムシュミレーションモードがプリセット登録されているのでRAWで撮影して現像時にモード選択も可能です。

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イマイチに感じるポイント

3ヶ月間使ってきて、???なポイントも正直幾つかあるので挙げておきます。
これらは自分の使い方に起因するものも有るので、「まあこんな人も居るんだな」程度に読んで頂ければ幸いです(笑)。デメリットの大半は慣れると気にならなくなりますので。

▲X100Vイマイチなポイント
  • カメラの操作性
  • ハイブリッドビューファインダーの存在感が薄れてきた・・・(単に自分の使い方の問題)
  • スマホとの連携がどうもイマイチ

カメラの操作性

  • Q(クイックメニュー)ボタンが押しづらい➡︎フォーカスレバーで操作を完結できない
  • 直前に使用していたメニューが記憶されていない➡︎毎回メニュートップから設定開始する必要がある
  • メニューでタッチ操作出来ない
  • コントロールリング(フォーカスリング)に割り当て可能の機能が少ない

操作性に関しては、一旦撮影スタイルが確立されると問題無いことが殆どなのですが、初めのうちは戸惑うこともありました。

Q(クイックメニュー)ボタン

Q(クイックメニュー)ボタンは位置・サイズ共に押しづらいんですよね。

富士フィルムのクイックメニュー自体は気に入っています。

必要な機能をまとめて一発アクセス可能でとても重宝しているのですが、肝心のQボタンが押しづらい(涙)

撮影時には何かと使いたいボタンなのでメニューボタンと同列にまとめて欲しいです。まあこの辺はX-Proシリーズの操作系を踏襲しているので仕方がないのかもしれませんが。

直前に使用していたメニューが記憶されていない

これは些細なことかもしれませんが、メニューで特定の機能を設定後、再び同じ機能を設定変更したい場合、再びメニューボタンを押すとメニュートップに戻ってしまうんですよね。

繰り返し設定変更する場合(若しくはボタンを押し間違えた)など、振り出しに戻ってしまうと結構な時間のロスなんですよね。

またメニュー設定でタッチ操作が不可能なのも何気に不便に感じます。

コントロールリング(フォーカスリング)に割り当て可能の機能が少ない

コントロールリングでは以下の機能が割り当て可能になっています。

  • スタンダード(カメラが撮影モードに応じた機能を自動割り当て)
  • ホワイトバランス
  • フィルムシュミレーション
  • デジタルテレコン
  • OFF

(画像はOFFを選択した状態)

購入前の妄想ではコントロールリングに絞り値を設定し、レンジファインダー機的な設定にしたかったのですが、残念ながら叶わず。この場合オートフォーカスが前提なので、純粋にレンジファインダー機とは異なるので「まあいいか」という感じではあるのですが。

自分の場合ホワイトバランス・フィルムシュミレーションは撮影中頻繁に変更しないので、スタンダードモードを割り当て専らデジタルテレコンの変更に使用しています。

セレクターファンクションボタン(十字キー)が無いのは特に問題なかった

X100Fで有ったセレクターファンクションボタンが、X100Vでは無くなりました。

人間一度与えられたものを取り上げられるのは非情な仕打ちに感じられるものですが、フォーカスレバー(ジョイスティック)も有るので特に問題は感じていません。

逆に背面のデザインがスッキリして個人的には好印象だったりします。

ハイブリッドビューファインダーの存在感が薄れてきた・・・

こんなこと書いたら怒られそうですが・・・

せっかくのハイブリッドビューファインダーなのですが、使いこなせていないんですよね。何だか宝の持ち腐れ状態に。

これは単に私の技量の問題なのですが、EVF・OVFのどちらか設定されている方をそのまま使うだけで、積極的にOVFを使おうとはしていないんですよね。

購入時にはかなりの訴求力の有るハイブリッドビューファインダーですが、どうせならOVFだけでも良いかなと思ったりしました。

スマホやタブレッドとの連携がイマイチ

個人的に一番残念だったのがスマホやタブレットとの連携です。

これはカメラと言うよりはアプリFUJIFILM Camera Remote側の問題でも有るのですが。

X100Vでの自分の思い描いたワークフローは、RAWデータをアプリ経由でiPadに転送して作業することでしたが、そもそもRAWデータの転送は出来ない仕様だったのです。これは単に私の事前リサーチ不足が悪いのですが、他にはアプリとカメラの接続自体がどうも不安定なんですよね。

  1. X100Vを通信モードにする
  2. スマホ・タブレットでWi-Fiを選択
  3. アプリFUJIFILM Camera Remoteを立ち上げ

iPhoneでは今のところ上記の順番でカメラとの接続が確立されているのですが、正しい接続方法はどうもつかめていません。

またライブビュー撮影でのピント合わせも難しく、動体の場合は画像の遅延が大きく実質使えない状態です。またライブビュー撮影を終了させると強制的にWi-Fiが切断されてしまうので、画像取り込みに移りたい場合ちょっと切ない状況。

結局現在はカードリーダーを使用しての転送に落ち着いています。またUSB Type-C(USB3.1 Gen1)で最大速度5Gビット/秒のデータ転送は可能なので、こちらの接続でも十分使えると思います。

これらの現象はスマホやタブレットのOSの問題も有るでしょうし、私の個体特有の問題かもしれません。参考までに読んで頂ければ幸いです。

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まとめ

PROVIA
齋藤茂吉が過ごした山形県大石田町の『聴禽書屋』
窓から光が降り注いでいた。
全くの趣味カメラなので、レンズコーティングが薄いオールドレンズバージョンも発売されないかと思ってみたり。

以上X100Vを3ヶ月ほど使用して感じたことをまとめてみました。

製品のカテゴリー上はデジカメですが、レンズ交換が出来ないだけで、実際はミラーレス一眼と変わらない機能性を誇る高性能カメラです。正直まだまだ使いこなせていない部分が沢山あるので、お伝え出来ていない部分もまだまだ沢山あると思います。

使いづらく感じている点も敢えて挙げましたが、X100V、実はかなりお気に入りの一台です。

もしもカメラを一台しか持っていけない状況であれば、私は間違いなく X100V を選びます。
決してコンパクトなデジカメではありませんが、毎日カバンの中には X100V が入れっぱなし状態です。

どのカメラにしたって自分の使い方と合わない部分はある訳でして、その辺は自分自身を適応させながら使っていきたいですね。

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