FUJIFILMの標準ズームレンズ「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」のレビューです。
前モデル「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」より小型軽量化され普段使いに最適なレンズに。更に防塵防滴、インナーズーム方式採用でネイチャーや動画でも使いやすい、隙のないアップグレードを果たしています。描写力次第では購入を検討されている方も多いのではないでしょうか。今回は作例(拙作ですが)と合わせながら簡単なレビューをお届けします。
まずは結論から。
標準ズームレンズとして、満足度高し!常用決定!
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キットレンズ不要論は当てはまらない!
先に「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」を常用決定!と宣言しておきながら、現在持っている標準域のXマウントは本レンズのみ。
X-T5のキットレンズとして入手しましたが、不満なら即手放し別のレンズを購入する腹づもりでした。良い意味で予想は裏切られ今回は積極的に継続使用することに。

今までキットレンズで満足出来たこと、あまり無かった・・・

今回は嬉しい誤算!
しかし安いレンズではないのだ
キットレンズが常に悪い訳ではなく、要は使い手の道具に対する向き合いかた次第。でも無精な自分は、結局不要になるケースが殆どでした。
勿論単焦点レンズの描写力やボケ具合をズームレンズに求めるのは酷。でも普段使いやスナップ、風景写真までそつなつくこなせるのが嬉しいズームです。お気に入りの単焦点レンズと組み合わせれば最強でしょう。
まだ短いで使用期間ですが、その中で感じられたジティブな印象は以下の通り。
- 小型軽量240gのお手軽サイズ、でもしっかり・くっきりな描写力
- 40Mの高画素もいなす、余裕のレンズ設計
- 広角24mm相当のメリットは大きい(28mmでは物足りない)
- 防塵防滴・高い近接性能(最短撮影距離0.24m)・インナーズーム構造
- 趣味性が低い描写(よく捉えれば真面目で実用的)
- 標準レンズとして手頃とは言えない価格
作例
全てX-T5で撮影しLightroomで任意のフィルムシミュレーション適用しています。JPEG撮って出しと差異が生じますのでご了承を。レタッチは露出補正を行っている場合があります。
余裕の高画素対応

ƒ/8.0 21.4 mm 1/160 ISO125
▲ 出戻りXマウントユーザーの私、以前に前モデル「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」の使用経験はあり。記憶(当てになりませんが)とは全く異なる力強い描写に驚愕しました。

バキバキで目が痛いくらる
ほどの解像感
隅の方まで、とにかくよく写っていて、高画素4020万画素のX-T5も安心していることでしょう。
個人的には「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」の柔らかい描写の方が好みかな・・・・そんな方は特に買い換える必要はないかも。
でも嗜好性とは別に、使える良質なデータを得ることも重要です。その意味で確実な仕事をしてくれるレンズと言えます。

ƒ/8.0 36.3 mm 1/50 ISO125 PROVIA
▲ 雨に濡れた茄子の苗、葉脈もしっかり描写されている。この程度の作例ならレッドバッジの「XF16-55mmF2.8 R LM WR II」と見分ける自信はないかも・・・(私の場合)。
フルサイズ換算24mm相当のワイド感〜これとても重要
フルサイズ換算28mmでも十分広角ですが、24mmのそれとは大きく異なります。

ƒ/8.0 16.0 mm 1/250 ISO125 ProNegHi
▲ 周辺部の解像の低下は見受けられますが、個人的には十分許容範囲。更に上を求めるなら大三元「XF16-55mmF2.8 R LM WR II」でしょう。残念ながら使用経験はありませんが。
歪曲が生じるが補正を掛ければ問題なし


ƒ/8.0 16.0 mm 1/70 ISO125 Classic Chrome
▲ 電子補正無しでは樽型の歪曲が生じますが、汎用的な標準ズームなので仕方なし。基本的に電子補正前提と理解しているので問題無し。

ƒ/11.0 50.0 mm 1/110 ISO125 PROVIA
▲ 金属のラインもスッキリ。
ワイド端F2.8〜明るさは正義
解放f2.8はワイド端のみですが、そのメリットを享受できるシーンはもちろん存在します。

ƒ/2.816.0 mm 1/13 ISO6400 ETERNA
▲ 手持ちで乗り切るしかない、そんな夜もある。でも感度はISO6400以内で抑えたい・・・そんな時ワイド端F2.8が一助になってくれることも。これがF4通しのレンズだと厳しいケースも多いんですよね。F4通しの「XF16-80mmF4 R OIS WR」も魅力的ですが、やはりF2.8が使える「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」を選ぶ理由なのです。

常時三脚が使えるなら「XF16-80mmF4 R OIS WR」を検討しても良いかもしれません

風景には最適だよね。
そろそろ、こちらもリニューアル希望です!
余談ですが、「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」もそろそろリニューアルしてほしいです。
光芒の出方は普通

ƒ/11.0 16.0 mm 1/900 ISO125 ASTIA
▲ 光芒の出方は普通ですが、ズームレンズとしては綺麗です。フレアやゴーストにも強い印象ですが、本格的に風景撮影をすると印象は変わってくるかもれません。
寄れて最短撮影距離0.24m〜簡易マクロ撮影もOK

ƒ/8.0 50.0 mm 1/75 ISO2500
▲ どこまでに被写体まで近づけるか?普段使いのレンズには重要なポイント。テーブル上の料理を、椅子から立ち上がらずに撮影出来るのは非常にありがたいこと。過度にボケないのもAPS-Cのメリットです。

ƒ/4.8 50.0 mm 1/75 ISO1600 ASTIA
▲ お料理の写真をもう一枚。コントラストが低い描写になっていますが、これはブラックミストフィルターを外すのを忘れたため。
意外と素直な?ボケ感
ボケ具合は今まで使用した標準ズームレンズ(並レンズ)の中では比較的良好です。

ƒ/4.8 50.0 mm 1/210 ISO125 ASTIA
▲ テレ端解放での撮影。背後のジャングルジムもすっきりした感じにボケてくれています。

ƒ/2.8 16.0 mm 1/120 ISO125 REALA ACE
▲ ワイド側でのボケ感はこんな感じ。背景がシンプルなおかげでもあり、落ち着いた描写です。

ƒ/8.0 39.6 mm 1/60 ISO500 ProNeg Std
実用的すぎる真面目な描写
成果を確実に持ち帰る、これも標準ズームの使命の一つ。「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」はそのタスクをしっかり遂行してくれる頼もしい存在と言えます。コントラスト、解像感など最新レンズに求められる要件はキッチリ備わっています。
しかし裏を返せば、描写に面白みがなく趣味性が低いのも事実。わがままな要望とも言えますが、個性が欲しくなるシチュエーションもやはりあります。
個人的にカラー写真はコントラスト低めの描写が好みなので、流行りのブラックミストフィルターを装着することもあります。
ただフィルターだけではどうにもならないケースもあるので、単焦点レンズを1本忍ばせておくのも良い選択肢と言えそうです。
以下の写真は「Kenko ブラックミスト No.05 N」を装着しています。

ƒ/8.0 42.0 mm 1/60 ISO160 ETERNA

ƒ/8.0 50.0 mm 1/500 ISO200 CLASSIC NEG

ƒ/4.8 50.0 mm 1/75 ISO320 ASTIA
ブラックミストフィルターそ装着することで、コントラスト感はかなり軽減されました。この辺は好みですね。
標準ズームとしては高めの価格設定か?
- FUJIFILM XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR / 58mm 240g ・・・・・・・¥99,000(税込)
- FUJIFILM XF16-55mmF2.8 R LM WR II / 72mm 410g ・・・・・・・・・¥170,280(税込)
- SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN / 55mm 285g ・・・・・・・・・・・・・・¥71,280(税込)
- TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070) / 67mm 530g・・・¥81,621(税込)
※価格は2025年5月31日現在、マップカメラの新品を参考にしています。
それぞれ特徴が有るの製品で悩みますが、「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」は安くはないけど際立って高額とも言えない立ち位置です。大三元やF4通し以外の標準レンズは、手軽で低価格のイメージが先行しますが、「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」は一つ上のクラスの存在に感じます。
ボケ味や線の繊細さを求めなければ、多くの被写体が本レンズで十分対応可能です。一方ポートレートや業務用途で更に上の描写が必要ならレッドバッジ「XF16-55mmF2.8 R LM WR II」ですね。
フルサイズ換算24mm、防塵防滴、インナーズーム更に小型軽量240gとかなり贅沢な仕様なので、個人的には価格に見合った製品に感じます。バックから手軽に取り出し写せることが重要なので、「XF16-50mmF2.8-4.8 R LM WR」は今後も手放せないレンズになりそうです。
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