こんにちは。写真歴だけは長い管理人です。最近カミさんとカメラ店に行った時に感じたことなのですが、以前よりカメラ選びがちょっと複雑になっていると感じます。
その理由の一つに
イメージセンサーの違いが分かりづらい・・・
このことが有るのでは無いでしょうか?
現在カミさんはフルサイズ機を使用しているのですが、フルサイズについては名前しか知りません・・・。それでも写真を撮れているので問題は無いと思うのですが、やはり購入する時にはイメージセンサーについて大体の違いは掴んでおきたいですよね。
イメージセンサーってフルサイズ以外に何があるのかな・・・?
主要イメージセンサーの種類
一般的なイメージサンサーサイズは以下の5種類ほどになります。
フォーマット | サイズ | 代表的なカメラ |
フルサイズ | 36mm×24mm | α7Ⅲ/EOS5DⅣ |
APS-C | 23.6mm×15.8mm | EOS80D/α6400 |
マイクロフォーサーズ | 17.3mm×13.0mm | OM-D E-M1 Mark II |
1インチ | 13.2mm×8.8mm | RX100M4などの高級コンデジ |
1/2.3インチ | 6.2mm×4.6mm | コンパクトデジカメ/iPhone6・7 |
他には中判カメラ用やAPS-Hなどがありますが、あまり一般的ではないものは今回は割愛しています。
フィルムカメラ時代は現在のフルサイズに相当する135フィルム(24×36mm)のが事実上のスタンダードで、カメラは好みのメーカーを選択するだけでした。
ところが現在は数種類のセンサーサイズが混在していて、カメラを選ぶ時に迷う要因になっていると思います。特に初めてデジタル一眼を購入する場合は分かりづらいのではないでしょうか。
うーん・・・私はどのセンサーサイズを選べば良いのかな?
センサーの種類は多いからね。
でもどの様な写真が撮りたいかが分かれば大丈夫だよ!
自分がどの様な写真を撮りたいのか?このことがぼんやりとでも分かっていれば、カメラ選びはさほど難しく有りません。もしハッキリしていなくても、写真SNSなどを見て撮りたい写真を探してみてくださいね。もちろん「何でも撮ってみたい」でもOKです。
今回は上記の5種類のセンサーサイズのうちフルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズの3種類に絞ってお話ししていきます。
これからセンサーサイズの違いによるメリット・デメリットをハッキリさせながら、どの様な被写体や撮影スタイルに向いているのか書いていきますね。
各センサーの違いの説明に入る前に、センサーの大きさが写真画質に及ぼす影響について確認しておきましょう。
イメージセンサーのサイズの違いで画質とカメラは変わるのか?
センサーのサイズが大きいと綺麗に写るんだよね。他に何か良いことがあるのかな・・・
- 大きいほど高画質
- 大きいほど高感度に強い(場合が多い)
- 大きほど撮影撮範囲が広い
- 大きいほどボケの量が多い(場合がある)
- 大きいほど機材が大型化する傾向がある
- 大きいほど価格が高くなる傾向がある
微妙な言い回しもあり御免なさい・・・。1~4についてはほぼ一般論的な捉え方で良いと思います。5と6についてはメーカの設計思想により、小さなセンサーを積んでいてもカメラ本体が大きく高価格の場合が有ります(例えば高強度・防水対策等)。
価格と大きさ以外ではセンサーサイズが大きい方が有利にみてとれる内容ですが、さて本当にそうなのでしょうか?ではそれぞれのセンサーサイズについて調べていきましょう。
フルサイズ(フルフレーム)
今回比較する中で一番大きなセンサーサイズです。フルサイズの他にフルフレームと言う人も。
これまではセンサーの製造歩留りの面もあり高価格の製品が多かったのですが、最近は特にミラーレス機で安価な製品が発売され以前よりも求めやすくなっています(それでもでも高価ですが)。
ではフルサイズのメリット・デメリットについて考えてみましょう。
まず大まかに言うと、センサーサイズが大きい程、得られる情報量が多く画質が良いということです。やはりイメージセンサーが受け取ることが出来る光の情報量は多いに越したことはないという理由です。
フルサイズのメリット
- 大きなボケを得られる
- 暗い場所でも感度を上げて綺麗に撮れる(高感度耐性)
- 広角の撮影に有利(逆に望遠に弱い)
- ダイナミックレンジが広い
- ライン(線)の繋ぎがスームースで滑らか
- 個性的なレンズが使える
カメラ屋さんでフルサイズの説明を受けると1の「大きなボケ」と2の「高感度耐性」については必ずフルサイズのメリットとして説明してくれるはずです。
ただしメリットの反対にはデメリットがあるはずで(当然ですが)、全容をシャープに撮影したいマクロ撮影の時になどに、ボケの少ないカメラの方が撮影しやすい場合もあります。
フルサイズのボケが大きくなるのは何故?
どうしてフルサイズだとボケやすいの???
実は同じ焦点距離で撮影するとフルサイズもAPS-Cもボケの大きさは同じなんだ。APS-Cはフルサイズの画面の一部を切り取っているだけなんだよ(トリミングと同じ)
えっ?上でボケやすいって書いているよね!店員さんも「フルサイズはボケますよ〜」て言ってたし・・・ボケてるのはニャンキーの頭じゃ無いの?
ゔっ・・・取り敢えず下の写真を見てみて。
かなり微妙な写真だけど・・・
FUJIFILMのレンズクリーニング容器が同じ大きさに写る様に撮影したよ。
ところでお花を撮影していて背景をぼかしたい時、お花ににレンズを近づけるほど背景がボケる経験はあるよね。
うん。お花だけを強調したい時だよね。あるある。
APS-Cはフルサイズの画像の一部をトリミングしている(望遠撮影している)だけだから、フルサイズと同じ大きさに撮ろうとするとちょっとバックして撮らなければならない(対象から離れる)
結果としてフルサイズの方がAPS-Cよりも被写体に近い距離で撮ることになり、それでボケて見えるんだよね。
同じ画角で撮影した場合にフルサイズの方がAPS-Cよりもボケると言うことなんだね。
ボケについて説明すると長くなってしまうので、簡単に書いてみました。あまり深く考えなくても大丈夫です。
高感度に強い
高感度については高ければ高い方が良いと私も思います。
感度を上げれば比例して画質が劣化します。但し高感度耐性については、センサーサイズだけの問題ではなく映像エンジン(キヤノンだとDIGIC8など)や画素数の影響も受けますので、カメラメーカーや機材によって能力が異なります。購入前にサンプル画像を確認しておいた方が良いでしょう。
ダイナミックレンジが広い
ダイナミックレンジはイメージセンサーが受光できる光の明るさの範囲のことだね。
今日は調子いいね!
そうダイナミックレンジが広ければ白飛び黒つぶれに強いことになり、撮影の幅も広がるんだ!下の2枚の写真を見てみて。
この様にダーク部分を持ち上げてみました。その結果が下の写真です。
レタッチ後のヒストグラムです。
黒潰れ・白飛びはある程度抑えられています。
自分は画像処理をする事が多いのですが、やはりフルサイズで撮影した素材の方が破綻が少ないく扱いやすいです。
フルサイズのデメリット
- 機材がどうしても大きくなりがち
- 価格が高い
- 望遠撮影はAPS-C等と比較して弱い
- ボケやすさが逆に撮影の障害になることもある
当たり前なのですが、メリットに反してデメリットがある訳で、撮影に対してもあてはまります。
カメラ本体の大きさは、センサーが大きさに比例して物理的に大きくなるのと、操作性と堅牢性を求めるユーザーの為に大きくなっているケースが多いです。ただし最近のミラーレスはフルサイズでは小型タイプも発売されており一概には当てはまらなくなってきています。
フルサイズが向いている撮影は?
- 本格的に写真を趣味にしたい
- 風景写真
- 星景撮影
- ポートレートやモデルさん撮影
- 素材撮影(ブツ撮り等)
フルサイズのメリットはカメラ本体の性能だけではなく、豊富なレンズラインアップも挙げられます。例として解放F1.2でボケを活かしたモデルさん撮影や、ブツ撮りで重宝するシフトレンズ等々・・・
シフトレンズ等の特殊レンズが使えるのもフルサイズの魅力です。
写真を本格的な趣味にしたい方には、コスト面での問題はあるのですが、初めて買うカメラでもフルサイズをオススメします。
APS-C
デジタル一眼で最も普及しているのがAPS-Cサイズです。
フィルム時代の標準サイズ35mmに対してのイメージセンサーサイズ規格がフルサイズなのは前にお話しした通りです。しかしデジタル一眼カメラ黎明期にフルサイズセンサー製造の難しさから、小型化され製造されたのがAPS-Cです。
謂わば妥協の産物なのですが、カメラ本体やレンズの小型化にする事も出来、使いやすいフォーマットとして現在最も普及しています。キヤノン・ニコン・ソニー・フジフィルム・ペンタックス等多くのメーカーが製造しています。
APS-Cの弱点いと言われていた高感度も、FUJIFILMのXシリーズの様に優れた機種も存在します。
また画素数も大きくなっています。例えばFUJIFILM XH-1は2430万画素もあり、A3ノビでプリントし展示するのにも十分な能力だと言えます。
APS-Cのメリット
- 小型軽量(例外あり)
- カメラとレンズの価格が安い場合が多い(例外あり)
- 望遠撮影に有利 フルサイズ換算1.5倍(キヤノンは1.6倍)
- 動体撮影が得意な機種がある
APS-Cのデメリット
- 広角側(ワイド)が弱い
- 高感度性能が劣る(例外あり)
- 対応するレンズがフルサイズより少ない場合がある。
- 個性的なレンズが少ない。
APS-Cでの撮影が向いているのは?
- 普通に写真を趣味にしたい方
- 家族写真
- 航空機等の動体撮影
数あるデジタルのイメージセンサーの中で一番バランスのとれたフォーマットだと思います。星景写真等特殊な撮影をしないのであればカメラの大きさと価格においても優れておりオススメです。
それと動体撮影が強い機種が多いのもAPS-Cの特徴。航空機、戦闘機やモータースポーツをメインに撮りたいのであればCANON EOS 7D Mark II等のAPS-Cのフラッグシップ機と言う選択肢があります。
マイクロフォーサーズ
デジタルカメラ黎明期に米国のコダックとオリンパスによって提唱された規格です。
個人的には一番思い入れのあるイメージフォーマットで、初めて購入したデジタル一眼がこの規格のカメラ(当時の規格はフォーサーズ)でした。現在はオリンパスとパナソニックの2社から販売されています。
メリット
- 小型軽量
- 望遠撮影に有利 フルサイズ換算2倍
- 手ブレしにくい
- 手ぶれ補正機能が強力
デメリット
- 高画素機が無い(実用では十分)
- 高感度性能が劣る
- ボケの量が少ない
マイクロフォーサーズでの撮影が向いているのは?
- 風景撮影
- 撮影旅行
- 屋外での運動会
- 野鳥撮影・航空機の撮影
- 昆虫などのマクロ撮影
もし自分が長期の海外旅行に出かけるのならマイクロフォーサーズを持って出かけたいです。小型軽量で豊富なレンズ群はは大きなメリットです。特にオリンパスの防水機能を施したカメラはかなり頑丈です。ダイビングで使用中にハウジングが漏水したことが有ったのですが無事で驚きました・・・。旅行だけではなくハードなネイチャー撮影にもオススメ。
フルサイズに換算して2倍の焦点距離も望遠撮影が多い場合魅力的です。野鳥撮影時にはかなり強力なアイテムになるはずです。
作品的に極端に大きなボケを求めたり、暗い場所での撮影をしないのであればフォーサーズはとても魅力的。風景で手前から奥行きまでボカさず撮影したい場合もマイクロフォーサーズは有利です。
ただし画像のアスペクト比が4:3であることと、レタッチ耐性は低いので画像を加工する場合は注意が必要です。
まとめ
それぞれのセンサーサイズによるメリット・デメリットはありますが、私たちが趣味で使う範囲ではどのフォーマットが一番と言うことはありません。例えば気軽に野鳥撮影をしたい場合に、重いフルサイズを勧められても困ってしまいますよね・・・。
また、上記3つのセンサーサイズの違いでフォトコンテストに落選することは無いはずです。
やはり自分の撮影スタイルに合ったカメラを使うことが大事なんだね。
その通りだと思うよ!
カメラの種類が多くて迷うこともあるけど、選択肢が多いのは良いことでもあるよね。
逆に様々なセンサーサイズの選択肢が有るのがデジタルカメラの良さに感じます。私も135フィルム時代と比べて撮影スタイルが変化ていることを日々実感しています。
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