久々にSONYのサイトを見ていると1.4X テレコンバーター「SEL14TC」の在庫が復活しているのを発見!望遠ズームレンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」にもう少し距離が欲しいと思っていたところでしたので注文することに。
テレコンバーターの使用に辺り、まず一番気になる点は画質の劣化ではないでしょうか?「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」そのものがかなりの長距離砲なので、テレコン画質に及ぼす影響が気になるところですよね。
ソニーストアから商品が無事届きましたので、早速近場の空港で試写してきました。
SEL14TCの概要
先ずは外観から見ていきましょう。
形状は極々普通のテレコンで色はホワイト。マスターレンズの焦点距離を1.4倍に伸ばすタイプ。
装着出来るのは以下の一部のレンズに限れますのでご注意を。(2019年10月現在)
- FE 70-200mm F2.8 GM OSS(SEL70200GM)
- FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(SEL100400GM)
- FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(SEL200600G)
- FE 400mm F2.8 GM OSS(SEL400F28GM)
- FE 600mm F4 GM OSS(SEL600F40GM)
注意!
Aマウント用マウントアダプター「LA-EA2/LA-EA4」にはレンズとミラーが接触してしまうので装着できません。
実写レビュー
冒頭にも申し上げましたが、テレコンを装着して気になる点はやはり画質の劣化。最近の製品であれば、どのメーカーでも1.4倍であれば画質の劣化はそれほど気にしなくて良いというのが一般的の様です。
テレコン有・無での焦点距離別での撮影しました。機材はSONY α7Ⅲ、三脚使用、手振れ補正OFFでの撮影です。
今回は近距離ではなく、画質劣化が生じると思われる遠距離での検証を行なっています。
ピントは航空機の「SKY」のロゴ場部分に合わせています。検証画像撮影時の天気は曇り。秋ですが気温が高く大気の揺らいでいる部分が見受けられます。それと多少の画角のズレと撮影間隔によって若干の光量の差生じていますのでご了承ください。
600mm
テレコン装着時の焦点距離は600mmになる様に429mm付近で撮影。
赤枠の部分3箇所を等倍切取りした画像を以下に載せています。
では赤枠の部分を等倍切取りした画像を以下に載せています。
大気の影響かで機体が揺らいで見えていますが、テレコン装着時の画像は全体的に甘い感じに。手前のガードレールの質感はかなり失われています。
・・・右上・・・
この辺ではあまり大きな違いは見受けられません。
・・・左側・・・
テレコン装着時の画像ではフェンス部の質感が失われています。テレコン有りではネット部分がぼんやりとしているのがお分かり頂けると思います。
500mm
テレコン装着時の焦点距離は500mmになる様に357mm付近で撮影。
以下では赤枠の2箇所を比較します。
・・・中央部・・・
中央部に関して大きな違いは見受けられません。手前ガードレールのラインも綺麗に描写されています。600mmの画像と比較しても解像感は改善されています。
・・・左側・・・
テレコン装着時の画像はフェンスの網目が若干甘めに。中央部の画像と同じく600mmよりは改善されており個人的には実用上問題のないレベルです。
400mm
テレコン装着時の焦点距離は400mmになる様に286mm付近で撮影。
以下に赤枠の2箇所で比較します。
・・・中央部・・・
上の2枚ではテレコンを装着しても、ほぼ違いが分からないレベルに。画像下の有刺鉄線も綺麗に描かれています。
・・・右上部・・・
敢えて言えば画像上部に若干の甘さを感じますが、ほぼ問題の無いレベルです。すごいですね。
以上テレコン装着・非装着時の比較でした。結果を簡単にまとめると以下の様になります。
まとめ
- 400mm付近ではほぼ全画面均一に解像
- 500mm付近では中央部は良好ですが周辺が甘い状態
- 600mmを超えると全体的に甘めの描写に
上記はあくまでも等倍での検証につき、実際の撮影では問題にはならないケースが殆でしょう。
AFスピードと精度について
1.4Xテレコンを装着するとマスターレンズのF値よりも一段分光量が低下に。今回テストで使用したレンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」は開放絞りF5.6なので、テレコンを使用するとF8.0とかなり暗くなってしまうのが難点ですね。
今回使用したα7Ⅲでは像面位相差AFがF11まで対応しており、通常の撮影で困ることはありません。一方でα7R IIIの象面位相違AFはF8までしか対応していないのでちょっと困ることもあるかもしれません。
AFの食いつきに関しては向かってくる航空機にも上手く追随してくれます。テレコンを装着しないと時と大きな違いは感じられませんでした。精度に関しても同様で問題を感じるレベルではありません。
サンプル画像
先ずはテレ側の840mです。画像が小さいので正当な判断は難しいと思いますがA3ノビのプリントでも十分対応出来る画質です。それにしてもISO3200でもこの写りなので最近のカメラの性能は凄いですね。
10mほどに先に有る有刺鉄線をテレ側で撮影しました。下の写真は上部の鉄線とパイプのつなぎ目部分を拡大したものです。「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」にテレマクロ撮影目的で「SEL14TC」を装着するケースはあまり無いと思いますが、参考として載せておきます。
撮影技術が無くあまり動きの無い写真ばかりですが参考まで。
あまり良い設定での画像では無いのですが、太陽を正面に撮影。当然ですがフレアーが発生しています。
まとめ
以上SONYの望遠レンズ「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」 に1.4X テレコンバーター SEL14TCを装着した場合のレビューでした。
結果としては、等倍でみた場合テレ側での画質劣化は感じられます。これはあくまでも等倍での問題であって、実用上には全く問題の無いレベルです。焦点距離840mmを小さなレンズを付け足すだけで得られるメリットは非常に大きいと感じました。
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