レンズ交換式カメラで標準ズームレンズをセットで購入後、使用していくにつれ、これまでとは違う画角・描写が欲しくなってきますよね。スマホやコンデジでも十分綺麗な写真は撮れますが、広角やマクロ撮影などシチュエーションに応じてレンズを交換出来るのが何と言ってもレンズ交換式カメラの醍醐味です。
お店には様々なレンズが並んでいて、初めのうちはどこから揃えたら良いのか迷ってしまいますよね。今回はマイクロフォーサーズで風景写真撮影に適したレンズをピックアップしていこうと思います。ただ風景写真用に特化する訳ではなく、普段の撮影でも使用出来る範囲で紹介していきます。
ポイント
風景写真撮影に向いたマイクフォーサーズ用レンズのオススメ組み合わせは?
風景写真撮影に適したレンズとは?
まずは風景撮影ではどの様なレンズが適しているのか以下に箇条書きにしてみました。
- 防塵防滴性能
- 小型軽量
- F値が明るい(出来れば)
雪山や水場など、美しい景色の周りには機材にとっての危険がいっぱい。私も波打ち際で三脚を倒してしまったことがあり防塵防滴性能に救われた経験者です。ミスを犯さないように注意する事がまず重要ですが、備が有る越したことはありません。
また一般的にはリュックの中が機材で満載という訳にもいかないので、やはり小型軽量であることも重要なポイントです。
マイクロフォーサーズ機を使う上での1番のメリットは機材の軽量性。
特に望遠レンズを装着した際の機動力の良さは特筆に値します。登山が趣味の写真仲間の話を聞くと、最近ではフルサイズ一眼を持って山に入る方が多いみたいですね。高感度性能を活かした星空撮影などフルサイズの魅力ですが、どうしても機材は大型化してしまいます。その一方マイクロフォーサーズの軽量性、特に望遠レンズを装着した場合の機動力の良さは特筆に値します!
参考までにLEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.(写真上)とフルサイズのSONY FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS(写真下)を一緒に撮影してみました。見た目から大きさが全く異なりますね。ちなみに重量はマイクロフォーサーズの50-200mmが655g、100-400mmが1395gその差は約2倍以上にもなります。この比較自体がおかしいかもしれませんがあくまでも参考まで。
またマイクロフォーサーズではボディとレンズ共に防塵防滴性能に優れた機種が多いのも特徴。過信は禁物ですが、中には防水じゃないの?と思うような機種もあったりします。
以上のことを鑑みながらレンズの組み合わせせをご紹介していきますね。
パターン1 超シンプルに、この一本で全て完結!
- OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO
今回はどの様なレンズを揃えるか?というお題でしたが・・・敢えてこの一本だけという手も有るかなと。それだけ他のフォーマットには無いマイクロフォーサーズユーザーの特権的レンズなのです。
本レンズの魅力はなんと言ってもフルサイズ換算焦点距離24-200mm/F4をこの1本で賄えてしまうこと。最短撮影距離は0.15Mとめちゃくちゃ寄れるのと共に、最大撮影倍率はフルサイズ換算0.6M。山野草の簡易マクロとして使用可能の守備範囲が広いスーパーレンズなのです。
Olympus E-M1MarkII / OLYMPUS M.12-100mm F4.0
さらに防塵防滴性能にも優れているのでOLYMPUS E―M1 MARKⅡと組み合わせればフィールドでの安心感は圧倒的に高まります。荷物制限でレンズを一本しか持ち出す余裕がない場合は間違いなく本レンズを選びます。
パターン2 LEICA DGレンズをメインに
- LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.
- LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
- LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
一般的な風景撮影であれば上記3本の組合せでかなりの守備範囲をこなしてくれます。旅行や日常的な撮影でもこれら3本を揃えれば大体の撮影はOKです。
Panasonicの魅力はライカDGレンズ(LEICA DG LENS)が使用出来ること。明るさはF2.8-4.0通しと無理をしていない分小型軽量化が計れています。画質とサイズがのバランスが取れていて若干高価になりますがオススメの組み合わせです。
フルサイズで例えれば大三元と小三元レンズの中間位でしょうか?
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0 ASPH.
フルサイズ換算16-36mmの広角レンズ。
フィルターも付けられますし、広角が好きには使いやすい焦点距離なので常用レンズとしても使用可能。315gの計量コンパクトで手に取ると本当に小さく感じます。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
LEICA DGレンズ群での標準ズームレンズ。フルサイズ換算で24-120mmの使いやすい焦点距離で常に付けっ放しです。
カメラの付属レンズ(レンズキット)としても販売されているのですが、レンズキットに有りがちな手抜き感は一切感じられません。大きなボケが必要な場合やディストーションが気にならなければ、当面単焦点レンズは購入しなくても大丈夫な画質です。
Panasonic DMC-GX8 / LEICA DG 12-60 / F2.8-4.0
上の写真は標準ズーム域を担う12-60mmで撮影しました。とても艶やかな描写で出力され自分もビックリ。仕上げで若干コントラストを上げていますが、この程度のレタッチが前提であればフルサイズでなくて大丈夫かな〜というのが個人的な印象です。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S.
フルサイズ換算で100-400mmで重さが何と655g、マイクロフォーサーズならではの望遠レンズ。最短撮影距離が0.75 mとかなり寄れるのでボケを活かした望遠マクロ的な撮影にも適しています。
Panasonic DC-G9 LEICA DG 50-200/F2.8-4.0
実はこのレンズまだあまり使いこなしていのです。テレ側換算400mmで撮影した場合の太陽の大きさのサンプル写真ということで。
+αでマクロレンズ
LUMIX G MACRO 30mm/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S.
上記の3本の他に1本付け加えるとしたらマクロレンズがオススメ。
マクロレンズに関しては本レンズ以外にも魅力的な選択肢がいっぱいで迷ってしまいますね。焦点距離が30mmですと、マクロ撮影だけでなくお散歩・スナップ撮影用単焦点としても使えるのでこちらをピックアップしてみました。
パターン3 OLYMPUS PROシリーズで完全装備化
- M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO
- M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
こちらではOLYMPUSメインで組合せてみました。
特徴としてはF値がPanasonicのF2.8-4.0シリーズに対してこちらはF2.8通しであること。そして標準域は12-40mm(フルサイズ換算24-80mm)とオーソドックスですが、広角と望遠はかなり特徴のあるスペックになっています。
M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO
こちらはフルサイズ換算で14-28mmの超広角域をカバーするスーパーズームレンズ。開放F2.8の明るさで星野撮影で広大な夜空を切り取るのにも持ってこいです。
本レンズの注意点を以下にまとめました。
但しこれらの注意点は本レンズの性能にのみ起因する訳ではなく、どのメーカーでも構造上概ね同じことが言えます。このクラスの超広角レンズでは常に光源に対して注意を払う必要があります。
上のサンプルの様に油断をしているとゴーストが盛大に発生してしまいます。まあこの状況ではどんなレンズでもゴーストを発生させるシチュエーションではありますが・・・
描写性能に関してはピカイチで隅の方までかなりの解像感です。
またフルサイズ換算広角14mmと16mmとでは数値上の差ははたった2mmですが、14mmで写される光景はやはり広大です。
これは個人絵的な印象なのですが、アスペクト比の違いから、マイクロフォーサーズ(4:3)ではフルサイズ(3:2)と比較し画角が狭く感じてしまうことが。この辺の画角の違いは好みでもあるのですが、参考までにフォーマット別のアスペクト比一覧を載せておきますね。
サイズmm | アスペクト比 | |
フルサイズ | 36×24 | 3:2 |
APS-C | 23.4×16.7 | 3:2 |
Mフォーサーズ | 17.3×13 | 4:3 |
コンデジ | 6.2×4.6 | 4:3 |
Olympus E-M1MarkII / OLYMPUS M.7-14mm F2.8
上のサンプル写真はテレ側14mmでの撮影です。出目金レンズなので気を使いますが、フルサイズ換算で28mmまで使えるので、常にカメラに着けていても使い甲斐のあるレンズなのです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
さらに面白いのが望遠域を担う本レンズの存在。フルサイズ換算80-300mmがF2.8の明るさで使用可能で、風景撮影ではかなり使い勝手の良いレンジをカバーしています!
更に1.4×テレコンセットもラインナップされており、その場合フルサイズ換算112-420mm F4.0のレンズとして使用可能。1.4×のテレコンバーターであれば画質の劣化も無視出来る範囲ですし、F値も一段のロスで済みますのでかなり撮影の幅が広まります。
Olympus E-M1MarkII / OLYMPUS M.40-150mm F2.8
上のサンプル写真では残雪残る草原でのカタクリの花を撮影したものです。最短撮影距離が0.7mと寄れるので近寄ってボケを活かした撮影も可能です。背景右側の白色は残雪なのですが左側の葉の部分のなだらかで美しいボケです。望遠域で妥協したくないのであれば間違いなく本レンズを選択すべしです!
Olympus E-M1MarkII / OLYMPUS M.40-150mm F2.8
上の写真の様にフルサイズ換算300mmの圧縮効果により迫力のある画を撮ることも可能です。
+αでマクロレンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
本マクロレンズは等倍撮影可能、さらにフルサイズ換算120mmの中望遠単焦点としても利用出来ます。ここまで揃えてしまえば隙の無いレンズ構成になりますね。
まとめ〜ファイナルジャッジ
マイクロフォーサーズでのレンズ選びの注意点
以上風景撮影を前提としたレンズ選びについて書いてきましたが、最後にちょっとした注意点を記載しておきます。
ボディとレンズが異なるメーカーの場合の機能制限
なるべく同一メーカー間でチョイスしましたが、マイクロフォーサーズ規格内であればボディとレンズは異なるメーカーで使用可能です。
手振れ補正とオートフォーカス性能
但しメーカーが異なるとボディとレンズを連動させた手振れ補正機能(Panasonicの場合「Dual I.S.2」)が対応しない等の制限事項もあるので注意が必要です。機種によっては6.5段分の補正効果が得られるなど決して無視は出来ない機能です。また動画の撮影時にも有効なのでここは確認しておきたい事項です。
またオートフォーカス性能を重視したい場合もボディとレンズは同一メーカーで揃えた方が安心です。
OLYMPUSとPanasonicどちらがオススメ?
この辺はレンズ単体によって異なっていたり、個人の主観も絡んでくるので何とも断言出来ない世界であることを承知の上読んでくださいませ。以下私の独断のインプレッションです。
結局OLYMPUS・Panasonicのどちらもオススメです!
描写性に関してはイメージセンサー性能にも依存するので一概にには言えませんが、OLYMPUS PROレンズは解像感が有りハッキリとした色合いのある描写に感じます。よくオリンパスブルーと言うフレーズが聞かれますが、リバーサルフィルムで撮影していた方にはOLYMPUSの方が違和感がないかもしれません。
一方のPanasonicのLEICA DGレンズでは全体的に柔らか目の印象で、本格な風景撮影に行く機会が少ない筆者はこちらを使用することが多くなっています。
この様に同一フォーマット内で主要メーカー2つの異る描写が選択出来るのはマイクロフォーサーズのアドバンテージですね。他メーカーからも個性的なレンズが多数販売されていたりと深〜い沼へ嵌っていく危険性も孕んでいますので注意してくださいね。
以上風景撮影にオススメレンズの組み合わせについてでした。最後まで読んで頂きありがとうございます!
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