今回はGodoxのストロボTT600の簡単な使用方法について書いていきます。初心者向けの説明ですので、経験豊富な方は読み飛ばしてくださいね。
私の撮影機材は現在SONYがメイン。SONY機専用ストロボ TT685s と今回ご紹介するTT600(汎用タイプ)をオフカメラ用として併用しています。記事はSONYユーザー目線になっている点もありますのでご了承ください。
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Godox クリップオンストロボのラインアップ
ストロボが初めての方がGodoxのストロボを購入する際、商品選択に戸惑う場合があるかもしれません。先ず簡単にGN60での商品ラインナップの整理をしていきます。
型式 | GN | 対応メーカー | TTL | 電源 |
TT600 | 60 | NIKON CANON他 | N/A | 乾電池 |
TT600S | 60 | SONY | N/A | 乾電池 |
TT685C | 60 | CANON | AVL | 乾電池 |
TT685N | 60 | NIKON | AVL | 乾電池 |
TT685S | 60 | SONY | AVL | 乾電池 |
V860 IIC | 60 | CANON | AVL | 専用Li |
V860 IIN | 60 | NIKON | AVL | 専用Li |
V860IIS | 60 | SONY | AVL | 専用Li |
注釈 N/A: 使用不可 AVL :使用可能 専用Li :専用リチウムイオンバッテリー
一見するとゴチャゴチャとしていますが、要約すると下記のようになります。
- 600シリーズ マニュアル発光のみ 乾電池
- 685シリーズ TTL発光可能 乾電池
- 860シリーズ TTL発光可能 専用リチウムイオンバッテリー
今回ご紹介するTT600は、マニュアル発光のみの(TTL発光不可能)乾電池式の汎用ストロボということになります。TT600はCANON/NIKON/OLYMPUS/PENTAXなど、通常のホットシューを装備したカメラなら使用可能です。一方SONYは・・・マルチインターフェースシューという独自規格の為、SONY専用のTT600Sが販売されています。
そもそも純正品の場合TTLオートフラッシュは実装されているのが基本なので、TT600の様に基本的な機能に絞ったストロボは貴重な存在です。
SONYユーザーとしてはTT600Sを購入すべきですが、基本的にはオフストロボ用であることと、CANONやNIKONで使用する場合もあるので汎用性のあるTT600を使用しています。
それでは使い方に移りましょう。あまり重要ではない点は割愛しています。
使い方
各部の名称
ワイヤレスコントロールポートとシンクロコードジャック
CANON・NIKON用のホットシュー接合部の形状
ロックはダイヤル式
01 キャッチライトパネル・02 ワイドパネル・03 フラッシュヘッド・04 光学コントロールセンサー・05 フォーカスアシストビーム・06 ワイヤレスコントロールポート・07 シンクコードジャック・08 ホットシュー・09 ロックリング・10 バッテリー室
Tips ボタン表示が上下2段に分かれている場合(例ZOOM/Fn)、下の段に該当する機能がボタン長押し(約2秒)になります。この場合Fn(ファンクションモード)に入りたい場合こちらのボタンを長押しします。
Multi Mode マルチ発光モード
マルチ発光モードです。私はほとんど使用する機会が無いのですが、舞台等を撮影する場合は使用すると楽しいと思います。実際の使用例は検索すると沢山出てくるのでご覧になって下さい。設定方法は以下になります。
- 〈MODE〉ボタンを押してMultiを選択する
- 〈 SET〉ボタンを押し発光間隔と発光回数をセットします。
発光間隔は1~199Hzの間から、発光回数は1~100の間から選択できます。以下の表が発光量と発光回数の相関表になっています。
シャッタースピードの計算方法
発光回数/発光間隔=シャッタースピード
例)発光回数が10回、発光間隔が5Hzの場合シャッタースピードは2秒
[注意] 発光量が1/1や1/2の場合は使用できません。
S1 / S2モード
こちらはオフカメラストロボで使用できる2つのスレーブモード(子機モード)についの説明です。以下が設定方法になります。・
- 〈ZOOM/FN〉ボタンを長押し、カスタムメニューに入る
- 〈SET〉ボタンを押し”OS”を選択する(メニューを選択するのはモードダイヤルを回すのではなくSETボタンで選択する)
- モードダイヤルを回しOFF / S1 / S2を選択
- 〈ZOOM/FN〉ボタンを押しで確定
S1モードとは?
マニュアル発光時に使用するモードです。言い換えればTTL自動調光では使わない方が良いと言うことになります。その訳は、S1モードでは親機の発光に対し即反応し発光してしまうからです。つまり親機のTTL発光のプリフラッシュにも反応してしまい、正確な同調が出来なくなってしまう為です。
S2モード
このモードではマスターフラッシュのプリ発光は認識されなくなります。よってTTL発光モード時ににはS2モードで使用した方が良いことになります。
ハイスピードシンクロモード
ハイスピードシンクロモード(以下HSS)についてです。要は高速シャッター時でにストロボを同調させる機能なのですが、説明は別記事『初心者向け Godox TT350sの使い方』にて簡単に記載していますので宜しかったらご覧ください。以下が設定方法になります。
- 〈MF/⚡︎H〉ボタンを長押し
- LCDパネルに⚡︎Hマークが表示される
- 解除は、もう一度〈MF/⚡︎H〉ボタンを長押し
[注意1]HSSはTT600がカメラ直接取り付けられている状態では作動しません。以下の別売りのトリガーが必要です。
[注意2] オーバーヒートとフラッシュヘッド焼付防止のため、10回連続使用すると熱保護機能が自動稼働します。その際に、チャージサイクルが10秒以上になることがあります。
フォーカスアシストランプ
低照度やローコントラスト状態の撮影時にフォーカスをアシストしてくれる機能です。以下が使い方です。
- 〈MF/⚡︎H〉ボタンを押す→TT600前面にある赤色のフォーカスアシストビームが点灯する。
フォーカスアシストランプの時間(No-Flash Time)はカスタムファンクション項目から10秒から30秒までの3段階で設定可能です。以下が設定方法になります。
- 〈ZOOM/Fn〉長押でカスタムファンクションに入る
- 〈SET〉ボタンを押してLCDに”FC”項目を表示
- ダイヤルで選択する
- 〈ZOOM/Fn〉押しで確定
ワイヤレス2.4Gの使い方
メーカー純正のストロボはペアリング方式を採用しているケースが多いですが、Godoxの場合は2.4Ghz帯も無線電波方式になっています。
TT600をワイヤレス環境で使用するには以下の手順によりマスター(親機)とスレーブ(子機)の信号の送受信設定を行います。
参考までにワイヤレスフラッシュトリガーには以下の様な製品があります。SONYはホットシューが独自規格なので注意が必要です。
Godox X1T-S 2.4G TTL ワイヤレスフラッシュトリガー 遠隔制御 高速同期 HSS 1 / 8000s Xシステム 送信機 ソニーデジタル一眼レフカメラ対応
GODOX Xpro-S 送信機 TTL2.4Gワイヤレスフラッシュトリガー 高速同期 1 / 8000s Xシステム Sony一眼レフカメラ対応
ワイヤレストリガーについては別記事『Godox XPro-s ワイヤレス フラッシュ トリガーのレビュー』にて説明しています。宜しかったらこちらもご覧ください。
ワイヤレスモードの設定
TT600はIDの設定機能がありません。X-Proなどのワイヤレストランスミッターを使用する場合は、IDをOFFに設定してください。
このLCDに表示されている内容は
- S スレーブモード(画面左下)
- チャンネル 4(画面下)
- グループB(画面上真ん中)
- 〈MODE〉ボタンを長押しする
- シグナルアイコンが点滅する
- ダイヤルを回してM(マスター)かS(スレーブ)を選択する
- 〈SET〉で確定
チャンネル設定
- 〈Gr/CH〉を長押し
- CHの数字が点滅するのでダイヤルで設定
- 〈SET〉で確定
グループ設定
- 〈Gr/CH〉を押し
- グループを選択する
- マスターモードの場合M/A/B/C/D/E
- スレーブモードの場合 A/B/C/D/E
他のカスタムファンクションについて
CFセッティング | 機能 | 詳細 |
SL | スリープタイム | 3~60秒/OFF |
FC | フォーカスアシストの時間 | 10~30秒 |
bp | ビープ音 | ON/OFF |
bL | バックライト | ON/12sec/OFF |
OS | 光学スレーブモード | OFF/S1/S2 |
他のカスタムファンクションについては、取説表の要約で大丈夫かと思います。設定方法については上記のS1/S2モードの設定方法を参照ください。
保護機能
下の表は発光量に対しての発光回数の目安になります。
発光レベル | 発光回数 |
1/1 | 30 |
1/2 +0.7 | 40 |
1/2 +0.3 | 50 |
1/2 | 60 |
1/4(+0.3,+0.7) | 100 |
1/8(+0.3,+0.7) | 200 |
1/16(+0.3,+0.7) | 300 |
1/32(+0.3,+0.7) | 500 |
1/64(+0.3,+0.7) | 1000 |
1/128(+0.3,+0.7) | 1000 |
- オーバーヒートによるフラッシュヘッド機能低下を防止する為に保護機能が作動する場合あがあります。
- 1/1フル発光で30回連続発光した場合、最低でも10分は機能停止になります。
- 30回以上の連続発光を続けると、保護機能が働きチャージ時間が10~15秒程必要になる場合があります。このような状態になったら10分程フラッシュを休ませてください。
- 過熱防止装置が作動した場合、温度計マークが LCDに表示されます。
その他の機能及びアラート表示
その他機能
引き出し式のワイドパネル。こちらは他のストロボと同様です。キャッチライトパネルも同じ場所に収納されています。
壁バウンス撮影もOK
その他バウンス機能やワイドパネルの表記がありますが、こちらは実際に使用すれば理解できるので割愛いたします。
アラート・エラー表示
その他のアラート・エラー表示表示は以下になります。
LCDの表示 | 意味 |
E0 | 温度センサー異常 要サービス |
E1 | リサイクル機能異常で発光不能。フラッシュを再起動し解決しなければ要サービス |
E2 | 過熱状態につき10分は使用不可能 |
E3 | 発光管の異常電圧を完治 要サービス |
まとめ
本機は、TTLオートフラッシュを除けばストロボ撮影に必要な機能は全て揃っています。純正との違いは防塵防滴に対する配慮面などの点はありますが、通常の撮影に際しては何の支障があるものではありませんでした。何よりも金額の安さは驚異的なので、2灯・3灯目としてのストロボとしてもかなりオススメです。
最後までご覧いただき有難うございました。Godox TT600を多灯ライティングの入口としていかがでしょうか。
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