『NEEWER 2パック RGB168 18.3インチ LEDパネル ビデオライト』のレビューです。
もはや動画撮影では必須のLEDライトですが、スチル撮影でも使用されている方も多いのではないでしょうか?最近は光の質も安定しており、LEDライトの使用機会は多くなっていますよね。
私は以前購入した同社の『660PRO RGB LEDビデオライト』を愛用中。今回NEEWER様よりRGB168をご提供頂きましたので、一部比較も交えながらレビューします。
今回ご紹介するのはライト2台セットでライトスタンドも付属。初めてのLEDライトを検討している方にもおすすめのセットです。
はじめにRGB168の5つの重要ポイントからお伝えしておきます。
- 色相・色温度変更機能が備わるオールインワンLEDライト
- ディフューザー内蔵 〜 セットしたら直ぐに使える。
- 高出力60W・ビーム角120°・演色性(TLCI 97+) 〜 光質・光量も十分で好印象
- ユーザーフレンドリーなアプリ〜直感的な操作が可能
- コスパに優れる
ディフューザーを取り付ける必要がないのは結構楽だ。
2灯セットで更にカラー変更も自在。
様々なライティングに挑戦可能です。
中でも内蔵ディフューザーは特筆事項で、取付手間も省略され撮影効率が高まります。またバイカラー及び色彩変更が可能で、フィルターを用意する必要がないものメリットです。
製品内容・使い方
製品内容
ライティングの幅が広がる2台セット
『NEEWER 2パック RGB16818.3インチ LEDパネル ビデオライト』は、ライト本体とライトスタンドの2台セット。とりあえずライティングに必要な機材は揃っており、必要に応じレフ板などを追加すれば、大体の撮影に対応可能です。
⬆︎ ケースは結構大柄で、バスや電車など交通機関では持て余すかも。一方ライトとスタンドを整然と収納可能で、車での移動や機材の保管に役立ちます。
またライトスタンドは表面マット塗装仕上げ&スプリングクッション入りで、なかなか上質感があります。
本製品のセット内容は以下の通りです。
- RGB168ライト本体 × 2台
- ブラケット × 2個
- 電源アダプター/ケーブル × 2本
- ライトスタンド × 2本
- その他マニュアル類 ×一式
- 収納バッグ
セッティングと使い方
スピーディーにセッティングが可能
組立方法はとても簡単。
付属ブラケットをライト背面に取り付け、スタンドのオスダボに挿し込み固定するだけ。
ブラケットはU字型の金属ステーではなく、ライトパネルを一点で支持するタイプです。パネルの大きさに対して支持点が一箇所なので、安定感は若干足りなく感じます。但し一旦しっかり固定すれば勝手に向きが変わることはなく、実用上の問題ありません。
電源はDC 15V 4.8AアダプターかNP-Fバッテリーの使用が可能です。バッテリー給電は未使用ですが、移動しながらの撮影時は、やはりその必要性を感じます。
使い方は簡単・取説書要らず
直感的に理解可能なインターフェースで、4分割されたパネル表示に該当するFn1〜4ボタンを押し、後はダイヤルノブを回すだけ。
ちなみに輝度調整でダイヤルノブをクルクル回すよりは、スマホアプリでの操作の方が格段に楽です。
特にハイポジション時にアプリの存在は有難いです。
RGB168の特徴
内蔵ディフューザーは効果あり
先のも述べましたがRGB168の一番のポイントは18.3インチパネル内蔵ディフューザーから発せられるソフトな光です。また側面発光パネルなので、LED発光ビーズのボツボツ感が無く、均一な光が好印象です。
但しディフューザーの取り外しは出来ません。
では肝腎のディフューザーの効果をチェックしましょう。今回は同社の660PROを比較に用い、以下の条件で撮影しました。
RGB168 ライトから被写体までの距離は1m
660PRO(付属ディフューザーパネルを装着)
- 被写体(中央の人形)付近の光量:約750ルクス*
- ライトの色温度:5600K
- ライトと被写体(中央の人形)の距離:約1m
- 660PROには本体付属のディフューザーパネルを装着
*750ルクスに設定した理由は、660PROにソフトボックスを使用した時の照度を基準にしたため。特別な意味は有りませんのでご了承ください。
⬆︎ 660PROでは濃く大き目の影
⬆︎ 一方RGB168では、影が柔らかく映し出された。
影の柔らかさはRGB168に軍配が上がりましたが、これは680PROが劣っている訳ではなく、オプションのソフトボックス等で更に柔らかい光を得ることが出来ます。この辺は機材の使い方次第ですね。
(参考)白レフ板で調整
このままだと左のバックホウ後方カウンタウェイト部が暗いので、白レフ板を左から当てたのが下の画像です。
⬆︎ レフ板の効果で全体的に光が周り良い感じになりました。
スピーディかつ省スペースでセッティングが可能
ディフューザー内蔵につきRGB168のサイズは大きく感じます。
但し、厚みのあるソフトボックスなどを装着せずとも使用可能なので、結果として省スペースだったりします。また設営の大幅な時短にも繋がります。
更にRGB168のパネル自体薄いので、セットされた姿はとてもスマートに見えます。
ソフトボックスの取り付けは意外と手間ですよね。
もちろん理想の光質を得るためにそのメリットは大きく絶対に必要なアイテムですが、大きく狭所では持て余すことも。
ホワイトバランスも安定
ちなみに上記の撮影例でカメラが示したホワイトバランスは5500Kで。特に問題ない誤差の範囲と言えます。
また上例での光量は40%で、まだ余裕があります。
放熱性が確保され静か 〜 動画撮影に最適
室温20度、輝度100%で1時間以上連続点灯しながら撮影で使用しました。
パネルから温かみを感じる程度で、熱くなることはありませんでした。排気スリットがパネル周囲に掘られており、放熱効果は十分感じられます。
またモノブロック型LEDライトの様な冷却ファンの音はしないので、ムービー撮影で不要な音を拾うこともありません。
静かで動画撮影に最適です。
色相(hue)の変更が可能
色相の変更が自由自在です。今回初めて使用しましたのですが、結構面白いですね(笑)。
動画で時間軸の変化を表わしたり、被写体の心象描写でも使えそうです。勿論静止画でも活用可能なので、この様なオプションが備わるのは心強いですね。
更に17パターンの特殊シーン効果も備わります。今のところ使用機会は無いのですが、動画演出でアイデアの幅を広げてくれるはず。
ちなみにアプリの方が直感的に色彩変更が可能ですので、こちらの使用がおすすめです。
Appでラクラク色相変更
neewer app内の【HSI】機能で直感的に色相変更が可能。
色選択は、アプリ上部の色相環(カラーサークル)と下部の輝度・色相・飽和のスライダーからダイレクト行えます。
アプリはとても使いやすく、デバイス登録方法は後にまた書き記します。
YouTubeやTikTokなど、動画配信で表現の幅を広げる上では、RGBタイプのライトを備える価値は十分有りますね。
アプリ 〜 洗練された操作性
ライト操作に大いに役立つアプリ、電源ON/OFFから光の設定まで簡単に操作が可能です。
どうも今までカメラメーカーのアプリに対して良いイメージが無く(苦笑)・・・トラウマ状態のまま今回もAppを入手。そして実際に使った感想は・・・
めっちゃ使いやすかったです!
デバイス登録自体、本当に簡単。
直ぐに使えるよ。
今まで使用した撮影系アプリの中でも、シンプルでかなり使いやすいです。
アプリには複数のNEEWER製LEDライトを登録可能で、今回手持ちのデバイスは全て登録しました。
同一機種も自動的に別チャンネル登録され干渉することなく手間要らず。
更に直感的に使えるインターフェースで、直ぐに撮影で使えます。ライトの性能が同じなら、アプリが使いやすいメーカーの製品を選びたいですよね。
ペアリング方法
以下はBluetooth接続でのペアリング方法の概要です。Appの指示通りに進めば、簡単にデバイスが登録されるはず。
撮影例
早速ですがRGB168を用い撮影してみました。身近な被写体ばかりですがご笑覧ください。
静止画でブレずに撮影出来る?
YouTube配信動画・ムービー制作では十分な光量ですが、静止画(手持ち)でブレずに撮影可能か検証してみます*。結論は以下の通りです。
*但し許容できる感度や被写深度により、結果は大きく異なるので参考としてご覧ください。
- ストロボ光より低速シャッタースピードだが、なんとか撮影可能
- 三脚を使用した方が安全
ちなみに手持撮影のシャッタースピードの基準は、一般的に1/焦点距離と言われています。
50㎜レンズなら1/50程度だね。
同じ素材で恐縮ですが、カメラは前出と同じ設定(ISO400 SS1/25 F5.6)で、ライトの光量のみを100%にアップします。ライトから被写体の距離は前回同様約1mです。
⬆︎ RGB168の輝度100%で撮影
被写体付近で約+2EV露出オーバーに。これでも良いかもしれませんが、平面的に感じるのでシャッタースピードで露出調整します。
この時点でSS1/25(ISO400 F5.6)なので、もう少しシャッタースピードを稼ぎたいところ。但しカメラの手ぶれ補正機能を活用すれば、焦点距離によっては撮影可能な場合もあります。
⬆︎ SS1/25から1/50へと上げると程よい感じに。1/50秒あれば、50mmレンズ程度なら手持撮影が可能です。更にISO800〜の高感度が許容できれば、余裕をもって手持撮影可能です。
本例の様な状態では、ライトと被写体の距離が1m程度であれば手持ち静止画撮影は可能です。
ちなみに光量は1mで1500ルクス以上の値を示し、スペック通りの性能でした。
手ブレについては、カメラの手ぶれ補正性能、被写体ブレの可能性など、撮影環境によって異なります。ストロボやモノブロックと比較すると、どうしても光量は低くなるので、静止画撮影では三脚も用意しておいた方が安心です。
逆光での補助光として
意地悪なシチュエーションですが、逆光での撮影です。
わたしは、普段ライト1灯とレフ板で撮ることが多いですが、今回は2灯活用し被写体の斜め左右から照らます。
⬆︎ 窓から春の光が射し込む昼下がり。露出は背景のカーテンレースがギリギリ白飛びしない程度に設定※します。
※あくまでもヒストグラム上での設定なので、実際は白飛び状態に見えるかもしれません。
⬆︎ 左右のライトの輝度を変更し撮影。この様な場合①の様に背景を生かす(猫は暗くなる)か、それとも被写体(猫)を適正露出にするかの2択ですよね。
またこの様に強い逆光では、天井のダウンライトは殆ど効果無しです(②参照)。③〜⑤にかけてざっくりと左右のLEDの輝度を変えて撮影してみました。60WのRGB168には不利な条件ですが、なかなかの健闘ぶりです。
⬆︎ ⑤アンダー気味ですが、窓から挿し込む光に馴染んだ自然な印象に仕上がりました。
照明の効果がリアルタイムで判別出来て楽だね。
ストロボは、慣れない間は光の加減に苦労しますが、LEDライトでは照明効果を把握しながら効率よく撮影出来ます。
天井バウンス〜お子さんの撮影にも
⬆︎ RGB168 左右2台で天井バウンス
お部屋でお子さんの撮影する際、直接光は避けたいもの。そんな場合、天井バウンスは有効な手段です。(但し、天井の色合いがダーク系だと効果はありません。)
明るく思える室内でも、ブレずに撮るには明るさが足りなかったり、部屋のライトでは、納得できる肌の色合が出ない場合もあります。
天井バウンスはお子さんの目に負担軽減に役立ちます。ストロボ光では、自然な表情を収めることが難い場合も多いですよね。
LEDライトは常時発光なのでシャッターチャンスも逃しません。
前出の例と同じ被写体を、RGB168左右2灯のバウンス光で撮影したのが下の画像です。
⬆︎カーテンを閉めた状態。肉眼でうっすらと被写体を認識出来る程度の明るさ。
⬆︎左:100% 右:0% の状態 〜 ISO800 SS1/25 F4 で適正露出
こちらはISO800と高めの設定に。SS1/25 F4では手ブレ・被写体ブレの恐れがありますが、感度か絞りを1段上げれればSS1/50はいけるので、手持ち撮影は可能です。但しお子さんが動き回る状態だと被写体ブレの方も心配。もう1段上げたいところですよね。
⬆︎左:100% 右:100% の状態 〜 ISO800 SS1/40 F4 で適正露出
左右100%発光すると、シャッタースピードは1/25から1/40へと速くなりました。1/40あれば広角〜標準域では手振れ防止は可能です(但し被写体ぶれには注意が必要です)。
どちらにしろこの様な状況では、F2.8以上の明るいレンズを用意しておいた方が良いでしょう。
室内撮影用として〜120°のビーム角度で広い範囲を照らせる
昼間のキッチンをRGB168で1灯で照らします。
下の画像はライト照射前(輝度0%)と照射後(輝度100%)です。かなり生活感のある画像ですが・・・。
⬆︎ Before:輝度0%
ISO400 SS1/30 F6.3
⬆︎ After:輝度100%
ISO400 SS1/30 F6.3
カメラ側の設定は以下の通り。
- ISO400 SS1/30 F5.6
窓光が極端にトーンジャンプしない程度にカメラの露出を設定。その後徐々にライトの輝度を上げたのが以下の画像です。
ライト1灯のみでもかなりの明るさで、動画撮影には十分な光量を確保出来ます。またパネル照射角が120°とワイドなので、広い範囲が自然に照らされました。
料理を美味しそうに演出
レシピ動画や写真でもライトを使い美味しく見せたいですよね。本製品は演色性(TLCI 97+)に優れ、料理にも安心して使用可能です。
映像制作用ビデオライトの演色性はTLCI95〜98が基準になっています。
・1灯で照らす
まずはライト1灯を惣菜の斜め後方から照射し、輝度0%と100%とで比較。
1灯のON・OFFだけでもかなり印象が変わりました。
⬆︎ Before:輝度0%
ISO800 SS1/15 F5.6
⬆︎ After:輝度100%
ISO800 SS1/15 F5.6
・2灯で照らす
次はお惣菜の前方に1灯追加し照らします。
前方からの光で表面のチーズのテカリが増し、美味しそうに見えていると思います。
⬆︎ ISO400 SS1/25 F5.6 1灯撮影
⬆︎ ISO400 SS1/25 F5.6 2灯撮影〜表面のテカリが増した。
まとめ
以上NEEWER RGB168 LEDビデオライトのレビューでした。
最後にRGB168がおすすめの方、そうでない方についてまとめます。
- 照明機材はミニマムかつシンプルにしたい
- 映像に色演出を取り入れたい
- 初めての照明機材に
- コスパも重視したい
- とにかく大光量が必要
- バーンドアやソフトボックスが必要
- 静止画撮影での使用がメイン
まずがコレさえ有れば基本的なライティングはOK
最近はLEDライトの種類が豊富でどれを購入したら良いか迷いますよね。もしも動画のウェイトが高ければ、必要な機能が詰め込まれたオールインワンのRGB168はとてもおすすめです。
付属のライトスタンドも十分使えますし、優れたアプリコントロールも心強く、ワンオペ撮影の強い味方になるはず。
注意点としては、ストロボ光の様な大光量を要する場合や、色演出に一手間加えたい場合は、大光量で拡張性の高いモノブロック型LEDライトも検討した方が良いでしょう。またRGB168では、バーンドアやソフトボックスの取り付けは出来ません。
また2台セットで4万円弱の価格はかなり魅力的と言えます。通常はライト1台分の価格で、2台でスタンド付きなので正直驚きです。
長期間使用していないので、耐久性は未だ分かりませんが、普段の使用で不安は感じていません。
やはり内蔵ディフューザーと演出照明機能を最大限活用するのがRGB168の肝と言えます。映像制作に必要十分な機能・性能を備えており、手元に有ると何かと役立つLEDライトで、今後の使用機会が増えそうです。
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