今回はNikon Z6Ⅲの『プリキャプチャー機能』の設定方法と注意点についての備忘録です。シャッターを切る前の光景も撮影・記録(プリ連写記録)してくれる」夢のような機能。ニコンZ9・Z8や他メーカー機でも既に搭載されてる機能で特に目新しさはありませんが、せっかくなので試してみました。
野鳥など連写系の撮影が少ない私にとって、初めプリ連写記録にはあまり興味が湧かなかったのですが・・・実際に使用してみたら面白くてハマってしまいました(笑)。
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プリキャプチャー機能とは?
- シャッターを切る直前(半押し時)の光景も遡り記録してくれる
- レリーズモードは電子シャッター「ハイスピードフレームキャプチャー +」
- 記録方式はJPEGのみ、撮像範囲はDXフォーマット(APS-C)
- 記録時間に制限あり
要は「シャッターボタン半押しで画像の保存開始」➡︎「全押しで最大1秒前までの画像を遡り保存」してくれる機能で、撮影モードは「ハイスピードフレームキャプチャー +」を使用します。
「プリキャプチャー」は「ハイスピードフレームキャプチャー +」の拡張機能的な感じかな。
カワセミの水面ダイブなど、シャッター全押し時点で時既に遅し・・・悔しいですよね。水滴が落ちる瞬間を捉えるときも、シャッターを押すタイミングは結構難しい!
どんなに反射神経が優れていても、シャッターボタンを押して記録された画像は過去のモノ。それがシャッター全押し前の最大1秒前まで遡り画像を記録してくれるのだから夢がありますよね。勿論シャッター半押しをキープし過ぎるとバッテリーは消費しますが、決定的瞬間を逃すリスクは大幅に削減されます。
とても便利な機能ですが、JPEGのみの記録(RAWは不可)や、撮影範囲が一部ドライブモード(C120)ではDXモードになるなどの制限もあります。
- 超高速連写機能 C30(30コマ/秒)・C60(60コマ/秒)・C120(120コマ/秒)で連続撮影可能
- 電子シャッターを使用
- 撮影可能時間:最大4秒間
- 撮影範囲が制限される
- C30・C60:FXまたはDX
- C120:DXのみ
- 画質モード:JPEGノーマル
- 感度の上限:ISO64000
- CFexpressかXQDカードが有った方が良い(250MB/s以上)
他にも注意点はありますが、必要と思われる部分だけ挙げています。
設定方法
『プリキャプチャー』の設定方法の大まかな流れは下記の通り。
- カスタムメニューの【d 撮影・記録・表示】から「プリ記録」と「レリーズ後の記録時間」を設定
- 【レリーズモードボタン】からドライブモード「C30/C60/C120」に設定
1.カスタムメニューの【d 撮影・記録・表示】から「プリ記録」と「レリーズ後の記録時間」を設定
カスタムメニュー【d 撮影・記録・表示】を選択
【プリ記録時間】の設定
※シャッターボタン全押し以前の記録時間を設定
ここでは仮に【1d 1.0秒】で設定
【OFF なし】だとプリ記録されず
次に【レリーズ後記録時間】を設定
※シャッターボタンを全押し後の記録時間のこと
任意の秒数を設定
ここでは【1秒】に設定
2.【レリーズモードボタン】からドライブモードの設定
「ハイスピードフレームキャプチャー +」の設定
カメラ本体左上の【レリーズモードボタン】を押し、ドライブ選択メインコマンドダイヤルを回す
ここでは仮にC60で設定
これで主な設定は完了
背面モニターの右上に”PRE”アイコンが表示されていたら、プリキャプチャーが起動状態です。(EVFでは画面下部に表示)
見づらいので拡大したのが下の画像
見えます?
老眼だと見えない・・・
動体撮影センス無しが試すプリキャプチャー
私は動きモノを撮影する機会はほぼ無いのですが、折角なのでプリキャプチャー機能で身近な被写体を追ってみましてた。
鳥や虫の飛翔シーン、挑戦してもまともに撮れた経験無し。こんな私でもプリキャプチャーでトンボが飛び立つシーンを捉えることが出来ました。1000枚強撮影し、中で使えそうなの画像は数枚でしたが・・・(笑)。
▲ [Z6Ⅲ+Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S] ISO6400 F6.3 SS1/1250 C60
トンボの飛び立つ瞬間もそこそこキャッチできて嬉しい。しかし相手が動き出すまでカメラを構えているのは筋力・体力的にキビシー!三脚や一脚を使用しないと個人的にはもう無理かなと。
▲ [Z6Ⅲ+Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S] ISO6400 F6.3 SS1/3200 C60
蝶が飛び立つ瞬間も捉えることができた。ピントはちょい甘いですが自己満足感は得られました(笑)。外気温30°の中、1分程半押ししていましたが熱停止することはありませんでした。但しカメラから取り出したCFexpressカードは熱々で少々怖かったです。
まとめ〜折角なので一度お試しを!
- 普段連写しない方にも使ってほしい
- 画像データの枚数は膨大になる
- 折角ならRAWデータにも対応して欲しかった
普段動きモノや連写撮影しない人間にとって、「プリキャプチャー」での撮影は手軽にワンランク上の技術を楽しめる機能かと。私の場合、自分の力ではなくカメラに撮ってもらっている感じでしたが、折角ならこの力を借りるのもアリかと。
C60で前後1秒に設定したとしても、ワンカットで単純計算120枚・・・データ量が増えるのは覚悟が必要です。と言いいつつ、RAWで記録出来たら更に良かったかもしれません。
性能的にはハイスピードカメラには及びませんが、趣味ならC120でもかなり楽しめそうなので、タイムラプス動画の制作にも使用してみたいと思いました。「プリキャプチャー」、折角搭載されている機能なので一度はお試しください。