我が家のカミさんは長らくNikon D750 を使用してきましたが、最近 Z6へと変更を考えているご様子。その理由は現在の私の愛用機SONY α7Ⅲが小型軽量で使いやすそうに見えたからの様です。
正直なところ、奥さんは「ミラーレス」という言葉自体は知っていますがその意味について分かりません。ましてやD750が「ニコンFマウント」でZ6が「Zマウント」であることも知る由はありません。
さてこのままの状態で機種変更をして良いものでしょうか?
まあ、良いのではないでしょうか。
機械的なことなど分からなくても、ミラーレス機を購入することにより今までと違う撮影が出来る事にカミさんなりに気づいたからなのでしょう。とても感覚的な理由なのですが、理屈ばかり捏ねてさっぱり良い写真を撮れない自分より遥かに正しい購入動機だったりして・・・。
そうは言っても知らないと困る最低限の事もあるので、購入前に伝えておいた方が良いことをカミさんに分かり易い様に書いていくのが今回の記事の趣旨になっています。
まずは両機の大まかな違いを見てみましょう。
Z6 と D750 の簡易比較
Z6 | D750 | |
タイプ | ミラーレス | レフ機 |
マウント | Zマウント | Fマウント |
バッテリー | EN-EL15b | EN-EL15 |
撮影可能枚数 | ファインダー:310枚 液晶:380枚 | 1230枚 |
ライブビュー | ◎ | ○ |
タッチパネル | ○ | × |
記録メディア | XQDカード | SDHCカード SDカード SDXCカード |
手ブレ補正 | 有り | なし |
インターフェイス | USB Type-C、miniHDMI | USB2.0、HDMI |
シャッタースピード | 1/8000 | 1/4000 |
液晶モニター | 3.2インチ 122.9万ドット | 3.2インチ 210万ドット |
重量 | 585g | 750g |
それでは以下に重要と思われるポイントについて書いていきます。
ミラーが無くなり困ることは無い
「プロ用途ではやはりミラーの着いたレフ機じゃなくっちゃ」というご意見もあるかと思いますがここはアマチュアレベルの話なのでご了承ください。
この鏡は何故についていたのかな・・・
まあ、もう無くなるものなので知らなくてもいいよね。でも一応簡単な漫画を描いておくね!
一眼レフの場合、ファインダーに写る被写体は、以下の経路で光が通っていくことにより見えるものになります。
- ミラー→ペンタプリズム→光学ファインダー
では何故に被写体を構成する光がイメージセンサーに届くのでしょうか?
それはシャッターを押した瞬間に、図面オレンジの点線の様にミラーがパコーンと倒れます。そうする事によりミラーにより遮られていた光がセンサーに届けられるのです。この動作が D750 では最速1/4000という高速スピードで行われるなんて凄いですよね。
一方のミラーレス機の光の経路はというと、ミラーが無いので常にセンサーに照射されている事になります。
ミレーレス機は複雑なミラーボックスと高価なペンタプリズムがなくなる事によって従来のレフ機よりも小型・軽量化が可能になっています。
ライブビューとタッチパネルで撮影スタイルが変わる!
大好きなD750だけど、ライブビュー撮影がし辛いよ・・・(涙)
うん。AFの仕組みによるものなんだけど、ライブビュー撮影でのAF動作は遅くなってしまうよね。
これは D750 では像面位相差AFが搭載されておらず、ライブビュー撮影時にはコントラストAFでピント合わせをするためです。詳しい説明は避けますが、AFの仕組み上、D750のライブビュー AFは遅くならざるを得ないのです。
像面位相差AFについて気になる場合は、検索すると沢山出てくるので調べてみてくださいね。
ライブビューAFの速さの違い
一眼レフを使用する時、明るい光学ファインダーでの撮影はとても快適ですよね。光学ファインダーのみで撮影する方は問題ないことなのですが、私の場合は一眼でも背面液晶撮影を多用しています。CANONのEOS5Dmark4などはデュアルピクセルCMOSのお陰でライブビュー撮影も快適でしたが、D750は残念ながらそうはいきません。
D750でのライブビュー撮影ではシャッターを押してからピントが合うまで、もう一呼吸必要になります(ピントの精度は問題ありません)。よって撮影にテンポが求められる時や、コンテニュアスAFで被写体を追う撮影には向いていません。
一方のZ6では像面位相差AF搭載によりライブビュー撮影でも素早いAFが期待できます。と言うか液晶画面と液晶ファインダーしかないので基本ライブビュー撮影ですよね。
光学ファインダーでは出来なかった撮影スタイルが可能に
ニャンキーは SONY α7でよく液晶画面を見ながらローアングル撮影しているよね・・・。私もしたかっけどD750ではライブビューでのAFが遅くて出来なかったよ。
Z6 にしたら私もそんな撮影も出来るかな?
勿論!その点はミラーレス機のメリットだよね。ローアングル撮影がし易いと、お花やテーブルフォトでもとても使い易いんだ。
親戚の子供たちの撮影も背面液晶だと表情を見ながら撮影できて良さそうだね。ファインダー越しからだと泣かれちゃうこともあったからね。
光学ファインダーは見やすくて快適ですが、構造上位置が固定されてしますのが難点でした。これがチルト可能な液晶画面でのライブビュー撮影であれば、撮影の自由度は飛躍的に高まります。
上の会話にもある様に、低い撮影ポジションが必要な場合以外にも、ファインダー越しの撮影のように、相手に威圧感を与えず撮影するこのも可能です。きっと撮影の幅が広がりますよ。
Z6ではボディ内手ぶれ補正機能が搭載
今までのNikonの一眼レフカメラは、ボディに手ぶれ補正がついていませんが、Z6に関してはボディに手ぶれ補正機能がついています。
単焦点レンズには手ぶれ補正機能が装備されていないものが多いですが、Z6 ではこういったレンズも手ぶれ補正機能の恩恵に預かることができる様になります。オールドレンズを使う方にもメリットですよね。
興奮すると手ブレが多くなってしまうので、わたしには重要な機能だね。
まずは静かにシャッターを切ることを心がけてね・・・
手振れ補正機能をボディー側とレンズ側のどちらに持たせるかは、各メーカーの設計思想によって違っていて、これらのどちらが優れているかは一概に語れません。私の主観ですが、望遠レンズの場合はレンズ側での手ぶれ補正の方が有効な感じがするのですが、この辺はあまり気にしなくても良いレベルだと思います。
マウント変更により、レンズの一部機能が使えなくなることも
マウントはカメラのボディにレンズを取付ける丸い部分でいいのかな?
そうだね。これまでNikonのレフ機はFマウントだったけど、ミラーレスではZマウントに形状が変わったんだ。困った事にマウントに関してはカメラメーカー各社大きさなどの規格が異なるんだ。
私が今までD750で使用していたレンズは使えるのかな?正直レンズまで新しく買うのは大変だよ(涙)
大丈夫!レンズとカメラの間にアダプター(マウントアダプター FTZ)を取り付ければOK!
トンちゃんのようなユーザー向けにZ6ではマウントアダプター同梱キットも発売されているからね。
ここで注意したいのがNikonのレンズはFマウントの中で更に3タイプに分かれているということです。これはレンズとボディの通信方式の違いによるものです。以下はその種類を簡単にまとめたものです。
タイプ | AFモータ | 備考 | |
Eタイプ | 最新 | ○ | 2015年位から |
Gタイプ | 古い | 機種による | 現在では一番流通量が多い |
Dタイプ | 古い | 機種による | 絞り環が付き |
さらにG・DタイプはレンズによってAF対応レンズであってもAFモーターが内蔵されていない製品があり、その場合はマウントアダプターFTZを使用してもAFは対応していません。
AFで撮影するにはレンズにモーターが内蔵されているレンズを使わなくてはならないんだね。
トンんちゃんのレンズはモーターが内蔵されている比較的新しいレンズが多いからAFは大丈夫だよ。
昔のレンズをAFで動かしたい場合は買う前に注意が必要だね。勿論マニュアルフォーカスで撮影するなら大丈夫けどね。
Nikonは古いユーザも大事にしてくれるメーカーで、レンズのライフサイクルはかなり長めです。20年以上前に発売されたレンズやマニュアルフォーカスレンズがまだ店舗で新品で販売されたりしています。その反面レンズの規画自体も少々複雑になっている面があります。
撮影可能枚数は減ってしまう
ミラーレス機を購入するにあたって、この点が一番ネガティブな点かもしれません。私もレフ機のEOS5DmarkⅢを使用していてSONYのα7を追加購入した時には、バッテリーの減りが早い事に驚いてしまいました。
カタログ上でのZ6の撮影可能枚数はD750の1230枚に対して310枚(ファインダー使用時)と役四分の1の少なさです。
職場のイベントとか撮影しているとは300枚を超える枚数になる場合もあるし、予備バッテリーは必須だ!
そうだね。通常の撮影枚数を事前に認識しておくことは必要だね。トンちゃんでも予備バッテリーは2〜3本は用意しておいた方が良いよ。
プロと違い持っていくボディは一台のみなので、バッテリーは直ぐに交換できる様にしておいた方が良さそうですね。「バッテリーなんて交換すれば良いだろう」と言われることもあるのでですが、イベント等で撮影に追われる時には不便な点です。
幸いな事にNikonのバッテリーEN-EL15は他社と比べて比較的安価です。
Z6の記録メディアは新規格XQDカード
Z6では今まで馴染みのるCFカードからXQDカードに変更になっています。
XQDカードを買わなくては!それも結構いいお値段だわ〜。価格に見合う高性能なメモリーカードなのかしら???
トンちゃんがD750で使用しているSDカードは最大読み込み速度が90MB/秒ほど。一方でXQDメモリーカードのそれは400MB/秒と約4.4倍の速さなんだ。
XQDメモリーカードはSunDisk・SONY・Nikonで制定された新しいメモリーカードの規格なのですが、今のところNikon機での採用のみです。
Z6でXQDメモリーカード程の能力が必要かは個人的に微妙に感じますが、構造的には丈夫になっているので、データのトラブルは減るかもしれませんね。
Z6 ボディ単体は軽量 マウントアダプター付けると D750と然程変わらず
以下は各機材の重さの比較です。
Z6 | FTZ | Z6+FTZ | D750 |
585g | 135g | 720g | 750g |
お店で触った時には凄く軽く感じたのに。でもこれは仕方がないね。
これはZマウント専用レンズを着けた時に期待だね!
まとめ
うん、大まかな違いは理解できたよ。購入後はとにかく使用して操作に慣れることだね。
一眼レフとミラーレスはボタン配置も異なるから多少の慣れは必要になるかもね。でも直ぐに慣れると思うよ。
以上購入前の簡単な下調べでした。D750 から Z6へと変更するにあたり、バッテリー能力以外は十分なスペックになっています。個人的に Z6 は D750 よりもワンランク上の機種に感じます。
最近では(2019.5.16)瞳AFの搭載など大掛かりなアップデートも行われており今後もNikonのミラーレス一眼は期待できそうですね。
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