マイクロフォーサーズのメリットの一つににマクロ撮影のしやすさが挙げられますが、実際に魅力的なマクロレンズが多数ラインナップされています。
今回はパナソニックの標準マクロレンズLUMIX G MACRO 30mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.について実写を交えながらレビューしていきます。
一般的にマクロレンズは標準・中望遠・望遠マクロと3タイプに分類されますが、本レンズは35mm判換算60mmの標準マクロに位置します。本格的なマクロ撮影はもとより、日常で使いやすい距離なので単焦点レンズとしても使用可能です。さらに重量が180gと超小型軽量なので、カメラに付けっ放しにしても良し、プラスαの一本としてバッグに忍ばせておくことも可能です。まずはスペックと外観から見ていきましょう。
スペック・外観
スペック
焦点距離 | 30mm |
焦点距離(フルサイズ換算) | 60mm |
最短撮影距離 | 0.105m |
最大撮影倍率 | 1.0倍(35mm判換算:2.0倍) |
大きさ(径×長) | 58.8×63.5 mm |
重量 | 180g |
フィルター径 | 46mm |
外観
デザインはシンプルで価格以上の印象。パナソニックのマイクロフォーサーズのレンズには上位規格としてライカDGレンズ群が存在するのですが、それらと同様のテイストで個人的には好感が持てます。
マイクロフォーサーズの単焦点レンズと考えれば少し大きめですが、インナーフォーカス式なので全長の変化はありません。
AF/MF切替スイッチ・手振れ補正スイッチ・距離目盛は無し
割り切った造りなのでAF/MF切替スイッチは装備されていません。私が使用している本体G9 Proではボディ本体にMF/AF切替スイッチが装備されているので特に不便を感じることがありませんが、機種によっては必要性を感じることがあるかもしれません。
また手振れ補正機能スイッチ装備されていないのでカメラ側で操作する必要があります。距離計は個人的には欲かったところですが、無ければ無いで逆にシンプルで良いのかもしれません。
付属レンズフードは無し
レンズフードは付属していません。また別売りのオプションもありません。
と言うのも本レンズの最短撮影距離は10.5cm(撮像面から)なので、等倍付近での撮影ではレンズ先端と被写体の距離は殆どありません。
最短撮影距離のワーキングディスタンスのイメージは下の解像感チェックの写真を参考にしてください。マクロ撮影時にレンズフードを装着すると逆に邪魔になってしまうレベルなのです。
但し本レンズの場合マクロ以外での用途も考えられるので、自分はラバーフードを装着しています。ラバーフードですと折り畳み出来ますし、ガラス面越しに撮影する場合も便利なんですよね。
金属マウント
マウント部はきっちりと金属マウントです。
解像感チェック
腕時計を最短撮影距離付近で撮ってみました。ピントはSEIKOのロゴにオートフォーカスで合わせています。
F2.8
F4.0
F5.6
F8.0
F2.8では周辺部に若干甘さがありますが中央付近は十分に改造しています。F4.0まで絞れば周辺部も十分過ぎるほど解像しています。中央部中心の撮影やスナップではF2.8でも実用可能な写りですね。
オートフォーカス 早く正確
筆者は以前「マクロレンズはマニュアルでもいいかな・・・」という考えでしたが、最近ではマクロレンズは絶対オートフォーカス必要派です(笑)
確かにマクロ専用ではマニュアルフォーカスのみでも十分撮影可能です。しかしマクロ以外の撮影の場合、レンズ繰出しの為フォーカスリングを回す量が大きく結構大変なのです。視力が衰えAFで合わせた方が結果が良いというのもあるんですけどね・・・。
作例
ボケは素直で自然
折角のマクロレンズ。やはりズームレンズよりも綺麗なボケであって欲しいですよね。本レンズのボケはかなり素直で使い易いです。
標準レンズとして使い勝手の良い距離感
本レンズは35mm判換算で60mm。自分は単焦点では50mmレンズを使うことが多く60mmという距離は初めてですが、10mmの差は殆ど違和感なく、撮影に打ち込むことが出来ました。
但し普段35mm単焦点で慣れている方には少し狭く感じるかもしれませんね。
日本家屋のかまどに火がともされ、屋内に満たされた煙に朝の光が差し込んだ瞬間です。光と影のコントラストをうまく捉えてくれました。
炎の揺らぎはいつとっても不思議と飽きないんですよね。
手桶に生けられた寒椿を撮影してみました。しっとりとした描写で木の温もりが伝わってきます。マクロレンズらしくシャープな写りで背後の木目もキッチリと描写されています。
藁靴が並んでいました。小さな靴がなんとも可愛らしいです。背後のボケも自然で美しいです。
食べ物の記録にも便利!
小型のカメラボディに取り付ければ取り回し取り回しが良いのでキッチンやカフェでの食べたものの記録でも大活躍です。
ちょっと趣向を変えて生魚の写真を。生の質感が伝わってきますでしょうか。
久々に美味しかったチーズケーキ!こんなシチュエーションでは標準マクロが便利ですね。
まとめ
標準ズームの次にマクロレンズの購入を検討するケースは多いかと思います。
マクロレンズは接写して大きく撮るのが目的というイメージが先行しますが、スナップや風景写真など他の撮影用途に十分使用可能です。
自分の場合は35mm判換算の中望遠マクロも使用しているのですが、中望遠マクロは意外と使用頻度が低かったりします。もちろんこれは使用目的によるものなのですが、日常の記録用として標準域のマクロの本レンズは軽い・早い・写り良しの3拍子が揃ったレンズなので持ち出す頻度はかなり高くなっています。
マイクロフォーサーズをお使いの方にとって、かなりオススメのマクロレンズなのです。
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