ポータブル赤道儀(ポタ赤)特にポラリエUで使用し易いおすすめの雲台を考えていきます。
星景写真と言っても、撮影対象によって最適な機材はかなり異なります。
今回は星と景色を絡めてた星野写真で使いやすい雲台を検討していきます。
本記事は専門機材を揃えた撮影を考えている上級者向けではありません。
手持ちの機材を活用し、ポタ赤を使った撮影を気軽に楽しみたい方向けの内容になっています。
まずは自宅で仮セッティングしてみよう!
もし既に雲台を持っているのなら、まずは自宅で手持ちの機材でポータブル赤道儀をセットしてみましょう。
使用するカメラやレンズによっても妥協出来るレベルが異なってきます。
さらに模擬的に室内で極軸合わせを何度か試して下さい。現状での問題点をきっと感じるはずです。
私は、ポタ赤購入→そのまま撮影現場で組み立ての暴挙に出たのですが、暗い場所での初めてのセッティングはかなり大変でした。
写真はポラリエUに強化オプションを取り付けた状態です。気になる方は別記事を読んでみて下さいね。
雲台より下のセッティング〜水平が一番重要(だと思う)
室内での極軸合わせでは感じ辛いのですが、三脚の水平が取れている状態での極軸合わせは非常に楽。
一方、屋外の不整地の場合、三脚で水平を合わせるのは結構大変です。
雲台より下の部分で水平を簡単に合わせることができれば、星野写真での極軸合わせは楽勝です。
そんなレベル合わせの強い味方、レベリングベースは是非使用したいアイテムです。
それでは雲台の検討に行ってみましょう。
主観で使いやすさを★でランク付しています(最高は★5つ)。
それと使用する赤道儀によって使い易い雲台は変わってくるので、今回はポラリエUの使用を前提にしていることをご承知ください。
微動雲台 ★★★★★
星を撮るなら微調整しやすい微動雲台がやはりオススメ。
ビクセンの雲台ではこちら。ポラリエUのクランプはアルカスイス互換なのでこちらの雲台でガッチリセットが可能です。
ポータブル赤道儀を使用する場合、必要な雲台の動きはティルト(上下の角度)とパン(水平)方向だけなので、これらの動きに特化した製品は使い易いです。
本格的に撮影に取り組みたい、または現場でのセッティングをスムースにしたい方は、天体望遠鏡専門店さんで販売されている微動雲台をチェックしておいた方が良いでしょう。
大体微動雲台、星の撮影には最高なのですがロール方向の動作が無いので、通常撮影の割合が多い方が購入する際にはこの点を認識しておいた方が良いでしょう。
ギア雲台 ★★★
微調整機能に特化した雲台、それがギア雲台です。
ギア雲台の良い点は、3-WAYやモノボール雲台とは異なり、位置決めをした後にロックする必要が無い点です。
これは雲台の性能にもよるのですが、3WAYやモノボール雲台ではロック後にずれが生じることが往々にしてあります。
私は以前ギア雲台を使用していましたが、ガタが発生してしまい現在は使用していません。これは個体差や私の使い方の問題も多大にあると思います。
なので、現在の手持ち雲台がギア雲台で特に使用上の問題が無ければ、まず試してみるのは良いと思います。ガタさえ発生しなければ非常に使いやすい雲台です。
ただし積載荷重が上がるとギア雲台は結構高価なので、星景撮影の為にわざわざ新調するのは自分だったら躊躇うことでしょう。
色々と物色するとこんなギア雲台もありました。
ベンロのギア雲台ですが、求め易い価格とプレートがポラリエUと同じくアルカスイス互換というのも強み。
暇と余裕が出来たら試しに使用してみたいです。
3-Way雲台・モノボール(自由雲台) ★★
一般的にはこれら2つのタイプ雲台を使用している方がほとんどだと思います。風景や記念撮影でも構図を決め易いですし、モノボールは可搬性にも優れていてます。
かく言う私もモノボールの愛用者、つい最近までモノボールの上にポラリエUをセットして撮影していました。
実際モノボールをメインに運用してみると、撮れないことは無いのですが細かな微調整は正直煩わしいです。
モノボールを使用する場合は、出来ればフリクションコントロールの効くタイプを使用した方が良いでしょう。
他に注意点としてな、微動雲台の項でも書いたのですが、水平と角度を決めロックすると雲台が動いてしまう場合があることですかね。
この辺も撮影に出る前に自宅でセットし確認しておくことをオススメします。
ビデオ雲台 ★★★☆
マンフロットビデオ雲台のプレートもアルカスイス互換に変更すると便利ですよ。
最近使用頻度が高いのがビデオ雲台です。本来動的な表現に向いているビデオ雲台、静的撮影の星景写真とは用途が異なりますが意外と使えます。
野鳥撮影でビデオ雲台を使用する方も多いですよね。
私の様に動画も撮りつつ、星景写真も撮りたい人には向いていると思います。
ビデオ雲台の問題点はその大きさでしょう。
キャリーバッグで行ける撮影場所であれば良いですが、山間部でリュック背負っての撮影ではかなり大変。(これを言ったら本格的なビデオグラファーの方に怒られてしまうかもしれませんが。)
また大型故に重心が上になり、それなりに頑丈な三脚が必要になります。
システマチック三脚を使用している方であれば検討しても良いと言えます。
私が使用しているのがこちらのマンフロットのMVH502AH。価格もそれほど高くなく、ちょっと見かなり立派。でもよく見るとプラスチック感満載(笑)ですが、実用的には十分。プロ向きではありませんがコスパが非常に良い雲台です。
まとめ
やはり専用の微動雲台を導入出来ればベストですが、一年を通して星の撮影が出来る日数は多く無いんですよね。
雲台には様々な種類がありますがそれぞれ一長一短。
今回はポラリエUを基準にしましたが、専用雲台を設定しているポタ赤も存在します。
こればかりは使う側の好みもあるのでまずは手持ちの雲台で撮影してみることをオススメします。
構図決めの後、ズレずにロック出来る雲台であれば何とかなるので、そこから次のステップに進めば良いのではないでしょうか。
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