高性能・高機能レンズ保護フィルターの効果を、実際の撮影データと一緒にチェックしていきます。
とっても高いレンズプロテクター売られているよね。
アレ、実際の効果ってどうなん?
実は、今まで深く考えたことがなかったんだよね。
最近思うことがあり、今回検証してみようと思う。
そう言えば、いつも安っすいフィルターばかり使っているよね。
- 高性能レンズ保護フィルターを使用した場合の効果を検証。
- 更にその必要性について考えてみる。
別記事におすすめの保護フィルターをご紹介しています。
保護フィルターについて、考える理由
レンズ保護フィルターは取り敢えず付けとく派でしたが・・・
今まで、レンズ保護フィルターは、『プロテクターは必要だけど、高級な高性能タイプは必要ナシ』というスタンス。
しかし、自身の環境でもデジタル化と高画素化が進み、写真の撮り方や画像データの扱い方も変化すると、細かな点まで配慮する必要性も出じてきたんですよね。
今回、新レンズ(SONY FE 24-70mm F2.8 GM II )の導入にあたり、レンズの性能を最大限引き出す為、保護フィルターについても新たに検討することになったのです。
折角の大三元レンズ、その写りを最大限活かせるフィルターが欲しいよね。
レンズ自体のコーティングも高性能だからね。
これはちょっと考えねば。
そもそもレンズプロテクターの必要性について疑問をお持ちの方はこちらの記事もご覧ください。
そもそも『高性能保護フィルター』とは?
値段が高いほど高性能なんだよね?
うん・・・まあ・・・・
保護フィルターの性能を決める上で、必要な要素をざっと掲げてみました。
全て重要な機能ですが、プロテクター選びの際に『反射率』の表示を見る機会は多いと思います。
反射率ってスマホやPCの液晶保護フィルターでも目にするよね。
反射率1.6%とか。
ガラス面から返えされる光が少ないほど、カメラに届く光の量が多くなるということだね。
中にはケンコー ZXⅡ のように超低反射 0.1% の性能を誇るタイプも!
今回はこちらのプロテクターも使ってみるね。
またレンズ本体の反射防止コーティング技術も、各社しのぎを削っている部分。フレアやゴーストを軽減してくれたりと、とても重要な技術です。
レンズコーティングではニコンのナノクリスタルコートなどが有名だね。
テスト撮影してみた
数種類の保護フィルターを使用
面反射率 0.5% 高性能フィルター
面反射率 0.3% レンズメーカー純正高性能フィルター
面反射率 0.1% 超高性能フィルター
今回は以下の条件(保護フィルター非装着の状態と数枚のレンズ保護フィルターを装着して撮影)で比較してみます。
- カメラ SONY α7RⅣ
- レンズ SONY FE 24-70mm F2.8 GM II フィルター径 82mm
- 保護フィルターなし
- HAKUBA SMC-PRO LENS GUARD✳︎1・・・・・ 面反射率 0.5%
- FUJIFILM プロテクトフィルター PRF-82✳︎1・・・面反射率 0.3%
- Kenko ZX II プロテクター✳︎1・・・・・・・・・・面反射率 0.1%
- (参考)古い保護フィルター✳︎2・・・・・・・・・ 面反射率 0.5%
✳︎1最近新品購入したフィルター
✳︎2デジタル対応マルチコートタイプ 何度も拭き取り等行ったユーズド品
効果を確認するために、通常撮影ではあり得ない極端な条件での撮影データもあります。あくまでも参考としてご覧ください。
あんた、面反射率はどの程度を目安にフィルター選んでいるの?
あくまでも主観だけど、面反射率0.5%程度で十分という認識。
今回いろいろとチェックしてみよう!
LEDライト光を撮影(PART1)
いきなり現実離れしたデータですが、屋内でLEDライトを撮影しました。
露出によってゴーストの出方も変化するので、まず(PART1)でアンダー目の画像で、次に(PART2)で露出オーバー目のサンプルのチェックをしていきます。
※一部画像はFlickrでオリジナルの撮影データをご覧いただけます。
赤枠部分を拡大したものが以下の画像です。
拡大写真を見てもあまり違いはわからない・・・
でも『古い保護フィルター』の画質は良くないね。
よーく見比べると僅かな違いはあるんだけど、
実用上は気にしなくても良いレベルとも言えるね。
しかし『古い保護フィルター※』の画質が悪いのにはびっくり!
流石にこれは交換時期だね。
※一応撮影前にフィルタークリーニングを行なっています。
今回の一番の驚きは『古い保護フィルター』での画質の劣化具合でした。
実際は『古い』よりは『使い切った』の表現の方が正しいのですが・・・
PLフィルターの使用期限だけでなく、レンズプロテクターの定期的なチェックも必要ですね。
漠然と比較写真を並べましたが、これらのクラスのフィルターであれば、どれも十分なレベルに感じます。
「保護フィルターの影響で、写真の完成度が著しく損なわれた!」と感じることはそうないと思います。
LEDライト光を撮影(PART2)
折角の高級フィルター、このままでは悔しいので別の画像で比較してみましょう。
分かりやすくするために、元データから2段アップした画像を使用します。
こちらの画像の赤枠部分を拡大したのが以下の画像です。
念の為一枚にまとめてみました。
やはりフレア・ゴーストは『フィルター無し』が一番少ないですね。
そしてKenko ZX II のフレアはかなり軽減されていて驚きでした。予想通りこちらが一番優秀でした。
ここは大きく差が出たね。
Kenko ZX II 恐るべし!
但し他のフィルターも十分な性能を持っており、特にHAKUBA SMC-PRO LENS GUARDのパフォーマンスの高さを感じさせられたテストでした。
参考までに『古い保護フィルター』のデータもご覧ください。
ハロ祭りの様相で、なかなかの劣化具合でしたね(汗)
色収差をチェック
次は色収差の具合を見てみましょう。
背景は無理やりLED光です。随分エグいデータですが、参考まで。
最近オールドレンズばかり使用していたので、やたらフリンジが少なく優秀に感じますが、パープルやオレンジ色のいや〜な感じは認識できる状態です。
上の画像の赤枠部の比較をまとめたのが下の画像です。
やはり『フィルター無し』の画像が一番スッキリとしていて、他の画像は収差分花がと茎のラインが太くなった印象を受けます。
保護フィルター装着時の各画像の差はほぼ感じられず。
またこの画像では保護フィルター有り・無しの違いは(自分にとっては)無視出来るレベルでした。
どのフィルターを選んでもいい感じ。
解像具合チェック
最後のサンプルは解像感チェックです。
ちなみに写真は自宅で育てているユリの花です。今年は暑いせいかワンサカと咲いては、あっという間に散りそうです。
例のごとく上の写真の赤枠部分をまとめたのが下の画像です。
こっ、これは・・・
アンタ、どうしたん?
全く違いが分からん!
セルフでブラインドテストしてみましたが、私如きではこれらの画質の違いが分からず!
解像感にしても色合いにしても、フィルター装着によるネガな部分は感じませんでした。
ついでにもう一枚。
こちらの比較は3枚のみですが、正直違いはわからないです。
まとめ
【画質面】特殊な条件で高性能フィルターの効果は感じられた
撮影データ上では【LEDライト光を撮影(PART2)】のような特殊な状況下では高性能フィルターの効果を実感できました。
特に今回使用した中で一番高額のKenko ZX II プロテクターの効果はかなりすごかったです。
Kenko ZX II プロテクターは高性能というよりも、超高性能タイプだね!
但し【LEDライト光を撮影(PART2)】の撮影データは、あえて極端に露出を上げて判別できているので、普通に撮影を楽しむ方にとっては必要ない条件とも言えます。
【使い勝手面】製品の造りの差はある
フィルター枠の触感、ネジを回す時の感覚もそれぞれ違いがある
画質面の他、製品の造りの違いも感じました。
特に、フイルター枠を回転する時のネジの感覚は結構異なります。
Kenko ZX II プロテクターは、ねじ込みがサラサラはまるつけ心地が心地良かったです。
レンズプロテクターは、一度はめたら付けっぱなしの方も多いと思いますが、フィルター交換を頻繁に行う方は高性能タイプを使うメリットは確かに感じました。
またフィルター枠を触った感触もKenko ZX IIが一番優れていました。
確かにKenko ZX IIの枠はツルツルではなく、ホールドしやすい肌触りなんだよね。
うまく伝えられないけど、あっしもそう感じたよ。
ガラスの取り付け方にも各社違いが
またガラスの組み付けに関しても各社違いを感じました。
HAKUBA SMC-PRO LENS GUARDはガラスの平面性を保つために、組み付けにあえて遊びを持たせている感じ。
一方、Kenko ZX IIは『フローティングフレームシステム』というかなり特殊な受け方をしており、遊びを感じない組み付けだけど、ガラスの平面性は保たれているという・・・かなり凝った造りになっています。
更に詳しく知りたい方は、ケンコーさんのオフィシャルサイトを見ると色々と面白いですよ。
高性能フィルターはどんなユーザー向き?
面反射率0.1%の超高性能プロテクターが必要な場合も
一括りに高性能フィルターと言っても、スペック・価格面でそれぞれ異なります。
中でもKenko ZX IIの様な超高性能タイプは、「価格に見合った効果を得られるのか」といったように、購入時に一番迷うタイプのアイテムではないでしょうか。
Kenko ZX IIはできる限り良質の画像データを保存したい方におすすめです。
加工を前提とした素材としての写真、収差を生じる可能性が高い夜景の撮影などが多いレンズには、Kenko ZX IIを装着する価値は十分あると今回のテストで実感しました。
面反射率0.5%で実用性十分
日常での殆どのシチュエーションでは、面反射率0.5%クラスのプロテクターで十分に感じました。
私は会社のイベントや親戚の子供たちの撮影で、フィルターを汚してしまうことが多いんだよね。そこそこの性能で手頃なプロテクターが良いかな。
価格も安いし特に不満点が見つからないプロテクターだよね。
薄枠で広角レンズでの使用もOKでした。
レンズメーカー純正の安心感も
レンズと同じメーカーを選択するのも勿論アリ。
僕のFUJI X100Vにはこちら(サイズ違い)を取り付けているよ。
フジフィルムの『スーパー EBC コーティング』と 面反射率0.3%!
更にメーカー純正の安心感だね。
更にX100Vでは防水性能を確保する為に、純正フィルターの使用が推奨されているんだよね。
富士フィルムのプロテクトフィルターの造りは、薄枠ではありません。がっしりと堅牢な作りです。
勿論画質の影響が少ないプロテクターですが、
まとめの「まとめ」
以上高性能保護フィルターについてチェックしました。
繰り返し申しますが、特段のこだわりがなければ、今回ご紹介した面反射率0.5%クラスのフィルターで十分です。(十分高性能です!)
しかしながら、面反射率0.1%級の超高性能フィルターは、フィルターを選びの悩ましい存在・・・
しかし撮影スタイル・対象によっては、やはり持っていた方が良い場合があるのも事実です。
また精神衛生上の安心感も得られます。
でも通常は面反射率0.5%のタイプでも十分だし高性能だね!
他に撥水加工の有無など、自分の撮影スタイルに応じて選ぶのが一番だね!
レンズ保護フィルターの価格差は大きく、購入時にかなり迷ってしまいますが、撮影スタイルや使うレンズに応じて無理なく選んでくださいね。
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