Apple iPhone 15シリーズ(15 / Plus / Pro / Pro Max)の中で、カメラの性能(静止画)で選ぶならどのモデルが良いか検討します。
写真の撮り方、編集方法は人それぞれですよね。今回はiPhoneでじっくり・しっかり写真(作品も)を撮りたい方向けの内容です。どちらかと言えば少数派向けの記事かもしれませんが参考になれば幸いです。
結論は、iPhone 15 Proが個人的にオススメです。
そんなこと言ってiPhone 15 Pro Max 買ってたよね。
カメラよりも画面サイズを優先させました。
私は15 Pro Max を選択し、大画面の使い勝手の良さにはとても満足。しかし肝心のカメラに関しては望遠120㎜に結構苦戦中です。まあ自分の距離ではない、ただそれだけのことなのですが・・・。
※本記事の焦点距離はフルサイズ換算です。
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基本性能の比較
一応写真撮影に関わる基本的なスペックを確認しておきます。iPhone15とiPhone15 Plusはディスプレイサイズ以外は同じ性能なのでまとめて記載しています。
ここは読み飛ばして頂いてOK
ディスプレイ〜サイズ以外ほぼ同じ性能
15 Pro Max | 15 Pro | 15 (Plus) |
---|---|---|
6.7インチ | 6.1インチ | 6.1インチ(6.7インチ) |
Super Retina XDRディスプレイ | Super Retina XDRディスプレイ | Super Retina XDRディスプレイ |
ProMotionテクノロジー | ProMotionテクノロジー | – |
常時表示ディスプレイ | 常時表示ディスプレイ | – |
HDRディスプレイ | HDRディスプレイ | HDRディスプレイ |
2,796 x 1,290px 解像度、460ppi | 2,556 x 1,179px 解像度、460ppi | 2,556 x 1,179px 解像度 460ppi (2,796 x 1,290px 解像度、460ppi) |
2,000,000:1コントラスト比 | 2,000,000:1コントラスト比 | 2,000,000:1コントラスト比 |
True Toneディスプレイ | True Toneディスプレイ | True Toneディスプレイ |
広色域ディスプレイ(P3) | 広色域ディスプレイ(P3) | 広色域ディスプレイ(P3) |
最大輝度1,000ニト(標準) | 最大輝度1,000ニト(標準) | 最大輝度1,000ニト(標準) |
ピーク輝度1,600ニト(HDR) | ピーク輝度1,600ニト(HDR) | ピーク輝度1,600ニト(HDR) |
ピーク輝度2,000ニト(屋外) | ピーク輝度2,000ニト(屋外) | ピーク輝度2,000ニト(屋外) |
ディスプレイの美しさは撮影のモチベーションにつながりますよね。画面サイズ以外の違いは『Promotionテクノロジー』と『常時表示ディスプレイ』程度、写真撮影に必要な性能差は無いと考えてて良いでしょう。
Androidスマホを含めると最強とは言えませんが、それでも十分ハイスペックな部類に属します。憧れの”Pro Display XDR”を彷彿とさせるP3色域対応(Adobe RGB”対応ではありませんが)、写真に必要な色域は十分カバーされています。ピーク輝度2,000ニトは一眼カメラの背面液晶よりも明るく外でも見やすいです。
チップ性能ではPro(Pro Max)が優れるが・・・
15 Pro Max | 15 Pro | 15 (Plus) |
---|---|---|
A17 Proチップ | A17 Proチップ | A16 Bionicチップ |
6コアCPU 高性能コア2・高効率コア4 | 6コアCPU 高性能コア2・高効率コア4 | 6コアCPU 高性能コア2・高効率コア4 |
6コアGPU | 6コアGPU | 5コアGPU |
16コアNeural Engine | 16コアNeural Engine | 16コアNeural Engine |
SoCとしては、3nmプロセス製造の”A17 Proチップ”の性能は際立っています。単純比較は出来ませんが、ベンチマーク上はM1に近くPCレベルと言って良いくらい。”A16 Bionic”については、最近まで”A15 Bionicチップ”搭載の13 Pro Maxを使用していた自分からすると、写真撮影、画像処理的には何の問題は無いと想像します。
カメラ性能の比較
RAWとマクロ撮影機能の有無に注意
15 Pro Max | 15 Pro | 15 (Plus) |
---|---|---|
アダプティブTrue Toneフラッシュ | アダプティブTrue Toneフラッシュ | True Toneフラッシュ |
Photonic Engine | Photonic Engine | Photonic Engine |
Deep Fusion | Deep Fusion | Deep Fusion |
写真のスマートHDR 5 | 写真のスマートHDR 5 | 写真のスマートHDR 5 |
次世代のポートレート フォーカス機能と被写界深度コントロール | 次世代のポートレート フォーカス機能と被写界深度コントロール | 次世代のポートレート フォーカス機能と被写界深度コントロール |
ポートレートライティング 6つのエフェクト | ポートレートライティング 6つのエフェクト | ポートレートライティング 6つのエフェクト |
ナイトモード | ナイトモード | ナイトモード |
ナイトモードのポートレート | ナイトモードのポートレート | |
フォトグラフスタイル | フォトグラフスタイル | フォトグラフスタイル |
マクロ写真撮影 | マクロ写真撮影 | |
Apple ProRAW | Apple ProRAW |
iPhone15シリーズを(カメラ性能で)選ぶ際のポイントとして『マクロ写真撮影』と『Apple ProRAW』、『ナイトモードのポートレート』の必要性が挙げられます。
RAWデータが必要ならProだね。
▲ マクロモードもProのメリット
これらの機能が備わるのは15 Pro Max と15 Proのみ。特にRAWデータは、PhotoshopやLightroomなどのアプリで編集・レタッチをする方にとって重要です。またiPhoneで生成されるコンピュテーショナルフォトグラフィーの画像とは別の絵を求めるなら、やはりRAW対応モデルの方が良いでしょう。
と言ってもiPhoneで造られるHEIF形式の画像は十二分に綺麗ですし、ファイルサイズも軽くてすみます。勿論レタッチも可能ですし、撮影後の細かな処理が必要ないならRAWにこだわる必要はなくiPhone15(Plus)で十分でしょう。
RAWデータはファイルサイズが大きくいデメリットもあるよ。
あとはiPhone内で生成される画が好みかどうかにもよるね。
画角面での考察 〜 望遠120㎜の必要性は?
iPhoneの薄い筐体に光学120㎜のカメラが収められていること自体驚きですよね!コレはテトラプリズム方式・・・つまり4回A光を屈折させて距離を得る構造で、(詳しい理論は筆者の理解の範囲を遥かに超えているので割愛します)とにかく気合の入ったユニットであることは間違いありません。
しかし!アップル肝煎の5倍120mm、自分には使えるシチュエーションが少なく悩みの種です。
とりあえず120㎜の焦点距離がどんな感じか、下の画像をご覧ください。iPhone 15 Pro Maxで13mm/24mm/48mm/120mmで撮影しました。
13mm 超広角
24mm 広角
48mm 望遠(と言うか標準)は使いやすい画角と言えます。
120mm 望遠(デカっ!)
これも個人的見解なのですが、iPhone 15 Pro Max では48㎜と120㎜の焦点距離の間が開きすぎ、望遠77㎜が使える15 Proの方が強烈に羨ましくなります。
一眼カメラだと120㎜付近(100㎜や135㎜)はポートレートレンズとして用いる場合が多いよね。
120㎜ではお子さんやモデルさんからの距離も離れてしまい、77㎜の方が常用しやすいかも。
以下に各機種の特徴を焦点距離に絞ってまとめておきます。
iPhone 15 Pro Max・・・120㎜に魅力を感じたら一択
超広角 | 0.5倍 | 13mm・F2.2 | 12MP | |
メイン | 1倍 | 24mm・F1.78 | 24MP/48MP | ・第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正 |
1.2倍 | 28mm | 24MP | ||
1.5倍 | 35mm | 24MP | ||
望遠 | 2倍 | 48mm・F1.78 | 12MP | ・第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正 ・クアッドピクセルセンサーを活用 |
望遠 | 5倍 | 120mm・F2.8 | 12MP | ・3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正 ・テトラプリズム |
これまで望遠120㎜に対しネガティブな表現が多くなってしまいましたが、あくまでも個人的な尺度での話。5倍望遠の圧縮効果を活かした撮影も可能ですし、ポートレート撮影が得意な方にとっては魅力的な焦点距離なのは間違いありません。ボケが必要ならポートレートモードも有りますしね。
▲ 120㎜ ポートレートモードで撮影。毛のボケ方は不自然さも有るが、撮影と同時にここまでの処理を行う能力は凄いの一言。この辺は今後更に進化する部分なのでしょうね。
iPhone 15 Pro・・・バランスの取れたスペックでイチオシ
超広角 | 0.5倍 | 13mm・F2.2 | 12MP | |
メイン | 1倍 | 24mm・F1.78 | 24MP/48MP | ・第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正 |
1.2倍 | 28mm | 24MP | ||
1.5倍 | 35mm | 24MP | ||
望遠 | 2倍 | 48mm・F1.78 | 12MP | ・第2世代のセンサーシフト光学式手ぶれ補正 ・クアッドピクセルセンサーを活用 |
望遠 | 3倍 | 77mm・F2.8 | 12MP | ・光学式手ぶれ補正 |
使いやすい焦点距離が揃っているiPhone 15 Pro Max。特に2倍48㎜の次に3倍77㎜が控えているのは、普段カメラを使っている人間からするととても自然に感じます。
RAWもマクロ撮影にも対応出来て死角が無く、予算が許せば一番に検討したいモデルと言えます。
iPhone 15(Plus)・・・RAW・望遠域が必要なければ十分過ぎるスペック
超広角 | 0.5倍 | 13mm・F2.4 | 12MP | |
メイン | 1倍 | 26mm・F1.6 | 24MP/48MP | ・センサーシフト光学式手ぶれ補正 |
望遠 | 2倍 | 52mm・F1.6 | 12MP | ・センサーシフト光学式手ぶれ補正 ・クアッドピクセルセンサーを活用 |
RAWデータや望遠域が必要なければiPhone 15(Plus)で十分です。
超広角・・・風景や建築物もワイドに収められる。
▲ 参考画像 別カメラiPhone 13 Pro Maxの超広角13㎜ で撮影→Lightroomでレタッチ
メイン・望遠・・・スナップや日常の記録はほぼこれらの焦点距離で事足ります。
▲ 参考画像 別カメラiPhone 15 Pro Maxの48㎜ で撮影。iPhone15(Plus)の52㎜と数は若干異なりますが、使い勝手はあまり違わないはず。日常の記録やスナップは大体こ26㎜と52㎜の2つがで賄えます。
結論:カメラの性能メインに考えるならiPhone15 Proがおすすめ!
13mm(iPhone15 Pro Max)
24mm(iPhone15 Pro Max)
120mm (iPhone15 Pro Max)
普通に写真を撮ってシェアして楽しみたい方は通常のiPhone 15(Plus)で十分過ぎるほど実用的。無理してProシリーズを購入する必要はありません。
もしRAW撮影や細かなレタッチが必要な方はiPhone 15 Pro がおすめ。焦点距離の並びも理にかなっているし、一眼カメラが無い時にやる気になるのもこちら。普段カメラをやっている方は、やはりProの方が後悔しないと思います。
15 Pro Max も決して悪くはないのですが、120㎜を本気で使おうとすると、画角以外にも露出やフォーカスの設定の追い込みにストレスを抱えることも。『3Dセンサーシフト光学式手ぶれ補正』は優秀ですが、やはりブレには気を使います。筆者は老眼対策で已む無く15 Pro Max を使用していますが、カメラとしてのおすすめを問われればやはりiPhone 15 Pro が使いやすいことをお伝えして終わりにしたいと思います。
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