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【初心者】ソニー α7RⅣ 電子先幕シャッターのメリット・デメリット〜露光ムラなど

フォト造りTools

 ちょっとした設定ミスが写真の取り返しの付かない結果を招く・・・今回は『電子先幕シャッター』使用時の問題点について、私の過ちを踏まえながらお話していきます。

今回は私が使用中のソニーのα7RⅣを例として書いていきますが、基本的な構造は他の機材でも似ているので参考になれば幸いです。細かな点まで掘り下げると大変なので、初心者でもおおよそが分かる程度の説明になっています。

ちなみにα7RⅣのシャッターの仕様は以下の通りです。

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SONY α7RⅣ シャッター仕様

形 式電子制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター
シャッター速度範囲静止画撮影時:1/8000-30秒、バルブ、
動画撮影時:1/8000-1/4 (1/3ステップ)、AUTO 1/60まで、オートスローシャッター1/30まで
フラッシュ同調速度 *21/250秒
電子先幕シャッター●(入/切)
サイレント撮影●(入/切)
出典:SONY α7RⅣ 仕様表

意味不明の単語が並んでいるかと思います。今回のトピック『電子先幕シャッター』について触れる前に『フォーカルプレーンシャッター』について、簡単に説明しましょう。

フォーカルプレーンシャッターとは?

機械式(メカニカル)シャッターの種類の一つに『フォーカルプレーンシャッター』があります(他にはレンズシャッター等が有るのですが今回は割愛)。仕様書では『電子制御式縦走り・・・』となっていますが『横走り』の機種も存在します。言葉よりも、まずは超簡単な下の図をご覧ください(雑でスミマセン・・・)

露光状態

左の図が画像が記録される状態です。いわゆる、シャッター解放状態。
まずは『センサー』(CMOS撮像素子)の上下に『後幕』と『先幕』が有ることをご確認ください。

これからどの様にして左の図の様な露光状態になるのか図解していきます。

スタンバイ状態

シャッターボタンを押す前のスタンバイ状態。『センサー』は『先幕』の後ろに隠れています。

レリーズ→先幕移動

シャッターボタンを押すと『先幕』が下がる

露光状態 シャッター幕解放状態

『センサー』光が当たり画像として記録される

後幕移動

後幕』が下がる

露光終了

『センサー』は『後幕』の下に隠れ露光終了

スタンバイ状態に戻る

次の撮影に向けてスタンバイ状態に戻った

上の図の様なスタンバイ状態は(デジタル)一眼レフカメラの場合。ではなぜ一眼レフでは『センサー』が隠れた状態でファインダー(光学ファインダー)から被写体を認識出来るのか?、それは「レフ(レフレックスreflex)=光の反射板(ミラー)」のお陰。

ファインダーからはミラーに反射された被写体を見ている。シャッターを押すとミラーがパタンと倒れてセンサーに光が当たる(露光する)

今まで主流だった一眼レフカメラに代わり最近多いミラーレスカメラ。このミラーレスとは上記のミラーとペンタプリズムが省かれた機材のこと。

迷い猫
迷い猫

このミラー部周辺はとても精巧な造りなんだけど、機材内で結構なスペースをとっていたんだ。
ミラーとペンタプリズムが無くなることによって現在の小型軽量なミラーレスカメラが有るんだね。

それではミラーレスカメラのスタンバイとはどの様な状態なのでしょうか?

ミラーレスカメラのスタンバイ状態

ミラーレスカメラのスタンバイ状態は常にセンサーが露出している状態。つまりレフ機で言えば露光状態ですね。これによってライブビュー画像として常に被写体が見えることになります。

それでは、この状態でシャッターボタンを押すと『先幕』・『後幕』はどの様な動きをするのでしょうか?ここで登場するのが『電子先幕シャッター』です。

電子先幕シャッターとは?

ソニーのサイトに分かり易い解説が有りましたので引用させて頂きました。

電子先幕シャッター機能は、先幕シャッターをイメージセンサーの電子制御でおこなう機能のことです。

通常、一眼レフカメラに搭載されているフォーカルプレーンシャッターは、 イメージセンサーの前側(レンズ側)に先幕と後幕と呼ばれるメカニカル(機械式)の2枚のシャッター幕を使用しています。

透過ミラーを搭載している製品やミラーレスの製品は、撮影前にライブビュー表示している間、 シャッターが開いているため、シャッターボタンを押した時に先幕シャッターを1回閉じた後に開いて露光を開始し、 設定した露光時間(シャッタースピード)だけイメージセンサーに光を当て、後幕シャッターが閉じて露光を終了しています。

電子先幕シャッター機能では、先幕シャッターの動作をイメージセンサーの電子制御に持たせることで メカニカルな先幕シャッターを動作させずに、イメージセンサーが電気的に露光を開始し、後幕シャッターを閉じて露光を終了させています

電子先幕シャッター機能を使うことで、メカニカルな先幕シャッターの動作がないので、 シャッターボタンを押してから露光を開始するまでの時間(レリーズタイムラグ)を短い時間で撮影することができます。

SONY 電子先幕シャッター機能とは何ですか?(α:アルファ)
露光状態 解放状態

先幕』は移動しない!

先幕』シャッター(メカニカルシャッター)は動かさずに、センサー上で擬似的に『先幕』シャッターと同様の動きを電磁制御で行い露光する

露光終了

後幕』シャッターが動いて露光終了

スタンバイ状態に戻る

後幕』が戻りスタンバイ状態(つまりライブビュー状態)に戻った

いががでしたか?基本的にはセンサーの前には『先幕』と『後幕』があって、この二つでセンサー露光状態をお膳立てしています。更に『電子先幕シャッター』では本来「先幕」が担当するメカニカル動作をセンサーの電磁制御に任せ、物理的に動くは『後幕』のみということが理解できてればOKです。

『電子シャッター』とは?

α7RⅣでは『電子先幕シャッター』他に『電子シャッター』機能が搭載されています。この『電子シャッター』では『先幕』『後幕』の両方が動作しません。それ故シャッターショックやシャッター音が無い、無振動・サイレント撮影が可能に。メカニカルな動きによる振動が発生しないので、とても優れた機能と言えるでしょう。

高速シャッターの場合は幕の動きがチョット変わる

実はこの様な幕の動きをするのはSS1/250以下の低速シャッターの場合。冒頭のシャッター仕様表で『フラッシュ同調速度』の項目が有りますが、この数字が運命の分かれ道に。α7RⅣの場合SS1/250より高速のシャツター速度では下の図のように幕の動き方が変わります。

図フォーカルプレーン方式の場合で、『先幕』と『後幕』でスリットを作り露光する

センサーで走査(スキャン)する様な感じですね。

迷い猫
迷い猫

上の図の状態でフラッシュを発光してもセンサー全体に光は届かないよね。
だから『フラッシュ同調速度』の制限が有るんだね。
では1/250より早いシャッタースピードでフラッシュが使えないかと言うとそうでは無く、HSS(ハイスピードシンクロ)と言う方式で発光可能。但しHSS機能は全てのストロボで使える訳ではなく、発光量も落ちてしまうので完全ではないんだ。

電子先幕シャッターの制御は各社異なる

電子先幕シャッターのメリット
  • レリーズタイムラグの短縮
  • シャターショックによるブレの低減
  • シャッター音が小さい

この『電子先幕シャッター』の制御に関してはメーカー各社様々。ソニーの場合レリーズタイムラグの短縮を目的としていて、『電子先幕シャッター』機能がONだと全ての速度で『電子先幕シャッター』撮影されてしまうのです。

また一般的には物理的(メカニカル)な幕の動きは『後幕』だけなので、レリーズ時のショックが半分で済むことになります。超高画素のα7RⅣの様なカメラの場合是非活用したい機能ですね。問題が発生しなければ!

「レリーズタイムラグの短縮」や「シャッターショックの低減」などのメリットがある『電子先幕シャッター』ですが、その一方注意点もあり、取説では以下の記載されています。

電子先幕シャッターの注意点

大口径レンズを装着して高速のシャッタースピードで撮影する場合玉ボケなどにシャッターによる欠けが生じることがあります。その場合は、[切]に設定してください

他社製レンズ(ミノルタ/コニカミノルタ製レンズを含む)を使用するときは、[切]に設定してください。[入]に設定すると、適正露出にならなかったり、画像の明るさにムラが出たりします。

高速のシャッタースピードで撮影する場合、撮影条件によっては画面の明るさにムラが出ることがあります。その場合は[切]に設定してお使いください。

SONY ILCE-7RM4 ヘルプガイド

電子先幕シャッター使用上の注意点としては「高速シャッター撮影時に玉ボケの欠けムラが発生する場合がある」みたいですね。試しに以下の「大口径レンズ」で『電子先幕シャッター』を「切」と「入」で撮影してみました。絞りは解放F1.4 シャッター速度SS 1/8000です。

カメラを固定し『電子先幕シャッター』を「切」と「入」で撮影してみました。

α7RⅣ SEL50F14Z F1.4 SS1/8000 ISO200
電子先幕シャッター比較画像
電子先幕シャッター 左:切 右:入

分かり易い様に猫の顔部分を拡大。

左:切 右:入

かなり激しい露光ムラが発生。ボケ具合が全然違っていて『電子先幕シャッター』「入」の状態では画像が縞々状態に。

玉ボケ比較

画像右上の草のボケ具合を比較してみます。

『電子先幕シャッター』
電子先幕シャッター 左:切 右:入

玉ボケに口径食が発生している画像で申し訳ないのですが、「入」の場合欠けが発生したり、歪な形状になってしまいました。ではどの位のシャッタースピードだと露光ムラを回避出来るのでしょうか?

露光ムラが少なくなるシャッタースピードは?

SS1/2000
SS1/1000
SS1/500
SS1/250

SS1/2000ではまだかなり大きな露光ムラが発生している状態。SS1/1000で少し目立たなくなりSS1/500では大分落ち着いて見えます。実際に使えそうなのはやはり「フラッシュ同調速度」であるSS1/250より遅いシャッタースピードになりそうですね。

猫の画像だけでは飽きてしまうので別なサンプル画像も上げておきます。全て『電子先幕シャッター』「入」フラッシュ発光で撮影しています。

FE50mmF1.4ZA ƒ/1.4  SS1/8000 ISO200
電子先幕失敗例
FE 50mmF1.4ZA ƒ/2.8 SS1/8000 ISO640
電子先幕失敗例-2
FE50mmF1.4ZA ƒ/2.0 SS1/60  ISO200
電子先幕失敗例-3

やはりSS1/8000の高速シャッターでは露光ムラが発生してしまいました。3枚目の写真はSS1/60の低速シャッター撮影なので『電子先幕シャッター』「入」の状態でも露光ムラは見受けられません。

他に起こりうる事象

ローリングシャッター歪みが発生の恐れ

今回初めて出すワードに『ローリングシャッター』があります。この意味はCMOSセンサー上を垂直方向(上〜下)に一辺ごと走査(スキャン)し露光する方法のこと。と言うことは『電子先幕シャッター』でも『ローリングシャツター』方式で走査しているということですね。

CMOSセンサーの上段〜下段の走査には時間差が生じることになります。さてこの状況下で被写体が高速に動く場合はどうなってしまうのか?

走っているブタさん(のつもり)を撮影

「ローリングシャッター」機構で走査(スキャン)

上から下へラインごとにデータを読み込み(露光)しますが、センサーの上〜下では必然的に時間差が発生してしまいます。

歪んだ画像になってしまった!!!

これが「ローリングシャッター歪み」ですね。

ひょっとしたらこの様な写真を撮ってしまった経験があるのでは無いでしょうか?この奇妙な歪みの発生が『ローリングシャッター』の問題点なんですよね。

この問題を解決してくれるのが『グローバルシャッター』。こちらはセンサーの全領域を1発でキャプチャする方式です。ある意味理想的とも言えるのですが未だアマチュア向けの機材には搭載されていません。そろそろ一般向けカメラにも『グローバルシャッター』搭載機が来そうな感じもするのですが、さてどうでしょうか???うーん待ち遠しいです。

まとめ

結果として、α7RⅣでの高速シャッター撮影では『電子先幕シャッター』機能を「切」にするのが必須みたいですね。自分の撮影スタイルだと連写撮影することはあまり無いので、常時「切」にしようかと思うところ。しかしながらカメラが6100万画素に達する超高画素機の場合、画像への影響を考えると常時「切」にすべきか迷うところです。この辺は今後撮影しながら検証していきたいと思います。

今回はソニーα7R4を例にしましたが、シャッター制御の方法や性能は各社、またモデルによっても異なる場合があるので注意が必要です。ミラーレスカメラの購入検討時には、シャッター方式も是非チェックしてみて下さいね。

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