アドビ Lightroom Classic(ライトルームクラシック)の「カタログ」について解説です。
Lightroomのデータ管理方法について少々難しく感じている方もいらっしゃると思います。でも今回お話しする「カタログ」の概念を理解すれば結構スッキリしますよ。
「カタログ」の話に入る前に基本的なことをまず一つだけ。
それはLightroomでの画像編集では、元の画像は非破壊で行われるということです(非破壊編集)。
Lightroomの「カタログ」について、実際に「カタログ」を作成しながら理解する。
注意
Lightroom Classicの機能についての記事です。クラウドベースのLightroomについての記事ではございませんのでご注意ください。
非破壊編集〜Lightroomでは元画像に直接変更が加えられない
例えばインスタなどのSNSアプリで画像編集をした場合、レタッチやエフェクトなどの編集内容を確定保存しまうと、元画像に上書き保存されオリジナル状態には戻せなくなってしまいます(非可逆性)。
一方のLightroomではその様なことはありません。
ホワイトバランスを変えようが、極端に彩度を上げようが画像はいつでも元のオリジナル状態に戻すことが可能です(可逆性)。
失敗を恐れず現像やレタッチ作業出来るのは心強いですよね。
つまり、元画像を壊さずに画像編集出来る(非破壊編集)のがLightroomのとても大きな特徴です。
なぜ元画像に上書きすることなくレ各種編集情報が維持されるのでしょうか?
その答えが元画像とは別の場所に保存されている「カタログ」にあります。
この「カタログ」内には画像に纏わる様々な情報が納められています。
所謂、元画像に付帯する情報のデータベースですね。
私たちユーザーは「カタログ」内のパラメータを操作し画像編集・管理することになります。
カタログ「・・・ .lrcat」はデータベースの様な写真データの格納庫
「カタログ」の名称ではなく単に「画像編集データ格納庫」の様な名称の方が一般的に分かりやすいと思うのですが・・・まあそんな呼び名カッコ悪いですよね(笑)
要はホワイトバランスを変更したり、コントラストを上げたりした数値は全部データベースである「カタログ」内に保管されることになります。
カタログはいくつも作成できる
「カタログ」は幾つでも好きなだけ複数作成可能。
もちろん1つのカタログ内に全ての画像・動画データを入れ、タグ等で管理することも十分可能です。使い始めの頃は十分この方法で対応出来ます。
ただし画像数が多くなると、被写体やシチュエーション毎にカタログを作成した方が管理が楽になる場合もあります。
私の失敗談 一つのカタログに詰め込み過ぎて動作が重くなった・・・
実は私、1つのカタログ内で全ての枚数を管理していたら、動作が重くなってしまい管理方法を改めた経験があります。まあPCの性能もあるかもしれませんが・・・
Lightroomはおそらく2007年あたりから使用しているのですが、1つの「カタログ」で約20万枚以上のデータを管理していました。我が家はカミさんも写真を撮るので2人分だと更に枚数が多くなってしまい・・・なんか、1つの「カタログ」に過大な負担を掛けてしまってみたいで、動作は見事にもっさり状態に。使えないことはないんですけどね。
そんな訳で「カタログ」を複数作って管理することに。
「カタログ」の扱い方は人それぞれ。
例えば「乗り物」「ポートレイト」「風景」などシチュエーション毎や、「各種イベント」毎に細かく作成してもOKです。
私の場合、あまり細分化せずに撮影年毎に管理することにしました。かなりゆるい方法ですけど。
今回は例としてこの方法で実際画像を読み込ませながら「カタログ」について理解していきたいと思います。。
カタログはどこにある?
カタログは特に指定しなければ「ピクチャ」フォルダ内に作られます。
「.Ircat」の拡張子が付いたファイルが「カタログ」です。
ここでは「2020」のフォルダ内の「2020.Ircat」が「カタログ」ですね。
その他にも自動的にファイルが作成されています。これらはキャッシュやプレビューデータが自動生成されたものなので特段意識しなくても大丈夫です。
撮影年度毎でカタログを作成してみる
今回のお話していく管理方法のイメージは上の図の様になります。
例として「2020」など年度ごとで「カタログ」で分別する方法です。
繰り返しになりますが、これらの「カタログ」は「ピクチャフォルダ」内に格納された元画像には直接変更を加える事なく(非破壊)「カタログ」内に画像編集データを蓄積していくことになります。
言ってしまえば、この「カタログ」ファイル「・・・.Ircat」を誤って消去してしまったとしても、元画像自体は残っているということになります。もちろん画像の編集内容は消えてしまいオリジナルの状態ですが。
新規カタログの作成
カタログが無い状態でLightroomを起動する「カタログ」選択画面が表示されます。
ここではまだ何も表示されていませんが、こちらでまず使用する「カタログ」を選択します。
今回は「新規カタログを作成」を選択します。
「カタログ」に任意の名前をつけます。ここでは仮に「2020」としました。
タグは後からでも付けられるのでここでは空欄のままで「作成」に進みます。
備考
赤線で消した「Lightroom Library」のファイルが人によっては存在しているかもしれません。
こちらはクラウドベースの別ソフトLightroomのライブラリファイルです。Lightroom Classic(ライトルームクラシック)用のファイルではありませんのでご注意を。何だか紛らわしいですよね。
Lightroom CC用とLightroom Classic(ライトルームクラシック)の違いについては別記事にしていますのでご覧ください。
カタログに写真を読み込ませる【SHIFT+⌘+I】
今「カタログ」内は上の画像の様に空っぽの状態です。久々にスッキリしたLightroomの画面を見た感じです(笑)
これからSDカードから画像を直接登録する方法で進めていきます。今回は「カタログ」の概念を理解する為なので、画像の保存方法については触れる程度で進めていきます。
「カタログ」への画像登録方法は様々なので今後また別な記事に書く予定です。
メニューバー『ファイル』⇨『写真とビデオを読み込み』を選択します。
ショートカットは【SHIFT+⌘+I】です。
すると下の画像の様な読み込み画面が表示されます。
読み込み画面が表示されたら、画面左側の項目から順に設定していきます。
追加元の設定
読み込むデータの場所を選択します。
今回はSDメモリーカードから直接読み込みしたいので、赤枠の部分「Untitled」→「DCIM」のフォルダを指定しています。
画像の読み込み方法〜「コピー」を選択
今回はSDカード内の画像を別な新しい場所にコピーし「カタログ」に追加する方法を選択します。
保存場所は次に指定します。
保存先〜「ピクチャ」を選択
保存先はHD内の「ピクチャ」フォルダを指定しています。
初期設定ではピクチャが保存場所になっているはずですが一応確認してください。
もちろん外部ストレージに保存先を変更することも可能です。
これでSDピクチャーカード内の画像(正確には画像に関する情報)は「カタログ」内に読み込まれました。
それではフォルダ「2020」の中身を再び確認してみましょう。
画像データと「カタログ」の居場所は?
フォルダ「2020」内には「2020-12-06」の画像格納フォルダが新たに作成されていました。
こちらに画像が格納されています。
そして真横に見えている「カタログ」ファイル「2020.lrcat」内に画像の保管場所や様々なメタデータが入ることになります。
この様にデータベースである「カタログ」のおかげで画像を破壊することなく編集作業が行えると言うことになります。
更に新しいカタログを作成してみる
「2020」と別なカタログ、ここでは例として「2019」を追加作成してみましょう。
新規カタログの作成
メニューバー「ファイル」→「新規カタログ」を選択
新規カタログを含むフォルダを作成
新しいカタログを入れるフォルダを作成します。
今回は「2019」と入れて「作成」ボタンを押します。
するとLightroomが一旦終了して再起動します。
今までカタログ「2020」で作業していた画面が、新たに作成したカタログ「2019」での編集画面に変わって表示されます。
つまり「カタログ」は本棚の書籍の様にそれぞれ独立した存在なので、別「カタログ」内の画像データを編集する場合、Lightroomは一旦自動終了し、別の「カタログ」を基に再起動することになります。
「カタログ」の選択方法
「カタログ」が複数作成されましたが、選択方法はどうなるでしょうか?
初期設定では前回使用した「カタログ」が自動的に起動する様になっていますが、起動時に選択することも可能です。
ショートカット【⌘,】若しくはメニューバー「Lightroom Classic」→「環境設定」へ進みます。
「カタログ初期設定」を「Lightroomの起動時にダイアログを表示」にしておけば次回起動時に「カタログ」を選択できる様になります。
複数のプロジェクトを同時進行している方はこの設定の方が便利かもしれませんね。
勿論作業中の画面から変更も可能です。ファイル→「カタログを開く」【SHIFT+⌘+O】でも別の「カタログ」で起動可能です。この場合もLightroomは一旦再起動します。
まとめ
以上Lightroom Classicの「カタログ」について、実際に「カタログ」を作成しながら解説してみました。
この「カタログ」の仕組みを理解していると、安心して画像編集作業が行える様になり、更にデータ管理方法の幅が広がってきます。
またPCの引越しをする際にもこの仕組みを知っていればもう怖くないですよね。