大三元レンズ、写真(カメラ)好きならいつかは完成させたい組み合わせ。
大きい・重い・(価格が)高い大三元ですが、最近はそのイメージは変わりつつあります。
特にαEマウントにはソニー純正・タムロン・シグマの幅広い選択肢があり、大三元は身近なものになっています。
ソニー純正だけでなく、シグマとタムロンを組み合わせ使いやすいシステムを構築しよう!
今回はこれらの3社のレンズで大三元システムを構築し、効率的な撮影環境を考えてみたいと思います。
大三元レンズの特徴
大三元レンズとは?
まずは大三元レンズについて簡単におさらいを。
大三元とは、F2.8通しの広角・標準・望遠ズームレンズ3本を組み合わせたシステムのこと。
ソニー純正で揃えた場合はこちら。
特徴
広角16mm〜望遠200mmの使用頻度の高い焦点距離を、明るい3本のズームでカバーしているのが特徴です。
風景や日常撮影は大体このレンジで間に合うことが多く、とても合理的な組み合わせとも言えます。
でも、大三元では飽き足らず、超広角(望遠)・単焦点・マクロ更に魚眼レンズetc.など、どっぷり深みにはまって行くのですが・・・
大三元を中心に据えて、好みの1〜2本を付け加えるのも無理のないレンズの揃え方かもしれません。
最近は大三元の枠にとらわれないレンズも登場
最近ではタムロン35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)のように、今までの大三元の枠にとらわれないレンズも出現しています。
ポートレート撮影ではこんな1本が有ると心強いですよね。
無理に大三元にこだわる必要もないもんね。
自分が使いやすいレンズを使うのが一番
この傾向は今後続くと思うので、必ずしも終着駅が大三元である必要もないと思います。
また航空機や鳥撮などが専業の場合、大三元を揃える必要もないので、やはり用途に適したレンズを選ぶのが一番だと思います。
αEマウントで大三元を組むならこのメーカー
Eマウント参入メーカーは多いですが、大三元を組む場合は以下の3社に絞られます。
- SONY(ソニー)・・・・・・信頼の純正品
- TAMRON(タムロン)・・・純正には無い焦点距離・スペックで新しい撮影体験を提案してくれる
- SIGMA(シグマ)・・・・・3つのラインでレンズラインナップを構成、どれも侮れない性能
大三元候補を比較
下の比較表の通り、サードパーティ製だけで、伝統的な大三元と同じ焦点距離を揃えることは現状ではできません。
昔の大三元標準ズームは28mm始まりだったしね。
最近は従来の焦点距離に拘らないズームレンズも多いので、大体大三元ということで。
この辺は臨機応変に・・・という感じでの比較になっています。
以下に広角・標準・望遠の順でリストアップしてみました。
広角ズーム〜個性が光るModel A046
広角ズーム | SONY | SIGMA | TAMRON |
---|---|---|---|
機種名 | FE 16-35mm F2.8 GM SEL1635GM | 16-28mm F2.8 DG DN | 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046) |
焦点距離 | 16~35 mm | 16~28 mm | 17~28 mm |
開放F値 | 2.8 | 2.8 | 2.8 |
最短撮影距離 | 0.28m | 0.25m | 0.19m/0.26m |
最大撮影倍率 | 0.19 | 1:5.6 | 1:5.2/1:6 |
手ぶれ補正 | なし | なし | なし |
防塵防滴 | ◯ | マウント部※ | 簡易 |
重量 | 680 g | 450 g | 420 g |
フィルター径 | 82 mm | 72 mm | 67 mm |
実売価格 | ¥264,825 | ¥113,850 | ¥106,425 |
- 焦点距離:タムロンは広角端が17mm
- 焦点距離:シグマとタムロンの望遠端は28mm
- 最短撮影距離:タムロンの0.19mの近接撮影能力は魅力
シグマとタムロンは望遠端を28㎜に抑えていますが、広角端あたりの使用がメインの方にとっては特に問題を感じないかもしれませんね。逆に、28㎜化による小型軽量化の恩恵の方が大きいと言えます。
一番のポイントは、タムロンModel A046は広角端が16㎜ではなく17㎜であること。
数字上は単なる1㎜差ですが、広角側の1㎜は意外と大きく感じるかもしれません。
但し捉え方は人それぞれなので、17㎜に違和感を感じなければModel A046はかなり有力な選択肢になるでしょう。
超広角ズームの人気のレンズですが、単に私が比較するのが難しいだけの理由でリストに入れていません。出目金レンズにつきフロントフィルターは使えませんが、更に広角域が欲しい方にとっては使ってみたいレンズですよね。
標準ズーム〜飛び抜けた存在のSEL2470GM2
標準ズーム | SONY | SIGMA | TAMRON |
---|---|---|---|
機種名 | FE 24-70mm F2.8 GMII SEL2470GM2 | 24-70mm F2.8 DG DN | 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2(Model A063) |
焦点距離 | 24~70 mm | 24~70 mm | 28~75 mm |
開放F値 | 2.8 | 2.8 | 2.8 |
最短撮影距離 | 0.21m/0.3m | 0.18/0.38m | 0.18m/0.38m |
最大撮影倍率 | 0.32 | 1:2.9/1:4.5 | 1:2.7/1:4.1 |
手ぶれ補正 | なし | なし | なし |
防塵防滴 | 配慮 | 配慮 | 簡易 |
重量 | 695 g | 830 g | 540 g |
フィルター径 | 82 mm | 82 mm | 67 mm |
実売価格 | ¥267,300 | ¥117,730 | ¥91,610 |
- 焦点距離:タムロンは広角端28㎜
- 重量:ソニーは695gの脅威的な軽さ
標準ズーム選びは悩ましくて・・・各社かなりの力作揃いなんですよね。
特にソニーSEL2470GM2の前モデルからのブレークスルーは凄まじく・・・予算が許せば是非使ってみたいレンズです。
695gの重さはSEL24105G(663g)とあまり変わらず、気軽に持ち出せる大三元標準ズームになっています。
今回は、シグマ24-70mm F2.8 DG DNをSEL2470GM2との比較の為リストアップしましたが、28-70mm F2.8 DG DNも魅力的な標準ズームです。
望遠ズーム〜選ぶのが難儀すぎる2本
望遠ズーム | SONY | SIGMA | TAMRON |
---|---|---|---|
FE 70-200mm F2.8 GM OSS II SEL70200GM2 | 該当レンズなし | 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056) | |
焦点距離 | 70~200 mm | ————— | 70~180 mm |
開放F値 | 2.8 | ————— | 2.8 |
最短撮影距離 | 0.4m~0.82m | ————— | 0.85m(ズーム全域) |
(MF) | ————— | 0.27m/0.85m | |
最大撮影倍率 | 0.3倍 | ————— | 1:4.6 |
(MF) | ————— | 1:2/1:4.6 | |
手ぶれ補正 | ◯ | ————— | なし |
防塵防滴 | 配慮 | ————— | 簡易 |
重量 | 1045 g | ————— | 810 g |
フィルター径 | 77 mm | ————— | 67 mm |
テレコン装着 | ◯ | × | |
実売価格 | ¥297,000 | ————— | ¥123,750 |
- 焦点距離:タムロンは望遠端180㎜
- 最短撮影距離:両者とも近接撮影能力に優れる※
※Model A056はMF時にハーフマクロとして使用可能ですが、画面中央での使用を想定されています。詳しくはタムロンサポートページ参照
この2本は常識を覆した歴史的ズームレンズ!
確かに。
どちらが優れているとかではなく、両方使ってみたいよね。
革新的な2本のズームレンズ。
それぞれの登場時には驚かされましたが、今ではModel A056は私のお気に入りレンズの一つ。
- SEL70200GM2・・・全ての面に於いて妥協なく脅威的なアップデート
- Model A056・・・・望遠側180mmの潔い割り切りと、高いレベルで小型軽量化
両者とも、これだけでは語り尽くせないハイレベルなレンズ・・・どちらか1本選べと言われると・・・
- 望遠域を本格的に多用するなら・・・・SEL70200GM2
- 普段は広角〜標準域での撮影が中心・・・Model A056
当たり前ですみません。
自分は望遠ズームの使用頻度はそれほど高くなく、Model A056で十分満足していますが、勿論ガンガン使いたい方にも、Model A056はオススメです。
但しModel A056ではテレコンが使えないので、システムの発展性を重視すればSEL70200GM2を選択した方が良いでしょう。
これらの2本、余裕があればどちらをキープしても良いのではないでしょうか。
それにしてのシグマでこのレンジがラインナップされていないのは意外で驚きでした。
Aマウントでは有ったんだけどね。
ぼくもちょっと驚き。
おすすめ組み合わせ例(純正3本以外で)
あくまでも一例と言うことで。
どっぷりタムロンコース
- 広角・・・タムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)
- 標準・・・タムロン 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)
- 望遠・・・タムロン 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)
今現在一番経済的かつ合理的な組み合わせと思えるタムロンの3本。フィルター径67㎜で統一できるのも強みです。
妥協はしたくないけど、ちょっと様子見コース
- 広角・・・タムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046) or シグマ 16-28mm F2.8 DG DN
- 標準・・・ソニー FE 24-70mm F2.8 GMII
- 望遠・・・ソニー FE 70-200mm F2.8 GM OSS II
やはり安心安全の純正品を求めつつも、広角はそろそろ2型が出そうかな・・・とアンテナを張っている場合。広角はサードパーティで様子見でも良いかもしれません。
一点豪華コース
- 広角・・・タムロン 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046) or シグマ 16-28mm F2.8 DG DN
- 標準・・・シグマ 24-70mm F2.8 DG DN
- 望遠・・・ソニーFE 70-200mm F2.8 GM OSS II
資金を集中できれば、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIはやはり使ってみたい1本ですよね。
これがSEL2470GM2でも良いでしょうし、一番使用頻度の高いレンズを中心に考えるのもアリだと思います。
シグマかタムロンのどちらかを選ぶか迷うところですが、ここでは色味についてちょっと。
寒色系のシグマと暖かみのあるタムロンのイメージがありますが、感じ方には個人差があるのでサンプル等でチェックしながら検討した方が良いでしょう。私はシグマレンズに関してはすっきりとした色合いとシャープな印象を持っています。
まとめ
以上ソニーαEマウントで組める大三元についてでした。
私は、どちらかと言うと純正派だったのですが、最近ではサードパーティ製レンズを積極的に使用しています。タムロンではファストハイブリッドAFや瞳AFも機能するので、違和感なく使用することが出来ています。
純正レンズにはない独特の世界があり、知らずに通り過ぎるのは勿体ないレベルにあると思います。
伝統的な大三元レンズの重みと意味合いとはかなりズレた内容になってしまいましたが、様々な選択肢がある中で柔軟にシステムを構築するのも良いのではないでしょうか。
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