【レビュー】PENTAX FA645マクロ 120mmF4〜GFXでまだまだ現役

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ペンタックス645マウントのマクロレンズ「smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4」を富士GFX50SⅡで使用したレビューです。

結論としては、MFであることと、優しい色合いと描写が気に入ればマクロレンズとして申し分ない描写で、まだまだ現役で使えます。但し約5140万画素での話なので、約1億200万画素のGFX100S等をご使用の方は参考程度にご覧下頂ければ幸いです。

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迷うGFXのマクロレンズ選び

最近はレンズラインナップが充実したGFXですが、ちょっと困るのがマクロレンズ選び。純正「GF120mm F4 R LM OIS WR Macro」の写りの素晴らしさは富士のワークショップ等で体験済みですが、懐に厳しいですし、まして使用頻度が少ないマクロレンズとなると、そう気軽に手を出せなかったり。もしもハーフではなく等倍マクロだったら購入していていたかもしれませんが・・・。

にっこりブヒ
にっこりブヒ

フィルムのデジタイズにも使いたいし

にっこりねこ
にっこりねこ

やはり等倍マクロが欲しかった

そんな訳で使用中、PENTAX 645マウント

中判用マクロレンズは「Mamiya MACRO A 120mmF4」をはじめ選択肢は豊富ですが、私は「smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4」を選びました。理由は比較的新しくデジタルでも問題なさそうだから。正確な発売日は知りませんが、2010年前半あたりから撮影先で見かけけた記憶があり、現在(2024年9月現在)でも新品購入が可能です。また645ZとGFXのセンサーサイズはほぼ同一でケラれの心配が無いのもメリット。

にっこりブヒ
にっこりブヒ

フードのPENTAXロゴ、大自然で目立つんだよね

にっこりねこ
にっこりねこ

フードの存在感は強烈

※PENTAX 645Zは43.8×32.8mm、GFXは43.8×32.9mm

マウントアダプターは絞りリング付きが必要

レンズ本体の質量は735g。フルサイズの望遠マクロと比べ極端に重く大きい訳ではありませんが、マウントアダプターを付けるとやはり巨大です。

ここのツメを動かすと絞り羽根が動くが、バネで固定されない仕組み。

本レンズには絞りリングが装備されていますが、レンズ単体では絞り羽根が制御出来ないタイプなので絞り制御リング付きマウントアダプターを装着する必要があります。私はレンズ側とボディ側が2分割出来る「SHOTEN UMS」を使用しています。

参考記事
巨大フードは必要?〜Yes!

PENTAXの巨大ロゴが印象的なフードですが、これは装着すべきです。レンズの繰り出し長と合う仕様で、機材保護としても役立ちます。問題はこの巨大なブランドロゴ。カメラに興味のない同行者は引いてしまうことでしょう。逆に往年のペンタックスユーザー様からお声がけを頂く事が多くなりました(笑)。

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作例

では作例に続きます。芸術性は皆無なので、単なるサンプル写真としてご覧ください。RAWで撮影後Lightroomでフィルムシミュレーションを当てました。一部画像で露出補正を行っています。

ISO400 F4 SS1/90

開放は特段シャープとは言えませんが、適度に芯のある柔らかさ。開放での撮影も十分ありかと。この辺は開放からバキバキに解像する最近のレンズとは異なります。

下の画像は赤枠部分を拡大したもの。流石にフリンジは発生しますが個人的には気になるほどではなく。今回のサンプルではLightroomで補正が可能なレベル。F5.6〜F8で落ち着くので、大体の撮影では問題ないはず。

▲ BEFORE フリンジ除去前

▲ フリンジ除去後

程よい柔らかさが心地よい開放F4
ISO400 F4 SS1/2 PROVIA
ISO400 F4 SS1/80 ASTIA

▲ F4絞り開放の描写は柔らかく、逆に好印象。ピントの山は掴みやすく、静物相手ならカメラのピーキング機能も併用しMF撮影も苦にならないです。フィルムシミュレーションは個人的に一番しっくりするシーンが多いASTIA。フィルム時代には使わなかったけど。

ボケ・解像・立体感のバランスが良いF8付近が絶妙に使いやすい(個人的には)
ISO400 F8 SS1/850 CLASSIC Neg

▲ ラージフォーマットの良さを感じるのはこんな感じの被写体の撮影。立体感を感じる描写にニンマリ。F8近辺で解像感と程よいボケ感が得られ、結構好きなゾーン。

ISO400 F8 SS1/280 ASTIA
ISO100 F8 SS1/300 ASTIA

▲ 9月は稲刈りが始まる季節。成長した稲が青空に優しく溶け込む様な描写。一見ふんわりとした画ですが、ピント部分のキレはなかなか。と言うことで以下の画像を参照ください。

▲ 稲穂の部分の産毛の描写もしっかり。

ISO100 F8 SS1/300 +0.70 PROVIA

▲ GFXの120mmはフルサイズ換算96mm、マクロ以外でも望遠レンズとして活用可能です。GFレンズとの違いを感じるのがこの辺で、派手さが無くフラットで落ち着いた描写は大変気に入りました。標準のPROVIAでこんな感じなので、個人的にはちょっと苦手なVelviaも積極的に使えそう。

ISO1600 F11 SS1/80 VELVIA

▲ Velviaを使う機会も増えそう。

ISO1600 F11 SS1/105 VELVIA

▲ 全体をしっかり解像させるならF11が好み。それでも結構ボケるので、キッチリとマクロ撮影するならAPS-Cやフォーサーズのカメラで使用した方が楽です。

ISO1600 F11 SS1/100 Acros Yellow Filter
ISO1600 F11 SS1/250 Acros Yellow Filter

▲ モノクロ処理にも向いていて、今回はAcros+イエローフィルターでコントラストアップ。オリジナルデータの階調が豊かなので、モノクロ化したらフィルムで撮った様な出来に興奮しました。余談ですが、この欅の木は光の当たり方によっては人面に見えて怖いんですよね・・・

ISO250 F11 SS1/70 Nostalgic Neg

▲ 勿論スナップで持ち歩いても楽しいですが、レンズが巨大なので怪しまれる場合もあります。またフードのPENTAXロゴが巨大で目立つので、往年のペンタックスユーザーの皆様からお声がけ頂ける機会が増えました。

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まとめ〜派手さを求めなければ最良の選択かも

ETERNA

GFXで使えるマクロレンズには魅力的な選択肢が多いですが、自分にとっては「smc PENTAX-FA645 MACRO 120mmF4」がベストな選択と断言できます。スカスカなリングでのMFの操作感は快適とは言えませんが、あっさり系の出汁が効いた写りの本レンズに妙に惹かれてしまいました。誇張のない素直な描写は、フィルムシミュレーションを当てるのにも向いていて嬉しいポイントです。もしも純正のマクロを持っていたとしても、外せない一本になるはず。勿論フルサイズ用のレンズを見つけても良いですし、楽しめる1本を見つけて頂ければ幸いです。

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