人気のソニー(SONY)のミラーレス一眼α7Ⅳ( ILCE-7M4)とα7Ⅲ( ILCE-7M3K)。ベーシック機ながらも上位機種譲りの高性能で、どちらを選ぶか迷ってしまいますよね。
今回はこれら2機種のどちらがおすすめか、ざっくりと検討してみたいと思います。
自分も現在お悩み中です(汗)
以前α7Ⅲは使用していましたが、α7Ⅳは未使用。カタログスペック上での比較になりますので、ご了承ください。
最新機種、それとも前モデル?
『カメラと車は新しい方が良い』と言うけれど・・・
『カメラ・家電・車などの機械ものは新しい方が良い』これ、普通に納得できる文言ですよね。
普通はα7Ⅳ選ぶよね
でもα7Ⅲは今でも魅力的なのだ
カメラ (ボティのみ) | 発売日 | 参考価格 |
---|---|---|
α7Ⅳ 3300万画素 | 2021年12月17日 | ¥246,510 |
α7Ⅲ 2420万画素 | 2018年 3月23日 | ¥325,710 |
両機の発売は約3年8ヶ月差。ソニーの場合、前モデルがラインドロップせずに併売されることが多く、α7Ⅲは現在でも十分現役言えます。
スチル写真に限れば大きな年月差ではないのか?
動画性能は別して、スチル撮影の基本性能はある程度完成された領域にある(と思っていた)ので、3年8ヶ月の差はそれほど大きくなく感じていました。さてα7Ⅳの進化はどの程度なのでしょうか?
勿論上位機種のα1や高感度番長のα7S IIIと比べれば差は有りますが、趣味レベルでの写真撮影ならα7Ⅲの性能で十分との思いが強いので、大まかではありますが比較してみたいと思います。
悩ましい価格差
両機の価格差は実売約79,000円!意外と大きな差で、新品購入出来るレンズも沢山。
レンズだけでなく三脚やストロボなどに予算を割り当ててもいいよね。
勿論発売時期と価格差だけで決められることでもないので、もう少し掘り下げて比較していきましょう。
撮影性能の比較
オートフォーカス
まずは重要ポイントのひとつAF性能から。
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
---|---|---|
測距点 | 759点(位相差測距点) 425点(コントラスト測距点) | 693点(位相差測距点) 425点(コントラスト測距点) |
瞳AF | ネコ・犬の様な顔立 鳥 | ネコ・犬の様な顔立 |
瞳AF(動画) | ◯ | × |
リアルタイムトラッキング | ◯ | × |
検出輝度範囲※1 | EV-4 – 20 | EV-3 – 20 |
画像処理エンジン | BIONZ XR | BIONZ X |
α1と同等の位相差測距点数
α7Ⅲは、α9譲りのAF性能に惹かれ、私も発売と同時に飛びつきました(笑)
そしてα7Ⅳはなんとα1と位相差の測距点数が同じ! α7Ⅲの693点から759点と大幅にアップしています。
瞳AFは人・動物の他鳥にも対応
α7Ⅳの『リアルタイム瞳AF』は鳥にも対応。事前に鳥モードへの切り替えが必要ですが、鳥撮りの方は迷わずα7Ⅳですね。
リアルタイムトラッキング
リアルタイムトラッキングはかなり期待したい機能です。
勿論α7Ⅲでは追尾機能『ロックオンAF』がありましたが、物体認識アルゴリズム(AI)を用いた『リアルタイムトラッキング』の進化はかなり気になります。
また『リアルタイム瞳AF』と併用可能なので人物や動物撮影が多い方は是非活用したいですね。
α7Ⅲにも搭載してほしい、『リアルタイムトラッキング』
α6400には搭載されているのですが・・・
リアルタイムトラッキングの有無は悩みどころだね。
連写撮影
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
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非圧縮RAW+JPEG撮影 | 828枚✳︎1 | |
圧縮RAW+JPEG撮影時 | 1000枚以上✳︎1 | |
AF/AE追随連写 | 最高約10コマ/秒 | 最高約10コマ/秒 |
高速連写には CFexpress Type Aが必要
凄まじいα7Ⅳの連写力ですが、性能を最大限発揮するにはCFexpress Type Aが必要です。
私の場合は高速連写はそれほど必要ないので、10コマ/秒もあれば十分。α7Ⅳ連写機能の連写機能の向上はそれほど惹かれないかな・・・。
SUGO通いの私、ちょっと無理しても CFexpress Type A 買う!
モータースポーツ撮りには必要だよね。
CFexpress Type Aが必要かどうかは、自身の撮影スタイルにもよって検討した方が良いでしょう。
センサー・画素数の違いは?
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
---|---|---|
撮像素子 (COMOS) | Exmor R | Exmor R |
有効画素数 (APS-C) | 約3300万画素 (約1400万画素) | 約2420万画素 (約1000万画素) |
画素数はα7Ⅲの2420万画素で特に不足を感じることはありませんでした。
実際α7Ⅲの2420万画素は程よく使い易かった。
一方α7Ⅳは3300万画素にUP、高画素初代のα7Rが3640万画素でしたので、「そこまで増やさなくても・・・」と言うのが個人的な印象。勿論意味はあるのですが。
高感度はα7Ⅲの方が有利
現在α7Cしか手元になく、直接比較は出来ないのですが、高感度耐性はα7Ⅲの方が上だと思います。
下の画像はα7RⅣ・α7C・α7Ⅳでの夜景の撮り比べなのですが、やはり高感度ではα7Cが一番キレイです。
APS-Cカメラとして強い味方に
3300万画素のα7ⅣはAPS-Cモードでも余裕の1400万画素。望遠域が必要な時は威力を発揮します。
また例えば、標準ズームSEL24105Gの1本勝負の日は、APS-Cモードで望遠側105㎜が約157㎜まで使えることになり心強いですよね。
撮影後のトリミングも良いけど、ファインダー越しの風景がそのまま記憶されるって重要だよね。
動画性能
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
---|---|---|
液晶モニター | バリアングル | ティルト |
手ぶれ補正 | 5.5段 | 5.0段 |
XAVC HS 4K | ◯ | |
XAVC S 4K | ||
4K 60p | Super 35mm | |
アクティブ手ブレ補正 | ◯ | |
静止画/動画/S&Q 切り替えダイヤル | ◯ | |
フォーカスブリージング補正 | ◯ |
α7Ⅳは4k60p対応(Super 35mmモードのみ・・・)に!
私は4k30pで無問題。
僕はHDで間に合っているので更に問題なし!
更にフルサイズ4k(30pか24pのどちらか)収録では、7kの画素を元に4k動画を生成するとのこと。ここは有効画素数3300万画素の強みが活かされているポイントと言えます。
またα7S IIIから採用されたXAVC HS 規格にも対応しており、ファイルサイズを抑えながらも高品位な収録が可能になっています。
動画はα7Ⅳのバリアングルが吉
静止画での手軽さでは、α7Ⅲのティルト液晶に軍配が上がります。液晶パネルが光軸と同じだと、撮影時の違和感も感じません。
私は元々バリアン派ですが、動画撮影時はやはりこちらの方が使い易いです。と言うかバリアングルでないと撮影は無理に感じます。
その他にα7Ⅳのカメラ本体の操作性の向上など、書くことが沢山有りすぎでして・・・。今回はこれ位に留めておきますが、動画性能を重視するなら間違いなくα7Ⅳを選んだ方がベターと断言出来ます。
基本性能の比較
最後にカメラの基本性能の違いを、ポイントを絞って比較しておきます。
表示機能関連
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
---|---|---|
液晶モニター | バリアングル3.0型 | ティルト3.0型 |
ドット数 | 1,036,800 | 921,600 |
タッチ機能 | ● | △※ |
ファインダー | 1.3cm(0.5型) | 1.3cm(0.5型) |
ドット数 | 3 686 400 ドット | 2,359,296 ドット |
倍率 | 約0.78倍 | 約0.78倍 |
フレームレート選択 | STD 60fps / HI 120fps | ー |
背面液晶モニターやファインダーの性能は、全ての面に於いてα7Ⅳの方が上。とは言えα7Ⅲでも撮影には困らない性能です。但し液晶のタッチ機能については、個人的には微妙に感じたので以下に簡単に記載します。
α7Ⅲの液晶タッチ機能は微妙・・・
α7Ⅲでは、仕様上はタッチ機能が使用可能になっているのですが、主に撮影時の『タッチフォーカス』や『タッチパッド機能』としての使用がメインになっており、メニュー操作などの設定は行えません。
タッチ機能は、無くても困ることはないのですが、α7Ⅲにスマホの様な液晶の操作性を期待しているとガッカリしてしまうと思うので注意が必要です。
入出力・その他基本性能
α7Ⅳ | α7Ⅲ | |
---|---|---|
HDMI端子 | HDMI端子(タイプA) | HDMIマイクロ端子(タイプD) |
USB Type-C端子 | SuperSpeed USB (USB 3.2 Gen 1) | SuperSpeed USB (USB 3.1Gen 1) |
撮影可能枚数 ファインダー使用時 | 約520枚 | 約610枚 |
実動画撮影時 ファインダー使用時 | 約100分 | 約115分 |
重量※ | 約658 g | 約650g |
α7ⅣはUSB3.2 Gen2にアップグレード・PD充電対応
USB Type-Cですが、上はカタログ表示をそのまま載せました。USB規格は紛らわしいので整理すると・・・
- α7Ⅳ・・・USB3.2 Gen2 10Gps
- α7Ⅲ・・・SUB3.2 Gen1 5Gps
α7ⅢのUSB3.1 Gen 1がSUB3.2 Gen1になって???と思われるかもしれませんが、ここでは転送速度の違いだけ認識して頂ければ大丈夫かと思います。
α7Ⅳの10Gpsはなかなかだね
USB PD(Power Delivery)対応も嬉しい。
給電しながらの撮影が多いので助かりマス。
スタミナ重視ならα7Ⅲ
α7Ⅳでは撮影枚数・動画撮影時間がα7Ⅲより少なく(短く)なってしまいました。
どちらの機種でも動画メインでは予備バッテリーは必須なので、個人的には大きな問題ではない印象。
但しα7Ⅲで、旅行で静止画メインあれば一日1本のバッテリーで事足りることも多いのですが、α7Ⅳだと消耗が早く感じてしまうこともあるかもしれませんね。
結論 α7Ⅳ それとも α7Ⅲ?
「動画ならα7Ⅳ・写真メインならα7Ⅲが最適」と書こうと思っていたのですが・・・
記事を書く前は、上記の様に考えいたのですが、書いている途中で「これはちょっと違うな・・・」と感じたんですよね。
と言うのも、オートフォーカスを始めとした性能の進化は結構大きく、スチルメインユーザーでもα7RⅣを選択するメリットは大きいと感じます。
動画撮影重視であれば間違えなくα7Ⅳ一択で。そして予算が許せばα7S IIIやFX3も選択肢にと言った感じですかね。
静止画に於いても人物・動物など動き物の撮影が多いユーザーは、進化したα7Ⅳのオートフォーカス性能を体感したいところ。α1譲りのAF性能と『リアルタイム瞳AF』の鳥対応などα7Ⅳを選ぶメリットは大きです。
風景写真撮影でα7Ⅲで困ることはまずありませんでした。α7Ⅳが発売された今で、スペック面でα7Ⅲが劣るのは確かですが、カメラの基本性能は高いですし、出てくる画像も十分現役です。
また前モデルはキャッシュバックキャンペーンの対応機種になる場合が多いので、本質からずれますが選択する際のメリットになるはずです。
迷ったらα7Ⅳ
もしも初めての一眼カメラで迷っているなら、予算が許せばα7Ⅳがおすすめ。
先に申した通り、α7Ⅲは十分バランスの取れたカメラですが、メニューがタッチ操作出来なかったりといまどきのカメラとは言えない部分も。初めから承知で買えば問題ありませんが、スマホ操作に慣れていると『うーんと』と感じてしまうかもしれません。
でも写真だけならα7Ⅲでも十分楽しめるよ。
α7Ⅳはα7Ⅲからの全体的な底上げがしっかりとされているので、作品作りの助けになってくれることは間違いありません。
α7Ⅳは単なるα7Ⅲの動画機能の強化版ではなく、全方位でバランスの取れた、正にビヨンド・ベーシックな一台と言えそうです。
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