今回はカメラ・レンズのフォーカスブリージングについて簡単に触れていきます。
ブリージングとは、ピントの移動とともに撮影画像の画角が変わってしまう現象で、特に動画撮影で不自然に感じることがあります。これは動画特有の問題として捉えがちですが、静止画撮影でのフレーミング・構図決めの際にも役立ちます。大体で良いので知っていても損はしないですよ。
本記事は『ブリージング発生=性能の悪いレンズ』と言う意味で書いているのでは有りませんので承知頂ければ幸いです。
- フォーカス位置によって画面構成が変わってしまう→フレーム内に余計な情報が入る場合が
- 深度合成撮影する際に画角の変化を認識しておいた方がベター
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フォーカスブリージングとは?
冒頭にも簡単に述べましたが、一言でまとめると以下の通りです。
ピント移動に伴い、画像の画角が変動すること。
例えば、カメラのオートフォーカスがピント調整で手前〜奥へと迷った場合、画角が変化して見える経験があると思います。スチルメインの方とってブリージングの名称自体を聞き慣れないだけで、実は身近な現象です。
従前のスチル用レンズでブリージング現象が問題視されることはあまり有りませんでしたが、最近は動画と静止画撮影の境が無くなり、コンシューマー向けレンズでも本現象に対処出来るレンズが発売されています。
写真で違いをチェック
今回は下記のちょっと古め(と言っても現役ですが)と最新の2本の50㎜単焦点レンズを用い、ブリージングの出具合をチェックしてみましょう。更にカメラ側(α7Ⅳ)のブリージング補正機能も簡単に触れてみたいと思います。
- Planar T* FE 50mm F1.4 ZA SEL50F14Z
- FE 50mm F1.4 GM SEL50F14GM
Planar T* FE 50mm F1.4 ZAは発売の時期的に動画撮影に対してはあまり考慮されていないレンズ・・・だと思います。
勿論写りは色褪せることなく、写真撮影なら十分現役です。
- カメラ側フォーカスブリージング補正機能:非対応
FE 50mm F1.4 GMは最新機種らしく静止画・動画に最適化された機能を誇ります。
- 高速かつ静かなAF
- カメラ側フォーカスブリージング補正機能:対応
- アクティブ手ブレ補正機能:対応
論より証拠ということで、下の2枚の画像を見比べてください。カメラを三脚に固定した状態で、①猫※の目にピントを合わせ②宅急便のミニカーにピントを移動しています。
※猫は最短撮影距離0.45m付近に設置しています。
Planar T* FE 50mm F1.4 ZA SEL50F14Z の場合
①猫の目にピントをあわせる
②宅急便のミニカーにピントを合わせる
予想はしましたが、ブリージング現象はそれなりに生じています。②の画像には左右にカーテンがフレームインしてします。両脇に置いたペットボトルの位置もだいぶ異なります。
FE 50mm F1.4 GM SEL50F14GM の場合
①猫の目にピントをあわせる
②宅急便のミニカーにピントを合わせる
Planarと同様の撮影をFE 50mm F1.4 GMでも行いました。こちらもブリージング現象は生じています。但しこちらのレンズはカメラ側のブリージング補正機能に対応しています。
α7Ⅳのブリージング補正機能、その実力は?
上の画像と同様に、猫の目→ミニカーへとピントを移動しています。
①ブリージング補正なし
②ブリージング補正あり
α7Ⅳのブリージング補正機能を使うと綺麗に補正されました。これは凄いですね。但し画角は狭くなります。
写真撮影でもレンズのクセを知っているとベター
やや広角の焦点距離34㎜、F11で撮影していますが、手前の花から奥の山までボケずに撮ることは不可能です。こんなケースは深度合成用の素材として、ピント位置をずらし複数枚撮影しますが、この際も事前にレンズの特徴を知っていると良いデータを得るのに役立ちます。
まとめ
以上レンズのブリージング現象について実写を含めて簡単に解説してみました。重ね重ねになりますが、『ブリージング発生=性能の悪いレンズ』ではないと言うこと。確かにブリージングが出ない方が良い場面も有るのですが、最近はカメラ側での補正も有りますし(但し補正に対応するボディとレンズが必要)、レンズの一特徴として捉えておけば良いのではないでしょうか。
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